近藤亜樹の個展『飛べ、こぶた』がシュウゴアーツにて開催 

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2017.6.26

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近藤亜樹の個展『飛べ、こぶた』が、2017年7月21日(金)~8月26日(土) にかけてシュウゴアーツにて開催されている。

近藤亜樹は、札幌生まれの若手ペインター。東北芸術工科大学大学院の在学中に東日本大震災を経験した過去を持つ。卒業後は東京に移ってシュウゴアーツで二度の個展を開催する一方で、震災をテーマとした作品を作り続け、2014年には一年間絵画制作を中断。2015年には、実写と油彩アニメを組み合わせた被災者への鎮魂とも言える映画『HIKARI』を発表した。さらに、2016年に三宿のシュウゴアーツ ウィークエンドギャラリーにて開催した個展『Artist』では、その頃までに音楽業界との関わりを通じて得た体験を反映した作品群が好評を博した。 

現在、昨年後半に初めて訪れた小豆島に移住生活を送っている近藤。本展では30点余りの新作を展示し、東京と小豆島を行き来しながら出した、5年にわたる東京でのアーティスト生活に対する答えを提示する。

近藤亜樹, 飛べ、こぶた, 2016, acrylic, emulsion paint, collage on panel, 182x91cm

近藤亜樹, 飛べ、こぶた, 2016, acrylic, emulsion paint, collage on panel, 182x91cm

近藤亜樹, 湯, 2016, acrylic, emulsion paint, collage on panel, 182x91cm

近藤亜樹, 湯, 2016, acrylic, emulsion paint, collage on panel, 182x91cm

 

筆を握り絵を描くとき、感情のバロメーターがぐっと振り切れる。 
身体の中の血が騒ぎ、ほとばしるような鮮烈な体験をキャンバスに刻まずにはいられなくなる。 
心のバロメーターが振り切れるとき、勇ましい武士のような気持ちでキャンバスに向かう。 
深く深呼吸をして思い切り吐き出すと指先から伝わる熱は色になり形に変わり、 
やがて物語が生まれる。 
何か頭の中にあるものを考えて描きたいのではない。 
空間と記憶を掘り起こしてもう一度鮮烈に蘇る体験に出会いたいのだ。 
探るように感情と記憶と今を混ぜ合わせ、私はもう一度キャンバスに記憶する。 
私の肉体が滅びても、ここに生まれた作品がもう一つの人格を持ち生き続けるように、 
私はアトリエで絵という種を蒔き、水を、光を、風を、熱を、一枚の絵に送りこむのだ。 
ここにある絵が誰かの手に渡り、そこで絵は成長する。葉が出て花が咲き、 
また新しい種になるだろう。 
私にとって一枚の絵は、未来をつくるはじまりの希望の種だ。

2017年5月 近藤亜樹

 

イベント情報
飛べ、こぶた 

作家名: 近藤亜樹 
会期: 2017年7月21日(金)~8月26日(土) 
会場: シュウゴアーツ 106-0032 東京都港区六本木6丁目5番24号 complex665 2F 
開廊時間: 火〜土曜 午前11時 - 午後7時, 日月祝休廊
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