この夏、英仏二大バレエ団が東京で合同公演! オペラ座&ロイヤル 夢の競演〈バレエ・スプリーム〉

インタビュー
クラシック
舞台
2017.3.7
パリ・オペラ座バレエ団 撮影:西原朋未

パリ・オペラ座バレエ団 撮影:西原朋未


2017年7月26日(水)~30日(日)、パリ・オペラ座バレエ団英国ロイヤルバレエ団の選りすぐりのダンサー達が東京で合同公演を行う。フランスと英国という、ヨーロッパの頂点に立つ二大バレエ団が日本で合同公演を行うのは初めてのことで、ファンにとっては英仏二大バレエ団の精鋭を目にする、またとない機会となる。

去る3月4日に行われた記者会見では、パリ・オペラ座バレエ団公演で来日中のオレリー・デュポン監督をはじめ、エトワールのマチアス・エイマン、ミリアム・ウルド=ブラーム、3月3日に東京公演終了後にエトワールに任命されたユーゴ・マルシャンなど、競演に出演するダンサー達が公演で披露するそれぞれの演目と、期待を語ってくれた。

■フランスと英国、2つの流派を見比べて

オレリー・デュポン芸術監督 この公演のオファーを頂いたときに、すぐに承諾しました。非常に野心的なプロジェクトだと思います。英国ロイヤルバレエ団は素晴らしいバレエ団で、この夏“ドアを開ける”、つまりお互いの交流ができるというのは素晴らしいことです。日本の皆様にとっては2つの違った流派を見比べる機会になり、若いダンサーにとってはいい経験となるでしょう。お客様はもちろん、ダンサー達もこの公演を楽しんでほしいと思っています。

パリ・オペラ座のプログラムは私たちの伝統を踏まえたものです。またダンサー達は私がアーティストとしても人間としても敬愛できる、ダンサーのサンプルと言える人達を選びました。とくにミリアム・ウルド=ブラームとマチアス・エイマンのペアはまさに「スプリーム=最上の」を体現する、この公演にふさわしいペアと言えます。

さらに今回の目玉として、英国ロイヤルバレエ団との合同プログラムもあります。1つは「ドン・キホーテ」、もうひとつは「眠れる森の美女」です。こうしたコラボレーションによる多様性も楽しんでいただけると思います。

デュポン芸術監督(中央)とエイマン(左)、ルーヴェ(右) 撮影:西原朋未

デュポン芸術監督(中央)とエイマン(左)、ルーヴェ(右) 撮影:西原朋未

■ウルド=ブラーム&エイマンは「白鳥の湖」を披露

マチアス・エイマン 今回の〈バレエ・スプリーム〉の公演の特徴は、二大バレエ団の共演にあり、個人個人が参加するガラ公演とは違います。私にとってパリ・オペラ座以外の人達、違う世代のダンサー達との共演は貴重な経験です。
またミリアムも私も経験を積んで中堅に近づいてきましたので、そういう意味では若いダンサーに助けを与えらえれるような、そんな機会にもなればと思います。

英国ロイヤルバレエ団はレパートリーにもダンサーにも特徴があるので、彼等から刺激を受け、外からの視線を感じることも貴重な機会になるでしょう。

ミリアム・ウルド=ブラーム 今年の夏に、この公演のために素晴らしい仲間とまた日本に戻ることができること、そして敬愛するパートナーであるマチアスと共に、皆様にパフォーマンスを見せられることをうれしく思います。

ミリアム・ウルド=ブラーム(エトワール)、マチアス・エイマン(エトワール) 撮影:西原朋未

ミリアム・ウルド=ブラーム(エトワール)、マチアス・エイマン(エトワール) 撮影:西原朋未

■ボラック&ルーヴェは記念演目「白鳥の湖」第3幕を

レオノール・ボラック 「白鳥の湖」は私たちにとって、エトワールに任命された時に踊ったもので、キャリアのなかで非常に重要な作品となりました。パートナーとしてのジェルマンは常に気を配ってくれて優しく、また良い友達です。しかも彼は美男ですし、完璧なパートナーです(笑)。

ジェルマン・ルーヴェ レオノール同様「白鳥の湖」は私にとってもキャリアのシンボルとなる作品で、とても大切に思っています。特にパリ・オペラ座のヌレエフ振り付けによる「白鳥の湖」は、バレエ学校でも習う馴染みのあるものです。パートナーとしてのレオノールには同じ言葉を捧げたいです(笑) さらに彼女は優雅で生き生きとして直感的な踊りができる。私を物語の世界へ誘導してくれる、頼もしいパートナーです。

ジェルマン・ルーヴェ(エトワール)、レオノール・ボラック(エトワール) 撮影:西原朋未

ジェルマン・ルーヴェ(エトワール)、レオノール・ボラック(エトワール) 撮影:西原朋未

■アリュ「レ・ブルジョワ」で“ショーマン”の魅力を発揮

フランソワ・アリュ 「レ・ブルジョワ」はガラで何度も踊っていて、個人的に好きな作品です。クラシックでもコンテンポラリーでもない独特のジェスチャーが求められ、個性を発揮できるのではないでしょうか。
また先程デュポン監督が私のことを“ショーマン”と紹介してくださいましたが、ショーマンシップというのは観客との繋がりを意味していると思います。踊りを通してメッセージを伝える、ということです。この英国ロイヤルバレエ団との共演では必ず刺激を受け、成長できるだろうと期待しています。

フランソワ・アリュ(プルミエ・ダンスール) 撮影:西原朋未

フランソワ・アリュ(プルミエ・ダンスール) 撮影:西原朋未

■日本で誕生したエトワール・マルシャンはオニール八菜と共演

ユーゴ・マルシャン まず(3月3日にエトワールの任命を受けた翌日の)今朝の気持ちは、とても幸せです。昨日の夜の出来事は目覚めたまま見た夢のようでした。時間とともに現実味を帯びていくのではないかと思います。また人生に1回しかない瞬間を、日本の観客の方々と共有できたのは、とても幸せなことでした。
エトワール――つまり、フランスのバレエを世界に広める大使のような役割になれるのはうれしいことです。マチアスやミリアムのように、インスピレーションを与えられるような存在になりたいと思います。

この〈バレエ・スプリーム〉でパートナーとして踊るのはオニール八菜。彼女はガラ公演で共演する機会も多く、コリフェ昇格のタイミングや国際的な賞をもらった年など、共にキャリアを重ねてこられたパートナーです。彼女とフランスのバレエを、国際的に広めていけることをうれしく思います。

ユーゴ・マルシャン(エトワール) 撮影:西原朋未

ユーゴ・マルシャン(エトワール) 撮影:西原朋未

このほか英国ロイヤルバレエ団の演目はサラ・ラム&フェデリコ・ボネッリ「アポロ」「コンチェルト」、高田茜&ベンジャミン・エラ「ジゼル」「真夏の夜の夢」、スティーブン・マックレーのタップ・ソロなどが予定されている。「この共演でどのような化学反応が起こるか、それは会場で確かめてください」とデュポン芸術監督。決して見逃せない、必見の公演だ。

公演情報
オペラ座&ロイヤル 夢の競演 〈バレエ・スプリーム〉
 
■Aプロ
7月26日(水) 18:30~
7月27日(木) 18:30~
■Bプロ
7月29日(土) 13:00~
7月29日(土) 18:00~
7月30日(日) 14:00~
■会場:文京シビックホール
■出演(予定):
【パリ・オペラ座バレエ団】
レオノール・ボラック(パリ・オペラ座バレエ団エトワール)
マチアス・エイマン(パリ・オペラ座バレエ団エトワール) 
ジェルマン・ルーヴェ(パリ・オペラ座バレエ団エトワール)
ミリアム・ウルド=ブラーム(パリ・オペラ座バレエ団エトワール)
フランソワ・アリュー(パリ・オペラ座バレエ団プルミエ・ダンスール)
ユーゴ・マルシャン(パリ・オペラ座バレエ団エトワール)
オニール八菜(パリ・オペラ座バレエ団プルミエール・ダンスーズ) 
【英国ロイヤル・バレエ団】
スティーヴン・マックレー(英国ロイヤル・バレエ団プリンシパル) 
フェデリコ・ボネッリ(英国ロイヤル・バレエ団プリンシパル) 
フランチェスカ・ヘイワード(英国ロイヤル・バレエ団プリンシパル) 
サラ・ラム(英国ロイヤル・バレエ団プリンシパル)
ヤーナ・サレンコ(英国ロイヤル・バレエ団ゲスト・アーティスト)
髙田茜(英国ロイヤル・バレエ団プリンシパル)
マルセリーノ・サンベ(英国ロイヤル・バレエ団ソリスト) 
ベンジャミン・エラ(英国ロイヤル・ バレエ団ファーストアーティスト)

■公式サイト:http://www.nbs.or.jp/stages/2017/supreme/index.html

 

2017/03/30(木)11:00~2017/04/05(水)18:00 座席選択先行受付
2017/04/08(土)10:00~ 一般発売

※福岡公演
■日時:2017/8/2(水)18:30開演
■会場:アクロス福岡シンフォニーホール (福岡県)


2017/03/01(水)12:00~2017/03/16(木) 18:00 プレオーダー受付
2017/03/26(日)10:00~ 一般発売

 
公演情報
パリ・オペラ座バレエ団
■演目・日程:
<グラン・ガラ>2017/3/9(木)~3/12(日)
■会場:東京文化会館大ホール
■問合せ:NBS/公益財団法人日本舞台芸術振興会 03-3791-8888
■公式サイト:http://www.nbs.or.jp/stages/2016/parisopera/index.html

■出演者変更内容
〈グラン・ガラ〉
●3月9日(木)18:30
「テーマとヴァリエーション」ドロテ・ジルベール、マチュー・ガニオ → ミリアム・ウルド=ブラーム、マチアス・エイマン
「ダフニスとクロエ」ダフニス:エルヴェ・モロー → ジェルマン・ルーヴェ
「アザー・ダンス」マチアス・エイマン → ジョシュア・オファルト
●3月
10日(金)18:30
「ダフニスとクロエ」ダフニス:ジェルマン・ルーヴェ → マルク・モロー
●3月11日(土)13:30
「テーマとヴァリエーション」ヴァランティーヌ・コラサント、ジョシュア・オファルト → ヴァランティーヌ・コラサント、フランソワ・アリュー
「ダフニスとクロエ」ダフニス:エルヴェ・モロー → ジェルマン・ルーヴェ
●3月11日(土)18:30
「テーマとヴァリエーション」ドロテ・ジルベール、マチュー・ガニオ → ドロテ・ジルベール、ジョシュア・オファルト
「ダフニスとクロエ」ダフニス:エルヴェ・モロー → ジェルマン・ルーヴェ ドルコン:マルク・モロー → ジェレミー=ルー・ケール
●3月12日(日)15:00
「ダフニスとクロエ」ダフニス:ジェルマン・ルーヴェ → マルク・モロー
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