[Alexandros]・川上洋平、女優・山村紅葉らがイラン・フランスのサスペンス映画『セールスマン』に絶賛コメント
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映画『セールスマン』 (C)MEMENTOFILMS PRODUCTION-ASGHAR FARHADI PRODUCTION-ARTE FRANCE CINEMA 2016
6月10日(土)公開の映画『セールスマン』に、[Alexandros]川上洋平、女優・山村紅葉ら著名人が寄せたコメントをよせている。
『セールスマン』は、第89回アカデミー賞外国語映画賞を受賞したイラン・フランス映画。アカデミー賞外国語映画賞、ベルリン国際映画祭で史上初の主要3部門を受賞した『別離』のアスガー・ファルハディ監督の最新作。作家アーサー・ミラーの戯曲『セールスマンの死』に出演する役者夫婦の妻が何者かに襲われ、夫が犯人さがしを始めたことで思いもよらない方向に物語が展開していくサスペンス作品だ。
同作を公開にさきがけて鑑賞したのは、作家の赤川次郎氏、女優の山村紅葉、ジャーナリストの田原総一朗氏、映画監督の原田眞人氏ら様々なジャンルの著名人。中東・シリアに住んでいたこともある[Alexandros]川上洋平もコメントを寄せている。
公開された著名人の各コメントは以下のとおり。
赤川次郎(作家)
役者夫婦の妻が男に襲われる。急速に近代化する都市の顔の下に、根強く残る古い価値観の壁が、その事件をきっかけに二人を引き裂いて行く。息詰まるサスペンスで、巧みに現代の病巣を包み込んだ監督の手腕は魔術のようだ。
山村紅葉(女優)
妻を突然襲った衝撃的な事件が、仲の良かった夫婦の間に溝をつくり、復讐に燃えた夫の前に現れたのは?? サスペンスの裏女王といわれる私にも、全く推理出来なかった、衝撃の結末!!
是非、カップル、ご夫婦で、観て頂きたい作品です。
田原総一朗(ジャーナリスト)
現実的には起きえない出来事を、凄まじい迫真力でグイグイ引き込んでいく監督の演出力の凄さを感じさせる映画である。とても面白かった!!
原田眞人(映画監督)
見えない娼婦アフー、見せられない性犯罪、ファルハディの新作は巧妙に隠された政治批判が風味を放つ、知的でテンポの速いスリラーだ。アメリカが赤狩りで揺れた時代の戯曲「セールスマンの死」と合わせ鏡のテヘランの今が秀逸。
川上洋平([Alexandros] Vocal&Guitar)
復讐心をここまできめ細かく、淡々と表現したシャハブ・ホセイニさんに拍手。リメイクは不可能だと思います。それにしてもスイッチ入れたら電球割れるってうちの中東の家でもよくあったので懐かしかったです笑
西川美和(映画監督)
どうしてこんなささいな場所と人間関係だけで、観る者を汗だくにしてしまう映画が出来るんだろう。文化も生活も信じるものも大きく隔たりが在るはずなのに、アスガー・ファルハディ監督の物語はすべてを容易に飛び越えて来る。私がこの映画の登場人物だったとしても、きっと同じ落とし穴にはまり、同じように自らを失うに違いない。
ピーター・バラカン(ブロードキャスター)
実にリアルな演技によって気がつかないうちに引き込まれていた。日常的なドラマの中の普遍的なテーマについて、主人公と一緒に真剣に悩みました。
安藤優子(ジャーナリスト)
急激に変化するイランひと組の夫婦が、妻へのナゾの暴行事件をきっかけにスレ違っていく。
夫は自らの名誉のため犯人を追いつめ、妻は犯人を許そうとする。夫が手にしようとしたのは何だったのか?深く、静かに考えさせられる。
小島秀夫(ゲームクリエイター)
涙腺にくる"ティーン映画、"心臓にくる"バイオレンス映画、"頭にクル"ブロックバスター映画が大量消費される中、彼の作品は"腹にくる"。家族の秘密から破綻してゆく日常、そこに潜む不穏な痛み。そのサスペンスは劇場を出てからも消化されず"腹に遺(のこ)る"。目でも心でも頭でもなく、腹に溜まり続ける。それがアスガー・ファルハディの「セールスマン」。※腹に遺(のこ)る はルビ
酒井洋子(翻訳家・演出家)
並走する「セールスマンの死」を省いたら、映画は単によく出来たミステリー・サスペンスであったかもしれない。でも、危険で矛盾だらけの現代イランの家庭劇が「セールスマンの死」という67年も前のドラマ世界に照射されて、深い重低音の余韻を響かせることになった。泉下のアーサー・ミラーはきっと惜しみない拍手を送ることだろう。
映画『セールスマン』は6月10日(土)よりBunkamura ル・シネマほか全国順次ロードショー。
映画『セールスマン』
出演:シャハブ・ホセイニ/タラネ・アリドゥスティ
2016/イラン・フランス/124分/ペルシャ語/ビスタ/原題:FORUSHANDE/字幕:齋藤敦子
(C)MEMENTOFILMS PRODUCTION-ASGHAR FARHADI PRODUCTION-ARTE FRANCE CINEMA 2016