松尾スズキの伝説的な作品『業音』15年ぶりに再演

ニュース
動画
舞台
2017.6.3


2017年8月10(木)より日本総合悲劇協会 vol.6『業音』が上演される。本作は、“悲劇”をテーマとした作品を描く、松尾スズキ(大人計画主宰)が作・演出をするプロデュース公演、「日本総合悲劇協会」。『業音』は、2002年にその日本総合悲劇協会の三作目として初演された。荻野目慶子を主演女優として迎え、人間の業や執念、情念を描き、現代の日本人の生々しい感情をさらけ出した人物造形が大きな話題となった。観るものに衝撃を与えた本作は、松尾作品の新たな方向性を作った問題作として再演を望む声の多かった作品。その『業音』が15年の時を経て、2017年8月再演される。

初演時、荻野目慶子の体当たりの演技が話題となった主人公役に、この再演では、初演時は【粥】役として出演した平岩紙が挑む。 

初演舞台写真が公開

初演時は、ほとんどの登場人物が自らの名をそのまま役名にし、物語も現実の出来事を連想させる内容だったこともあり、大きな話題となった。その15年前の伝説的な初演時の舞台写真が公開された。

初演舞台写真(撮影:田中亜紀)

初演舞台写真(撮影:田中亜紀)

初演舞台写真(撮影:田中亜紀)

初演舞台写真(撮影:田中亜紀)

大人計画初の海外公演

2013年、松尾スズキにとって初の海外公演となった『マシーン日記』(作・演出/松尾スズキ、東京芸術劇場プロデュース)パリ公演は、言語を超えた理解で高い評価を得た。以来、パリの観客、劇場関係者から「松尾作品を再びパリで」と、上演を望む声が多く、今回は松尾の作品作りの基本である“大人計画”の劇団公演として、大人計画旗揚げ30周年を目前に初の海外公演に臨む。2017年パリ日本文化会館20周年を記念し、パリの観客の4年越しの期待に応えるべく「大人計画」の代表作である『業音』を上演する。そして今回、フランスにおいてはアヴィニョン演劇祭と双璧をなす舞台芸術祭・フェスティバル・ドートンヌへの参加が決定した。

初演舞台写真(撮影:田中亜紀)

初演舞台写真(撮影:田中亜紀)

初演舞台写真(撮影:田中亜紀)

初演舞台写真(撮影:田中亜紀)

 “ 神とは何か ” という壮大なテーマを笑いの中で見せる

初演では、介護、宗教問題、エイズ……現代社会が抱える問題を余すところなく描き、悲劇性と喜劇性を見事に融合させた松尾スズキ。松尾は、今回の再演についてこう語る。 
『 “ わかっちゃいるけどやめられない ” という人間の持つ “ 業 ”を、悲劇性と喜劇性が一緒くたになったような混沌の世界の中で描きます。 “ 神とは何か ” という壮大なテーマになっていきますが、笑いの中でそれをどう見せていくかということにチャレンジしてきます』


また、再演では固有名詞をはずし、より普遍性を高めた物語へ改訂していくという。人間の「業」は、音が鳴るとしたらどんな音なのかという着想から生まれた本作。松尾スズキの濃密な世界を、個性豊かで熟練された大人計画劇団員の確かな演技で魅せる、2017 年版『業音』。一般発売は6月3日より。

初演舞台写真(撮影:田中亜紀)

初演舞台写真(撮影:田中亜紀)

公演情報
日本総合悲劇協会 vol.6「業音」 

◆作・演出:松尾スズキ  
◆出演:松尾スズキ、平岩紙、池津祥子、伊勢志摩、宍戸美和公、宮崎吐夢、皆川猿時、村杉蝉之介、康本雅子+エリザベス・マリー (ダブルキャスト) 
◆日程・会場
東京公演:2017年8月10日(木)〜9月3日(日)東京芸術劇場 シアターイースト  
名古屋公演:2017年9月13日(水)〜14日(木)青年文化センター アートピアホール  
福岡公演:2017年9月16日(土)〜18日(月・祝)西鉄ホール  
大阪公演:2017年9月21日(木)〜24日(日)松下 IMP ホール  
松本公演:2017年9月29日(金)〜30日(土)まつもと市民芸術館 実験劇場  
パリ公演:2017年10月 5日(木)〜7日(土)パリ日本文化会館  
◆オフィシャル HP:http://otonakeikaku.jp/2017go_on/
一般発売:2017/6/3(土)10:00~

 
シェア / 保存先を選択