インディーズゲームのススメ第4回 手動生成ダンジョンゲーム「biblinthus」

コラム
アニメ/ゲーム
2015.9.1
 (C) PlatineDispositif 2015

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手動生成ダンジョンゲームって一体何?

 インディーズゲームのススメ第4回は、前回と引き続きコミックマーケット88で見つけた面白いインディーズゲームを紹介します。今回紹介するのはPlatine Dispositif制作の「biblinthus」です。本作は手動生成ダンジョンゲームという、今までにないジャンルのゲームとなっています。今回はそんな本作がどんなゲームなのか、そしてどんなところが面白いのかをお伝えします。

 本作は少しだけある足場を起点に、ダンジョンを制作して謎の空間を探索するゲームです。上からダンジョンの一部となる床板が降ってくるので、それをフィールドを回転させたりキャラクターを動かして位置を調整しつつ落下させ、ダンジョンを形成しましょう。床板が画面外にはみ出してしまった時はその分画面がスクロールします。この時、自キャラが画面外に押し出されてしまうとゲームオーバーになります。この床板は自キャラが何歩か歩いた後に降ってくる仕様になっていますので、降ってくるブロックが決まったら一度立ち止まってどこに落とすか決めてから歩き出すといいです。

(C) PlatineDispositif 2015

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 このダンジョン製作時、宇宙に浮かぶ宝石を巻き込むと銀の鍵ゲージがたまります。この銀の鍵ゲージをMAXにして銀の鍵を解放すると次のエリアに進めます。これを繰り返して少しでも先に進むことが本作の目的です。銀の鍵ゲージは上記以外に、アイテム入手や、アイテム使用で貯まることもあります。

(C) PlatineDispositif 2015

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 宝石を巻き込んだ時は銀の鍵ゲージが貯まるだけではなく、アイテムや敵が出現します。アイテムには使用することで鍵ゲージを貯めてくれるものや好きな場所に地形を無視して移動できるもの、1ミスしても大丈夫なものから、はたまた毒キノコ的なマイナスアイテムまでさまざまなものがあります。アイテムは所持上限が3~7と決まっており(所持上限もこの幅でアイテムで上限を増やせる)、また死んでしまってはアイテムも無駄になってしまうので、惜しみなく使っていくといいと思います。その他、出現する敵は基本的には倒せず、敵は通り越せないため、狭い足場などに出現するとその道が通れなくなるなど、厄介な存在です。予期せぬ敵の出現によって先に進めなくなり、詰んでしまうということがよく起きるので、可能な限り道は広く取りたいですね。まあ、降ってくる床板のご機嫌次第な所はありますが。

(C) PlatineDispositif 2015

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 このように、ダンジョンを制作して自分への助けと脅威を同時に制作しつつ、運次第で段々と道がなくなっていく、そんな耐久パズルゲームといった印象のゲームとなっています。

運に翻弄されるゲームの中でこそ、ひらめき力が試される

 本作は降ってくる床板もランダム、その他アイテムも出現敵もその他もろもろ全てがランダムです。なので、降ってくる床板、その他敵やアイテムに応じて臨機応変に対応する必要があります。それはさながら不思議のダンジョンシリーズのようなローグライク系ゲームに似た所はありますが、こちらはそれよりも更にシビアです。なにせ、降ってくるブロック次第で先に進めず詰んでしまうという事態が頻発するからです。特に慣れるまではその傾向が顕著で、私はろくに説明書も見ずに始めたせいもあって、開始直後は一度もエリアを進められず宇宙に投げ出されていました。

(C) PlatineDispositif 2015

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 そんな本作ですが、ゲームシステムに慣れてくると、そのシステムの面白さに今日はどれくらい進めるかと何回も挑戦してしまう中毒性があります。というのも、そのランダム性の高さ故に何回やっても同じ展開にはなりません。なので、常に新鮮な気持ちでゲームを遊ぶことが出来るのが本作の魅力です。ダンジョン生成もアイテム入手も何もかも選べない、とても非力な存在の主人公。そのように不自由でかつ理不尽極まりないからこそ、発想の転換でうまく先に進めた時の嬉しさは格別です。特に、上下左右全ての道が塞がれてしまった後に、悪あがきで宝石回収をしてギリギリ銀の鍵ゲージを貯めきった時は脳汁が出まくることでしょう。

 常に新しい展開で、毎回ひらめきが試される。本作はさしずめ落ちものパズルゲームのエンドレスモードに、さまざまな仕掛けを追加したといった耐久パズルのようなゲームです。不運を乗り越えるために知恵を絞り出す、時にはそれを超えた後に更なる理不尽に見舞われて撃沈することもありますがそれも含めて面白いのが本作の魅力であり醍醐味となります。

公式紹介動画

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