テスラは泣かない。対談企画第2弾 飯野桃子×Hisayo×藤本ひかり テスラを通して語る、バンド女子のあれこれ
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藤本ひかり / 飯野桃子 / Hisayo 撮影=菊池貴裕
7月6日に新作アルバム『永遠について語るとき、私たちの語ること』をリリースしたテスラは泣かない。の対談企画第二弾。1年にわたりベース吉牟田直和(Ba)が学業に専念するため、13人のサポートベーシストの協力のもとでライブ活動を行なってきたテスラは泣かない。が、当時お世話になったベーシストを迎えて1年の活動を振り返る。その第二回目は紅一点のキーボード飯野桃子(Pf / Cho)がホスト役を務め、tokyo pinsalocks / a flood of circleのHisayo(Ba)と赤い公園の藤本ひかり(Ba)のふたりを交えた女性3人でテスラの魅力を語り合った。女性としてバンドの道を選んだことに対する想いにも触れた今回は男性編とは一味違う、タフで肝っ玉の据わったガールズパワーを感じられる内容だと思う。
――すでに3人は仲が良いみたいですね。
飯野:今回のサポートベーシストに誘ってからなんですよ。まずHisayoさんは吉牟田が一回テスラを離れることになって、「どなたにお願いをしようか?」っていうときに、いちばん最初に吉牟田から名前が挙がったんです。
Hisayo:吉牟田くんがお休みになる直前の秋ぐらいにイベントで一緒になって、そのときに吉牟田くんから「少し休むんです」みたいなことは聞いてたんです。でも、そのあとは特に出会うこともなくて、そのままになってたんですけど。
――赤い公園に関してはどうでしょう。
飯野:今回一緒にやる前は、イベントとかで一緒になったときに少しお話をするくらいだったんです。ひかりちゃんのベースプレイは大好きだったから、わたしがメンバーに「ちょっと無理かもしれないけど、ひかりちゃんにお願いしたい」って提案をさせていただきました。
藤本:もともとわたしもテスラは好きで、けっこう聴いてたので「やった!」っていう感じでしたね。吉牟田さんには申し訳ないんですけど、ワクワクしてました(笑)。
――みなさん、ミュージシャンとはすぐに仲良くなれるタイプなんですか?
Hisayo:いや、サポートの関係だけで終わっちゃうことも多いんですけど、テスラにはすごく仲間に入れてもらえた感覚があったんですよ。だからスタジオが終わったあとに、わたしから「ビール飲もう」って誘ったりして。
飯野:スタジオの外のベンチみたいなところで、Hisayoさんにスタジオ後のビールの美味しさを教えてもらいましたね。
Hisayo:テスラはみんな柔らかい感じの人だよね。問題児がいないというか。
藤本:うんうん。
飯野:いやあ、どうかなあ(笑)。
Hisayo:実際にはいるのかもしれないけど(笑)、わたしはすごく入りやすかった。1年間であんなに何人も入れ替わっても成立したのはメンバーが柔軟だからじゃない?
飯野:サポートの方々を迎える前まで、わたしたちは人づきあいも下手だったし、友だちも少なかったんです。でも、吉牟田がいなくなるのを機にマインドが変わって。気合を入れてたわけじゃないんですけど、自然とそうならざるを得ないっていうのはありましたね。あとは単純に、もともと知ってた方も、「はじめまして」の方も、13人の方と音を初めて鳴らす感覚は毎回すごく楽しみで、その瞬間のゾクッとする緊張感が楽しかったんです。
Hisayo:すごい経験をしてるよね。うらやましいな。
藤本:そんな経験はないですもんね。
Hisayo:ひかりちゃんは他の人が弾いてるのを見た?
藤本:見てないんです。
――他のベーシストの様子は気になりました?
Hisayo:わたしが出たイベントは2人(ベーシストがいる日)だったんですよ。前半は昔の曲をやって、後半はリリース前の新曲だけをやる。わたしは新曲パートをやるから、誰も弾いたことのない曲をやるプレッシャーはあったけど、逆に比べられることもなかったから、好きなようにやれたんですね。でもなんとか(他の人を)ビデオで録れないかなとか思ってました(笑)。
飯野:ひかりちゃんに関しては、もともと吉牟田は裸足でライブをする人なんですけど、それを真似して、途中で「吉牟田が憑依してきました」って裸足で弾き始めたんですよ。
藤本:わたし、ヤバい人みたいじゃん(笑)。
飯野:赤い公園だったら他のメンバーがそれをつっこめると思うんですけど、うちの男子メンバーにはつっこみスキルがなさすぎて、村上(学 / Vo)さんが「あ……」って一瞬固まっちゃって(笑)。ひかりちゃんはMCの雰囲気さえも持っていってくれましたね。
飯野桃子 撮影=菊池貴裕
――ひかりさんは12月12日にO-nestで開催した『宇宙ツアーズvol.6 -真冬の真剣勝負・東京編-』にゲスト出演して、それが13人中13人目だったんですよね?
藤本:最後の女です(笑)。
――振り返ってみてどうでしたか?
藤本:最初は自分がテスラのステージに立つという想像がつかなくて、「大丈夫かな?」と思ってたんですけど、1回リハに入ったら全く心配はなくなりましたね。実際に音を出すと、生意気ながらも「もうちょっとこう弾きたいな」とか思ったりして。テスラは人柄も音楽も真っすぐだなって心を打ち抜かれました。鹿児島のバンドなので爆発力というか、マグマがすごくて。始まった瞬間にすごく大きな竜巻が起きたみたいな感じでしたね。
飯野:ひかりちゃんとリハに入ったときは年下の女の子とやるっていうことに対して、そもそも男2人が女性とのコミュニケーションが得意じゃないし、ずっと「大丈夫かな?」って言ってたんです。その日はひかりちゃんと男2人のやり取りを見てるのも楽しかったですね。
Hisayo:そういう意味では桃ちゃんはあんまり動揺しなさそうな感じがする。
藤本:テスラでいちばん年下だけど、「おかあさん」って感じだよね。
飯野:よく言われる(笑)。
Hisayo:13人のベーシストも桃ちゃんの存在に助けられたと思いますよ。
――で、Hisayoさんのほうは7月2日に下北沢BASEMENT BARで開催した『High noble MATCH in TOKYO #5 - Past × Future - テスラは泣かない VS テスラは泣かない。』の出演ということで。さっきも言ってたとおり新曲を披露する日でした。
Hisayo:そうですね。新曲をどう表現するか、まだメンバーのなかでも決まってない状態だったから、わたしが出す雰囲気も曲の一部になるっていう意味で、重要だなと思ってました。だから燃えてたんですよ。「どうだ!?」っていうか(笑)。
飯野:Hisayoさんは弾き姿がかっこいいんですよ。リハでもずっと見ていたいなっていうぐらい。だからHisayoさんのベースのグルーヴに引っ張られすぎて、テスラらしさが無くなったらダメだなって思ってました。
Hisayo:絶対にそんなふうにならないから(笑)。
飯野:それぐらい音とかグルーヴにパワーがある方なんです。
Hisayo:演奏してて思ったのは、桃ちゃんは鍵盤だけど、リズム楽器っていう感じがするんですよ。だからリズム楽器が2人いるような感じで、ドラムと桃ちゃんの音を聴くようにして、桃ちゃんのグルーヴも感じたいと思って弾いてましたね。
――テスラからすると、Hisayoさんは人間的にもバンドとしても大先輩だし、やっぱり緊張感もあったんじゃないですか?
飯野:最初、Hisayoさんはクールな感じだと思ってたんですけど……これ、言っていいかわかないんですけど、リハのとき、財布をお家に忘れて……言って大丈夫ですか?
Hisayo:良いよ(笑)。
飯野:「駅まで来ちゃったんだけど、電車に乗れないから、駅の近くの友だちの家でお金を借りる」って連絡がきて。「うわ、かわいい!」。それで仲良くなれるかもと思いました。
――意外とHisayoさんはそういう武勇伝を持ってらっしゃいますよね。
Hisayo:そうなんですよ。忘れものキャラなんです。だから、習字で今年の抱負を書いたやつが「忘れものをしない」っていう。
全員:あはははは!
――Hisayoさんに関しては、唯一ライブでの共演とあわせて、会場限定盤で出した『march our cell e.p』にも1曲レコーディングで参加してますよね。
飯野:もともと音源は吉牟田が弾いたものしか出したくないよねっていうことで、バンドを離れる前に録ってたんですけど。でもその間にできた曲があって、それを会場限定のCDに入れたいってなったときに、ライブで一緒に作り上げてもらったHisayoさんにお願いすることにしたんです。
Hisayo:そのとき、わたしもちょうどa flood of circleのアルバム(『NEW TRIBE』)のレコーディング真っ只中だったんですよ。だから気持ち的にはレコーディングモードのままエモい感じで入れましたね。
――フラッドとはレコーディングの雰囲気も違いましたか?
飯野:どうでした?
Hisayo:ほっこりしてた。
飯野:でも、そんな楽しくはなかったですよね……?
Hisayo:そもそも(レコーディングは)そんな楽しくないでしょ。ストイックな感じになっちゃうし。
飯野:そうなんですよね。もちろん音楽をやれる楽しさはあるんですけど、レコーディングって雰囲気的にはそんなに楽しいものではなかったりするじゃないですか。シビアにやるものなので。でも、この1年いろいろ話を聞いたりすると、案外そうでもないのかもしれないと思うところもあって。たぶん(赤い公園は)楽しい系かも。
Hisayo:キャーキャー言ってそう。
藤本:うん。楽しいですね。ずっとレコーディングをしていたいぐらい本当に好きです。お弁当とか作っていくんですよ。
Hisayo:えー!
藤本:スタジオと家の往復になると本当に人に会わなくなるから、料理がコミュニケーションみたいな感じなんです。
Hisayo:他のみんなも作ってくるの?
藤本:みんなも作ってきますね。
Hisayo:えー! ヤバい。それはね、言わないほうがいい(笑)。うちのメンバーが知ったりすると、「作ってきて」とか言われそう。
飯野:大丈夫ですよ(笑)。私も作らないので。
藤本:紅一点だと、そういうことを言われたりしますか?
Hisayo:わたしは「できない宣言」をしてる。でも、今年ホワイトデーに、みんなからレミパン(※料理研究家・平野レミ考案のフライパン)をもらったんですよ。それって「作ってこい」みたいな感じじゃない?
藤本:たしかに(笑)。
Hisayo:「ちょっと料理をがんばる」って言ってはいたけど、みんなに作るとは言ってないから、ふつうに「ありがとう」って言っておきました(笑)。
Hisayo 撮影=菊池貴裕
――実は男性陣の対談のときに面白い話を訊いたんですけど、テスラでは自分の機材は自分で運ぶっていうルールがあるらしいんですけど。
飯野:はい、そうですね。
――サポートを迎えた時期に桃子さんがキーボードを運んでたら、手伝ってくれたベーシストの方もいたらしくて。最近では「〇〇さんは運んでくれたのに~」って言うようになったと。
全員:あはははは!
飯野:言うようになりましたね。「〇〇さんは持ってくれたのに……」って(笑)。
Hisayo:優しさを知っちゃったんですね。
飯野:わたしが重そうに持ってると、「持つよ」って言ってくださったんです。菅(ひであき)さん(QOOLAND)とか森野(光晴)さん(SAKANAMON)とか。
Hisayo:うちも持ってくれますよ。わたしに重いものは絶対に持たせないんです。ただ危ないからだと思うけど(笑)。「ちょっと姐さん、持たないで」みたいな。
藤本:優しい~!
――赤い公園は全員女子だから重い機材を運ぶのは大変ですよね。
藤本:日々マッチョになっていきますね。エフェクターとかは男の人が引くぐらい重いんですよ。でも、けっこう軽々持てるようになるんです。最近はみんなでよく「前と比べて腕太くなったよね」とか「いや、太っただけじゃない?」とか話してます(笑)。
――音楽シーンというか、特にバンドシーンは男社会なところもあるじゃないですか。女性ってだけでナメられたり、不利なことも出てくると思いますけど、そういう中で生きていくことにどう折り合いをつけてきたのか。こういう機会なので3人に訊いてみたいです。
Hisayo:ああ、なるほど。
――一番キャリアの長いHisayoさんはどうですか?
Hisayo:わたしは20代のころからtokyo pinsalocksっていうガールズバンドもやってるんですけど、昔は男勝りな感じでやるのがかっこいいと思ってたんです。あのころは無理をしてましたね。対バンでもヘヴィな人たちが多かったから、「あの人たちより太い音を出さなきゃ」とか、がんばってた時期があったんですけど、tokyo pinsalocksの音楽性も変わって、打ち込みも入るようになって、女ならではのしなやかさを出せばいいんだっていう意識に変わっていったんです。そこからはむしろそれを武器にしてやるようになりましたね。
――それが年齢で言うと……?
Hisayo:30代に差しかかるころですかね。そのころにGHEEEっていうまた別のバンドを始めるんですけど、それは10歳ぐらい年の離れた男の先輩と一緒だから、妹的なポジションだったんです。その人たちとはキャリアも違うし、わたしはどうやっても同じ目線で太刀打ちできない。そうなったときにスッと引くことを覚えたんだと思います。最近は「女だから」とか意識してないですね。そのときの自分に正直にやっていくというか、もう“人”でいいんだっていう感じです。
――変わっていったんですね。
Hisayo:ここまで来ると結婚とか出産とかで同世代の女性ミュージシャンは減ってくるんですよ。だから女性同士の闘いもないし、わだかまりが取れていく。そういう人たちが自然に残っていくんですよね。昔は「女子枠」みたいなのもあったと思うんですけど、もうわたしが「女子だから」っていう理由で呼ばれることもないような気がします。
――わかります。Hisayoさんは理想的な道を歩んでるんじゃないかと思います。桃子さんはどうですか? キーボードというと、紅一点で女子が担当することも多いパートですが。
飯野:対バンでも女性ひとりっていうことはありますけど、女性だからっていう見られ方が嫌だとかは、いまはあんまり思ってないですね。それはもう見られてしょうがないものだなっていうのはあって。わたしは見た目もバンドマンっぽくないじゃないですか。
藤本:女子アナっぽい(笑)。
飯野:保育士さんとかも言われるんですけど(笑)。そういう柔らかめの印象を持たれるのはバンドマンとしてはあんまり嬉しくはないんですけど、そういうのも含めてしょうがないと思ってます。そういう見た目も武器として、ちゃんと演奏をすれば関係ないというか。それは何年かやってるうちに気にしなくなりましたね。
――あえて気にしないようにしてるんですか?
飯野:最初は「今日もひとりだな」とか考えてましたね。メンバーにも「(飯野は)度胸がある」って言われるんですけど、内心は怖さもあるんですよ。あんまり表に出ないだけで。演奏を間違っても間違ってないようにやれちゃうとか(笑)、そういうところも多いですね。
――ひかりさんは全員が女の子という部分でどうですか?
藤本:うーん……やっぱり男の子になってみたいっていう気持ちはありましたけど。この性をもって生まれたのでしょうがないですよね。あとそんなに「女って大変だな」みたいに感じることも無いんですよ。化粧が落ちるぐらいかな(笑)。男の人たちは本番前に直さなくても、そのまま出て行くじゃないですか。
藤本ひかり 撮影=菊池貴裕
――汗をかいたらタオルでぐわーって拭いたり。
藤本:それを「いいなあ」と思うぐらいです。だから「ナメられたくない」とかもあんまりなくて。そういうことより、大前提として音楽をやっているっていうところで、かっこいいと思われたい。逆に男の人が「女の子になりたい」って思うぐらいかっこよくなりたいです。よく男性に言われるのが……たぶんみなさんも言われると思うんですけど、「女の子のグルーヴがあるよ」って。それが何者かわからないんですよね。わかりますか?
Hisayo:それはあると思う。特にリズム隊では男には出せないものが絶対にある。
飯野:ありますよね。でも説明しにくい……。
藤本:うん。うまく説明はできないけど、テスラで一緒に演奏をしたとき、男の子にしか出せないグルーヴというか、瞬発力みたいなのが(赤い公園とは)全然違くて、そういう男らしさと女らしさの両方が合わさってるテスラはすごいなと思いましたね。
――なるほど。
飯野:でも赤い公園は、女だからってナメられることもなさそう。楽屋に行くと女子校の昼休み感がすごいんですよ。赤い公園のことは誰もナメれないと思います(笑)。
Hisayo:そう言えば神戸でフラッドとツーマンをしたとき、うちの佐々木(亮介 / Vo)って本番前は話しかけないでオーラがあるほうだと思うんだけど、そこにもグワーって来たりするから、こっちがタジタジになっちゃうぐらい(笑)。
藤本:人見知りしないんです(笑)。そのときはHisayoさんが楽屋で遊んでくれましたよね。さっきHisayoさんがおっしゃってたように、年をとるたびに楽しくなってくる感じは味わってみたいんですよ。それが最近……それこそテスラのサポートをしたぐらいから、そういうモードになってるんです。10代特有のよくわからない不安が、今は全くないので。だんだん自分の気持ちがフラットになっていってるんです。早くHisayoさんみたいに「姐さん」って呼ばれるようになりたいですね。
Hisayo:ひかりちゃんは年をとっても「姐さん」とは呼ばれなさそう……。
飯野:ずっと「ひかりちゃん」ですよね。ひかりちゃんは遊んでるときも、ずっと「ベースが楽しい、バンドが楽しい」って言ってるから、そこから刺激をもらいますね。
藤本:10代のときに思い描いてたものより、今のほうがずっと楽しいんです。まだできないことがいっぱいあるので、それをどんどんやっていきたいですね。
――良いですね。こういう世界で女性である自分を受け入れて「楽しい、楽しい」って言えるのは、簡単なようで難しいことだったりすると思うから。
藤本:最近、SNSで周りがママになってるのを見て、「あ、わたしはこっちには行けないんだ」と思った瞬間があったんですよ。
――え、まだ早くないですか!?
Hisayo:いけるでしょ。ビックリした、いま(笑)。
藤本:いや、子供も産みたいし、子育てはできると思うんですけど、若くして家庭に入る道を選ぶ女の子もいるので、そういう決断をするのがすごいなと思ったんです。
――じゃあ、赤い公園のメンバーが出産とかでお休みするときには、今回の吉牟田システムを使ってみたらどうですか? 順番にサポートメンバーを迎えて。
藤本:良いですね(笑)
飯野:もしくはみんな30歳ぐらいで一斉に、とか揃えたほうがいいんじゃない?
藤本:そういう話、たまにメンバーでするんですよ。
Hisayo:うちらも20代のときは言ってた。そうはならない人生だったけど(笑)。
――相手もあることですからね(笑)。では、最後にテスラは泣かない。が7月5日にリリースした新作ミニアルバム『永遠について語るとき、私たちの語ること』についても。Hisayoさんとひかりさんにも聴いていただいたんですよね?
飯野:どうでした?
Hisayo:やっぱり休止明けの次の音源は大事じゃないですか。だから吉牟田くんにはプレッシャーがあるんじゃないかなって心配してたんですけど、吉牟田節が全開でしたね。「あ、これがテスラだな」っていうのは感じました。あとはわたしがサポートをやってたときから、すごく新曲たちが外向きな感じがしてたんです。そこが良くて、「良い曲書いてるやん」っていうお姉さんの気持ちでしたね。ちゃんと良いかたちで復活できたなと思いました。
――ひかりさんはどうですか?
藤本:多分、テスラはクールな印象を持たれるというか、最初はわたしもそう思ってたけど、実はめちゃくちゃ温かみがあるバンドなんですね。それが違うふうに伝わってることに、実はファンとして少し悶々としてて。でも「アテネ」を聴いたとき、わたしが聴きたかったテスラはこういうものだって思ったんですよ。Hisayoさんがおっしゃったように外向きにシフトしてる。復活一発目でこんな良い曲がバンってくるなんて、なんて素敵なバンドなんだ!と改めて好きになりました。
飯野:ありがとう。ひかりちゃんは泊まりに行ったとき、ドアを開けてたら大音量でテスラの新譜を流してて、すごく歌ってくれてたんです。
藤本:「このリフこうかな?」とか弾いちゃったりもしました(笑)。
――桃子さんとしては、2人が言ってたように今作が外向きな作品になったという自覚はあるんですか?
飯野:そうですね。この1年間、音楽的なこと以外にもたくさん学んだし、いろいろなベーシストの方とやることで人間力が磨かれたんだと思います。それが村上さんの歌詞とかメロディには自然と出てますよね。もともと村上さんは外向きな人じゃないんですよ。それを無理矢理に外向きにしてるわけでもなくて、「僕はこういう(内向きな)人間だからこそ、こういう希望を持っていきたい」っていう外向き感。ただ明るくて前向きなわけじゃないから、同じような想いを抱いてる人たちに届いてほしいです。わたしたちと同じように絶対にみんな外向きにならなきゃいけない瞬間はあると思うので。
取材・文=秦理絵 撮影=菊池貴裕
藤本ひかり / 飯野桃子 / Hisayo 撮影=菊池貴裕
発売中
『永遠について語るとき、私たちの語ること』
2.GLORY GLORY
3.名もなきアクション
4.Like a swallow
5.私とあなたとこの町のグラビティ
6.TO GEN KYO
7.ミスターサンライズ
8.フール フール フール
2017年8月2日発売
佐々木亮介(a flood of circle)
通常盤【CD】品番:PECF-3183 税込価格:¥1,800 税抜価格:¥1,667
CD収録曲
M1:Night Swimmers
M2:Strange dancer
M3:Hustle
M4:Roadside Flowers
M5:Blanket Song
M6:無題
佐々木亮介(a flood of circle) Juke Joint Tour "Hello, My Name Is LEO”
9/19(火)仙台LIVE DOME STARDUST(佐々木弾き語りワンマン)
9/21(木)名古屋Tokuzo (バンドセット)
9/26(火)大阪Music Club JANUS (バンドセット)
10/2(月)渋谷WWW X (バンドセット)
※バンドメンバー後日発表
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宮城公演 前売り¥3,500(D代別)
名古屋、大阪、東京公演 前売り¥4,000(D代別)
2017年8月23日発売
【初回限定盤】(CD+DVD)UPCH-7343 ¥3,780(税込)/¥3,500(税抜)
【通常盤】UPCH-2133 ¥3,024(税込)/¥2,800(税抜)
赤い公園『熱唱祭り』
2017年8月27日(日)
[時間] 開場:17:00 開演:18:00
[会場] Zepp DiverCity TOKYO
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[問い合わせ] VINTAGE ROCK std. 03-3770-6900 (平日12:00~17:00)www.vintage-rock.com