０から１ そしてその先へ　想いがひとつになった『ラブライブ！サンシャイン!! Aqours First LoveLive! ～Step! ZERO to ONE～』 Day.2

ラブライブ！サンシャイン!! Aqours First LoveLive! ～Step! ZERO to ONE～ 2017.2.26(Sun) 横浜アリーナ

普通の女の子が輝く瞬間。Aqoursが紡ぐその“物語”を、横浜アリーナのオーディエンスたちは目撃した。

オールメディア展開するスクールアイドルプロジェクト『ラブライブ！サンシャイン!!』のスクールアイドルグループ・Aqours。そのファーストライブとなる『ラブライブ！サンシャイン!! Aqours First LoveLive! ～Step! ZERO to ONE～』が、2月25日（土）と26日（日）に横浜アリーナで行われた。

浜辺で手を上げた高海千歌の姿に「助けて、ラブライブ！」という言葉を添えたビジュアルが世に出た2015年2月26日から、ちょうど２年。千歌たちの成長を丁寧に追ったTVアニメのように、今回のライブは伊波たち９人の成長と、それを経て生まれた輝きを随所から感じさせるものになっていた。ここでは２日目の様子をレポートする。

９色のペンライトの明かりでいっぱいになった横浜アリーナ。記念すべきファーストライブ（Day.2）は、TVアニメのオープニング主題歌『青空Jumping Heart』と、2ndシングル『恋になりたいAQUARIUM』の２曲で幕を上げた。Aqoursの９人は、『青空～』の爽やかな衣装で登場。同曲のフルバージョンは今回が初披露だが、２番からの各ソロパートも堂々とした歌声だ。モニターに映る千歌たち９人とも完全にシンクロし、会場を早くも『ラブライブ！サンシャイン!!』の世界に包み込んでいった。

今回のライブの大枠は、TVアニメの挿入歌を時系列に追っていく流れ。結成から数々の困難を乗り越えてきたAqoursの歩みを、一遍のドキュメンタリーのように紡いでいくことになる。

千歌ひとりだったところから、曜が仲間になり、梨子とベランダ越しに手を取りあったTVアニメ序盤。伊波、斉藤、逢田の３人が体育館ライブの衣装に着替えて現れると、『決めたよ Hand in Hand』、『ダイスキだったらダイジョウブ！』という、「２年生にとって思い出深い２曲」（逢田）を畳み掛けていく。

そこからルビィ、花丸、善子の３人が加わり、内浦の魅力をアピールするＰＶ作りに悪戦苦闘したTVアニメ中盤。ライブでも降幡、高槻、小林を迎えて６人になると、『夢で夜空を照らしたい』を噛みしめるように歌い上げた。劇中で空へ上がる灯籠に託された6人の決意や期待のイメージは、オレンジ色のペンライトの海として表れた。横浜アリーナが内浦になった瞬間だ。

ただ、逢田に梨子のようなピアノ経験はない。伊波の歌と同時にピアノも弾き始めるも、手が震えて指を運べず、演奏が止まってしまった。きっと相当のプレッシャーだったのだろう。そこへ伊波、諏訪、鈴木の３人が駆け寄り、逢田を優しく抱きしめながら、「絶対大丈夫」と声をかけていた。会場も、「頑張れ～！」という大きな歓声から「梨香子」コールに発展。ここには逢田の味方しかいない。

そして逢田は、見事に２回目を成功させた。震えを押し殺しながら、軽快なピアノソロも乗り越え、最後の１音までたどり着いた。スポットライトの下で深々と礼をする姿には、拍手と歓声が鳴りやまない。すべての想いがひとつになった瞬間だ。MCではTVアニメ同様、手にお揃いのシュシュを付けた８人と逢田が、「おかえり！」「ただいま！」と笑いあっていた。

そしてライブはクライマックスへ。ラブライブ！地方予選のステージに上がろうとする千歌たちの映像からの流れで、衣装替えした９人が再登場。第13話で見せたAqoursの歩みを紹介する寸劇を、センターステージで再現した。円陣を組んでの「点呼」も、浦の星女学院の生徒たちに代わってオーディエンスが「10！」と声を合わせる。勢いそのままに歌った『MIRAI TICKET』と『君のこころは輝いてるかい？』の一体感は、これ以上ないものだった。

アンコールに応えたAqoursは、水色のライブTシャツとグレーのスカート姿で登場。９台のトロッコで会場全体を移動しながら、『Pops heartで踊るんだもん！』と『ユメ語るよりユメ歌おう』をファンと一緒に歌い上げた。そして今回のファーストライブのタイトルでもある『Step! ZERO to ONE』で締め。ジャンプも多い激しいダンスの曲だが、最後の最後まで彼女たちの輝きは曇らなかった。TVアニメ２期をはじめ、2ndライブツアー、新曲リリースなども発表された今回のライブ。０から１に踏み出したAqoursは、これからさらにこの先の景色を見せてくれるだろう。

©2016 プロジェクトラブライブ！サンシャイン!!

レポート・文：小林 真之輔