SEKAI NO OWARI初のドームツアー終結、夏にはニューシングル

2017.2.13
コラム
音楽

「SEKAI NO OWARI ドーム・スタジアムツアー2017『タルカス』」京セラドーム大阪公演の様子。(撮影:田中聖太郎)

SEKAI NO OWARIの全国ツアー「SEKAI NO OWARI ドーム・スタジアムツアー2017『タルカス』」のファイナル公演が、昨日2月12日に大阪・京セラドーム大阪にて開催された。

このツアーで彼らは、埼玉・さいたまスーパーアリーナ、愛知・ナゴヤドーム、そして京セラドーム大阪にて合計5公演を実施。彼らならではの圧巻の演出とサウンド、物語性の強い展開で集まったファンを楽しませた。

会場のアリーナ中央には巨大な樹木を模したステージセットが組まれ、それを360°取り囲む形で客席が設置されている。場内には木々のざわめきやさまざまな生き物の鳴き声がこだまし、開演前から観客たちを森の世界へと誘った。

オープニングでは、このライブのストーリーテラーとも言える“森の仲間たち”がステージの周囲からオーディエンスに挨拶した。精巧に作られたオランウータン、ハシビロコウ、カモシカ、ゾウが登場し、この森には「タルカス」という物語が伝わっていると告げる。最初に話し始めたのはハシビロコウのグリモン。彼はある王国で妻と娘と幸せに暮らしていた男、タルカスの物語を語り始めた。家族で幸せに暮らしていたタルカスだが、ある日大きな嵐がこの国を襲い、タルカスの娘は家の下敷きになってしまったと話す。

そんな話の途中、メンバー4人が円形ステージへ登場し4方向を向いて最初の曲「炎と森のカーニバル」を奏でた。ステージセットにぴったりのこの曲に、オーディエンスは両手を挙げて大喜びする。華やかなサウンドから一転し、続いては「Death Disco」へ。Saori(Piano)の鳴らすピアノが会場をスリリングな空気へと導いた。ツアーグッズの制御型ライト「スターライトリング」が美しく輝き、DJ LOVE(DJ)の煽りに乗せて観客の手拍子が響いた「スターライトパレード」が終わると、グリモンが口を開く。タルカスは国の救助を3日間待ち続けたが、その甲斐もなく娘は亡くなったという物語の続きが明かされた。

再びステージが明るくなると4人の立ち位置は90°回転しており、先ほどと異なる光景にオーディエンスからどよめきが起こる。ここで披露されたのは「死の魔法」。物語の続きのような歌詞をFukase(Vo, G)は穏やかな声で歌う。「青い太陽」ではNakajin(G)がエモーショナルなギターソロを聴かせ、会場を大いに盛り上げた。

救援をよこさなかった国王に抗議するため、タルカスをはじめとした市民たちが城に押しかけたというストーリーが語られたあと、ストリングス隊が「Never Ending World」の重厚なイントロを奏で、Fukaseは情熱的な歌声で観客を圧倒する。「マーメイドラプソディー」ではNakajinとFukaseが柔らかなボーカルを響かせ、「Monsoon Night」ではステージに炎が吹き上がる中、ダイナミックなドラムとホーンズの音色が場内の熱気を上昇させた。

国王への反発が高まり、ついに革命が起こって国王の処刑が決定。かつては国民に愛されていた国王がギロチン台に乗せられる姿を見て、タルカスが悔し泣きしたという物語の結末が明かされると、会場は15分の休憩へ入った。休憩明けでは物語の新たな語り部としてクジラのサリーが紹介される。サリーはドームの空中にその大きな姿を現し、オーディエンスを驚かせた。

サリーが空中をゆったりと泳ぐ中で「眠り姫」が披露され、複雑に展開するサウンドが会場の空気を目まぐるしく変化させる。続く「Love the warz -rearranged-」では赤い照明が場内を照らす中、ダークなホーンサウンドに乗せてFukaseが荒々しいボーカルを届けた。その後、サリーは自身が知るタルカスの物語を話し始める。国王は救援を派遣すれば多数の兵士も犠牲になると考え、嵐が止んだら子供が多い地域からすぐに助けに行こうと決めていたとのこと。先ほどグリモンが語った物語との違いに、森の仲間たちは驚きの声を上げていた。

そんな“物語の二面性”を表現するかのように「天使と悪魔」が演奏されたあと、サリーはさらに続きを語る。国民をできるだけたくさん助けられるよう考えたうえでの国王の行動だったが、被害が想像以上に大きすぎたこと、そんな彼の訴えも届かず処刑が決まったこと。処刑の日に国王は自分は間違っていないと思うようにしていたが、いざその瞬間には悔し泣きしたということ。そんな救いのない物語に手を差し伸べたのは、続く楽曲「SOS」。Fukaseの清らかな歌声と静謐なアンサンブルが、賛美歌のように響き渡った。

「Hey Ho」ではずっと4方向を向いていたメンバー4人が初めて1カ所に集まり、笑顔でそれぞれの音を鳴らす。Fukaseは「歌おう、大きな声で!」とオーディエンスに呼びかけ、大合唱を巻き起こした。本編最後の曲に入る前、グリモンとサリーは物語の本当の結末を明かす。タルカスの悔し泣きをきっかけに、国王の処刑を見守っていた市民たちも泣き出し“ドラゴンの鳴き声”のような声が一晩中響き渡った。このことから、この日は「竜夜」と呼ばれ、どんな争いも一晩休戦して敵も味方もなく楽しくお祭りをする夜になった――この物語が“あの曲”の話であることに気づいた観客からは大歓声が起こる。そして披露されたラストナンバーは「Dragon Night」。物語さながらのお祭り騒ぎの中、本編は賑々しくエンディングを迎えた。

アンコールでメンバーは最初に「RPG」を演奏。Saoriはこのツアーを共に作り上げたメンバーやスタッフへ改めて感謝を述べたあと、今回のツアーはFukaseが書いた物語をもとに作られたことをファンに語る。Fukaseはこの「タルカス」の物語について「絵本にしようと思ってて……。今回のツアーのグッズにできたらと思って去年の夏から描いてるんだけど、まだ1ページしか描けてない(笑)」と明かし、「今世紀中には!」と目標を語るが、Nakajinから「今世紀、あと80年ぐらいあるけど(笑)」と突っ込まれていた。

Fukaseは「タルカス」の物語を書いた理由について「みんなもわかると思うけど、今の時代は情報がすごく多い。そういう時代だからこそ、人に怒ったり憎んだりするのは辛いことなんだ、相手のことを想像するのが愛情なんだと子供たちに伝えたくて作りました」と語った。そして「説教臭くなっちゃったね(笑)」と雰囲気を切り替え「もう1つお知らせがあります。今年の夏にシングルリリースを予定しています!」と新曲を制作していることを明かし、ファンを狂喜させた。

ツアーを締めくくる最後の楽曲「インスタントラジオ」が終わると、4人はステージを1周してドーム中の観客に挨拶。最後は2台のトロッコに分乗し、会場中に手を振りながら去っていった。

SEKAI NO OWARI ドーム・スタジアムツアー2017「タルカス」
2017年2月12日 京セラドーム大阪 セットリスト

01. 炎と森のカーニバル
02. Death Disco
03. スターライトパレード
04. 死の魔法
05. スノーマジックファンタジー
06. 青い太陽
07. Never Ending World
08. マーメイドラプソディー
09. Monsoon Night
<休憩>
10. 眠り姫
11. Love the warz -rearranged-
12. Error
13. 天使と悪魔
14. SOS
15. Hey Ho
16. Dragon Night
<アンコール>
17. RPG
18. インスタントラジオ