浦井健治×柿澤勇人×小池徹平が続投! 待望の再演『デスノート THE MUSICAL』稽古場レポート

レポート
舞台
アニメ/ゲーム
2017.7.21
デスノート THE MUSICAL

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2015年の上演時に好評を博した『デスノート THE MUSICAL』が、2017年6月24日(土)より再演を迎えた。大場つぐみ原作・小畑健作画による大ヒット漫画「DEATH NOTE」は、2003年から2006年まで週刊少年ジャンプ(集英社)にて連載され、単行本の世界累計発行部数は3,000万部を突破。原作完結から10年以上が経つ今もなお、世界中に熱狂的ファンを生み出し、アニメ化と小説の発刊、さらに実写によるテレビドラマ化や映画化まで幅広いメディア展開を見せている。舞台化した本公演もその一つで、2015年に日本と韓国で上演されると、原作ファンのみならず舞台ファンからも大きな話題を呼んだ。今回、都内某所にて行われていた稽古場へ潜入。熱気に満ちた稽古の様子をレポートおよび動画にてお届けする。

木枠のセットが組まれた稽古場へ訪れると、俳優たちは思い思いにストレッチや発声を行いながら、リラックスした表情でウォーミングアップに励んでいる。そこには夜神月(以下、ライト)役をダブルキャストで演じる浦井健治柿澤勇人、L役の小池徹平の姿もあり、時々どこからともなく笑い声が飛び交う和やかな雰囲気から、前作より培ったチームワークの良さを伺い知ることができた。やがてスタートの掛け声とともに時計の針を刻む音が響き、不気味さを覚えるメロディとアンサンブルによる歌声で現場の空気は一転。緊迫した稽古が始まった。

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冒頭の舞台となるのは、主人公・ライトが通う高校の教室。教師が語る“法と正義”について生徒らが耳を傾ける中、ライトはある疑問を投げかける。この日に公開された稽古では浦井健治がライトを演じた。正義とは何かを訴える浦井の力強い歌声と、それに呼応するように1人、また1人と動き出す生徒たち。本作品において大切な“正義”というテーマが、フランク・ワイルドホーンによる魅力的な音にのせて伝えられる。

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そんな人間たちを馬鹿にするかのように、下界を見下ろしながら退屈な日々を過ごしている死神のリューク。本作から新たにリュークを演じる石井一孝は、全身黒づくめの衣装に身を包み、おどろおどろしいメイクと雰囲気でまさにリュークそのもの。そしてもう1人の死神・レムを演じるのは前作から続投の濱田めぐみ。リュークはレムとともに人間を哀れみ、退屈しのぎのゲーム感覚で死神が持つノート……そこに名前が書かれた者は死ぬという“デスノート”を人間界へ落とす。

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リュークが落としたデスノートを偶然手にしたライトは、人殺しへの恐怖心を抱きながらも半信半疑で試し、その効果を確証する。ノートに課せられた複雑なルールを容易に理解し、ノートを使いこなすことで犯罪者を裁く救世主“キラ”として存在していく。そんなライトを見て、新しい遊び道具を見つけたかのように面白がるリューク。初めてリュークの姿を見たライトがおののくシーンには、ひと際緊張が走る。

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ライトが優等生である普段の姿から一変し、裏に隠れた顔を見せる瞬間は印象的で、爽やかな浦井が演じるからこそ表と裏のコントラストが引き立つ。デスノートを使うことが正義だと確信していくライトの表情は、狂気が漂いつつどこか希望に満ちているようにも感じる。また石井が演じるリュークも、じっとり這い回るような死神らしい姿でありながら、原作同様に時折コミカルな動きを見せてくれる。

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前作から続投の唯月ふうか演じる人気アイドル“ミサミサ”こと弥海砂も、ストーリーが展開する上で重要な人物。自身のライブではダンサーを従えて元気いっぱいに歌い踊り、その会場には、本作より初参加の髙橋果鈴が演じる妹・粧裕に連れられたライトの姿もあった。とある過去の出来事からキラをヒーローと崇める海砂。一方、キラのやり方は間違っていると主張する粧裕。海砂はキラを、粧裕はライトを思って歌う、美しくも切ないナンバーが響き渡った。

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ライトの父・総一郎役を本作から引き継ぐのは別所哲也。警察庁刑事局局長であり、日本捜査本部長として身を置く総一郎は、謎の名探偵・Lへ“キラ事件”について調査を依頼することに。総一郎を含む捜査本部の刑事たちは、傍若無人なLのやり方に困惑しつつ捜査を進めなければいけない。自らの命や家族の事情、正義のあるべき姿など、多くの思いを天秤にかけながら進むべき道の選択を迫られる。

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そしてついに姿を現すL。小池徹平が続投するLは、猫背の姿勢と、ティーカップや食べ物を掴む動作のひとつひとつが特徴的で、Lというミステリアスなキャラクターを象徴している。登場した瞬間からLだと分かるシルエットで、独創的かつ妙なリアルさも漂う『DEATH NOTE』の世界へ、より深くいざなう。

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ライトとLの対立する思いがひとつの舞台上に共存し、それぞれの“正義”がぶつかり合っていく様は鬼気迫るものがある。少しずつ、けれど確実に距離が近づいていく2人は、大勢の人物を巻き込みながらどんな展開を迎えるのか。今回の再演ではキャラクターの心情をより深く描いた部分があり、日本版では初の演出も盛り込まれるという。その結末をぜひ劇場で見届けてほしい。


取材・文・写真撮影=堀江 有希 動画撮影=登坂義之

公演情報
『デスノート THE MUSICAL』
 
■原作:「DEATH NOTE」(集英社 ジャンプ・コミックス)
■音楽:フランク・ワイルドホーン
■歌詞:ジャック・マーフィー
■脚本:アイヴァン・メンチェル
■翻訳:徐 賀世子
■訳詞:高橋亜子
■演出:栗山民也
■出演:浦井健治・柿澤勇人
(Wキャスト)、小池徹平、唯月ふうか、髙橋果鈴、濱田めぐみ、石井一孝、別所哲也 ほか 
 
■日程・会場:
【台中公演】2017年7月21日(金)~7月23日(日)臺中國家歌劇院 大劇院
【大阪公演】2017年8月19日(土)~8月21日(月) 梅田芸術劇場メインホール
【東京公演】2017年9月2日(土)~9月24日(日) 新国立劇場 中劇場

 
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