SOS団復活!『Animelo Summer Live 2017 -THE CARD-』初日公演を全アクトレポート

2017.8.29
レポート
アニメ/ゲーム

(C)Animelo Summer Live 2017/MAGES.

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2017.8.25(FRI)さいたまスーパーアリーナ Animelo Summer Live 2017 -THE CARD- DAY1

日本最大級、すなわちそれは世界最大級のアニソンイベントとなる『Animelo Summer Live(以下アニサマ)』が今年も開催された。会場はさいたまスーパーアリーナ、日程は8月25日〜27日。もはや日本の夏が誇る風物詩のひとつとなりつつある本イベント、今年度の正式なタイトルは『Animelo Summer Live 2017 -THE CARD-』。毎年、サブタイトルはイベントのコンセプトを象徴する印象的なものになっているが、今年度の「-THE CARD-」もまさにそれ。「play the card(切り札を使う)」という英語の慣用句を思わせる、出演アーティストも、彼ら彼女らの披露する楽曲も、とっておきの一枚揃いの強烈な三日間となった。この記事では一日目の模様をレポートする。

開演が近づき、今年放送されたCGアニメの話題作『けものフレンズ』のスペシャル映像によってイベントの諸注意が告げられると、客席のおよそ2万7000人のボルテージはさっそく上昇。青いライトで、輝く大海原を作り上げる。

そして始まるアーティスト紹介。スクリーンに次々と豪華出演陣が映し出され、一組ごとに大きな歓声が上がる。そのラストを飾った写真はなんと……SOS団(平野綾×茅原実里×後藤邑子)! そこから流れ出す「ハレ晴レユカイ」のビートとシンセリフによる印象的なイントロ。トップバッターからいきなりの大・大・大サプライズなシークレットゲストの登場だ。大ヒットアニメ『涼宮ハルヒの憂鬱』のEDテーマにして2000年代のアニソンを代表する一曲を、ダンス投稿動画の一大ムーブメントを巻き起こした作品のED映像とともに、息の合ったダンスと歌唱で11年ぶりにアニサマに響かせた。平野の「みなさん、お久しぶりです!SOS団です!」というMCを始め、壇上の三人のたたずまいには万感の思いが溢れるよう。

(C)Animelo Summer Live 2017/MAGES.

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頭からクライマックス状態、すっかりヒートアップした空気の中に飛び出したのは、けものフレンズの面々。星野源、平井堅ら各界の人気者たちに愛され、もはやアニメファン以外にも広く認知されるようになったスマッシュヒット「ようこそジャパリパークへ」を賑やかにパフォーマンス。作・編曲のオーイシマサヨシのコーラスも、お祭り感満載で笑いを誘う。サビの「らららら〜♪」の繰り返しでは、緑のサイリュームを振りつつ、会場全体も大合唱。埼玉の地に雄大な「あにさまちほー」が爆誕していた。

まだまだ勢いは止まらない。続いて登場したのはClariS。素顔を見せない不思議な覆面ユニットとして活躍する彼女たちだが、しなやかなダンスと伸びやかなボーカルだけでも存在感は抜群。「コネクト」「ヒトリゴト」で会場をワッと盛り上げた。直後に登場したのは、同じく二人組ユニットのPyxis。まだメジャーデビューから一年と少し、伸び盛りの若手声優コンビ直後は、いささか緊張した様子を覗かせながらも、自身の楽曲である「FLAWLESS」、そして、坂本真綾のカバー曲「プラチナ」を堂々と歌いきる。

今年で三度目の出場となる大橋彩香は、ダンサーを引き連れ、伸びやかでハツラツとした歌声で「ユー&アイ」「ワガママMIRROR HEART」を、ソロシンガーとしては初出場のMachicoは「fantastic dreamer」「TOMORROW」と『この素晴らしい世界に祝福を!』関連の2曲を、アニソンの優れた作詞家としても活躍する実力派シンガー・TRUEは「サウンドスケープ」「BUTTERFLY EFFECTOR」を披露。ユニット勢に負けじと、ソロのシンガーたちも気勢を上げる。

そんなソロシンガーたちのパートで中締め的な役割を飾ったのが、アニサマ12回目の出演となるシンガーのMinami(旧・栗林みな実)。まずはTRUEとのコラボで『ガールズ&パンツァー』主題歌「DreamRiser」を披露。「アニソンって、本当に作ってくださっている人だとか、アニメを作っている人もいるし、本当にいろんな人の力が合わさって、ここに曲がたどり着いて、歌えているって幸せなことだなと思って。今日は色んな人たちの思いを、魂を、自分の中に入れ込んで歌いたいと思っています」とアニソンへの感謝をMCで語り、そこからアニサマ皆勤賞のプレイヤー、ベーシストの瀧田イサムと“Mr.アニサマ”ことギタリストの飯塚昌明を招き入れ、「illuminate」「ZERO!!」を熱唱する。

さて、ここから前半戦のクライマックスへ。オーイシマサヨシとTom-H@ckによるユニットOxTがステージ上に姿を現すが、スクリーンに踊るのは「OvsT」の文字。すると文字どおり、ふたりのギターバトルがスタート! かたやアコースティック、かたやエレクトリックの、タイプの異なるテクニカルなプレイの応酬に沸き立つ会場。結局、ギター勝負のみでは決着がつかず、そのまま「君じゃなきゃダメみたい」のパフォーマンスになだれ込み、デッドヒートを繰り広げ続ける。二曲目の「Go EXCEED!!」では、今作が野球アニメ『ダイヤのA』の主題歌ということで、Pyxisのふたりがマネージャーに扮してステージに再登場。かわいいトスバッティングで客席を和ませた。

そんなOxTの最後の出番は、アニサマ恒例のコラボコーナー。田村ゆかりというビッグなパートナーがステージにあらわれ、会場が一体となるコケティッシュな「やらないか?」もとい「バラライカ」をパフォーマンス。爆笑のうちに出番が終了した。

前半戦のトリを務めたのは鈴木このみ。歌唱力には前々から定評のある彼女だが、デビューから五年、20代に突入したその佇まいには、もはや貫禄すらにじみ出るほどだ。「カオスシンドローム」「Blow out」「This game」の3曲、歌声で会場を殴りつけるかのようなド迫力のステージで前半を締めくくった。

休憩を挟んで後半戦。トップバッターはRoselia from BanG Dream!。コミカルな寸劇を挟みながら、代表曲の「BLACK SHOUT」「LOUDER」をハードに響かせる。ロックな流れを受けて、次に登場したのは西沢幸奏。得意のギターを掻き鳴らし、ゴリゴリとしたサウンドの「Break your fate」を一曲目に。楽曲の印象そのままの豪快なMCを受けての二曲目は、しっとりと「帰還」を聴かせた。そこから前半戦を見事に締めた鈴木このみを呼び入れ、コラボコーナーへ。『天元突破グレンラガン』のOPテーマ、中川翔子の大人気曲「空色デイズ」を、ツインギター&ボーカルでカバー。二十歳の同い年、新世代アニソン歌姫ふたりの息の合ったコンビネーションで会場は大いに湧いた。

そこからがらっと空気を変えて登場したのが、早見沙織。シングル「Installation」をAcousticバージョンで披露すると、宇宙を思わせる壮大な世界観に会場が一挙に染め上げられる。続く竹内まりや作曲のニューシングル「夢の果てまで」では一点、軽やかで華やかな歌声を響かせ、会場を飲み込んだ。

続く田村ゆかりも、壇上にあらわれた瞬間からすさまじい存在感を放つ。「秘密の扉から会いにきて」で会場をゆかり時空へと塗り替え、アニサマのお祭り番長・motsu を呼び込んでの「You & Me」では幸せな嵐を巻き起こす。「You & Me」はスクリーンにパート分けされたカラオケ風字幕が流れ、 表示される歌手名も“田村ゆかり feat. motsu & おまいら”。その表記どおり、客席から積極的に歌声を拾って、さいたまスーパーアリーナを激しく揺らした。

こうなるともう勢いは止まらない。大ブレイク中のAqoursは「青空Jumping Heart」「HAPPY PARTY TRAIN」「恋になりたいAQUARIUM」の3曲を、映像との絶妙なマッチングを見せながら披露し、「ユメ語るよりユメ歌おう」のインストをバックに退場。トップバッターにSOS団としても登場した茅原実里は、同じく『涼宮ハルヒの憂鬱』の楽曲であり、茅原のソロ活動へと繋がった大切な曲である長門有希のキャラソン「雪、無音、窓辺にて。」からスタートし、「SELF PRODUCER」ではステージを奔放に駆け巡り、「ParadiseLost」ではこの日初のゴンドラ移動演出。代表曲の連発で赤い女神が会場を燃え上がらせ、終盤戦への流れを作る。

デビュー15周年を迎えるFLOWは、アニソンへの思いを語りながら「INNOSENSE」「WORLD END」を熱唱。最後はアニサマで時間をかけて浸透させてきた最大のアンセム「Go!!!」で会場にビッグウェーブを巻き起こした。そして本日の大トリ、GRANRODEOを呼び込んで、コラボ楽曲である「7 -seven-」を披露してバトンタッチ。

アニソン界きっての暴れん坊として、最近は他ジャンルのフェスでも大活躍中のGRANRODEO。ボーカルのKISHOWはMCで「やっぱアニサマ、アニソンイベントのフェスが、なんとなくいちばん落ち着く」「くくりなんかどうでもいいんだけど、アニソンバンドというのがいちばん落ち着きがいいというので、ぼくたちもそのつもりで今やっている。どこに行っても胸を張ってそういう風な言い方をしていきたい」と、アニソンへの感謝、強い思いを語り、「Glorious days」「move on! イバラミチ」「The Other self」の3曲を激奏。

(C)Animelo Summer Live 2017/MAGES.

最後には出演アーティストが再登場し、今年度のテーマ曲「Playing The World」を合唱。25日のステージは幕を閉じた。

13年間の積み重ねと、歩みを止めることのないアニソンシーンの最新の盛り上がりが濃密に詰め込まれた初日。あらためてアニサマという場が稀有なものであること、そして、アニソンという文化の奥深さ、広がりが実感される一日であった。続く二日目、三日目のレポートにもぜひ期待していただきたい。

レポート・文:前田久

Animelo Summer Live 2017 -THE CARD- DAY2のレポートはこちら!
Animelo Summer Live 2017 -THE CARD- DAY3のレポートはこちら!

セットリスト
2017.8.25(FRI)さいたまスーパーアリーナ Animelo Summer Live 2017 -THE CARD- DAY1​

1 ハレ晴レユカイ/SOS団 (平野綾×茅原実里×後藤邑子)
2 ようこそジャパリパークへ/けものフレンズ with オーイシマサヨシ
3 コネクト/ClariS
4 ヒトリゴト/ClariS
5 FLAWLESS/Pyxis
6 プラチナ/Pyxis
7 ユー&アイ/大橋彩香
8 ワガママMIRROR HEART/大橋彩香
9 fantastic dreamer/Machico
10 TOMORROW/Machico
11 サウンドスケープ/TRUE
12 BUTTERFLY EFFECTOR/TRUE
13 DreamRiser/Minami×TRUE
14 illuminate/Minami
15 ZERO!! Minami
16 君じゃなきゃダメみたい/OxT
17 Go EXCEED!!/OxT
18 バラライカ/田村ゆかりxOxT
19 カオスシンドローム/鈴木このみ
20 Blow out/鈴木このみ
21 This game/鈴木このみ
22 BLACK SHOUT/Roselia from BanG Dream!
23 LOUDER/Roselia from BanG Dream!
24 Break your fate/西沢幸奏
25 帰還/西沢幸奏
26 空色デイズ/西沢幸奏×鈴木このみ
27 Installation(Acoustic)/早見沙織
28 夢の果てまで/早見沙織
29 秘密の扉から会いにきて/田村ゆかり
30 You & Me/田村ゆかり feat. motsu &  おまいら
31 青空Jumping Heart/Aqours
32 HAPPY PARTY TRAIN/Aqours
33 恋になりたいAQUARIUM~ユメ語るよりユメ歌おう/Aqours
34 雪、無音、窓辺にて。/茅原実里
35 SELF PRODUCER/茅原実里
36 Paradise Lost/茅原実里
37 INNOSENSE/FLOW
38 WORLD END/FLOW
39 Go!!!/FLOW
40 7 -seven-/FLOW×GRANRODEO
41 Glorious days/GRANRODEO
42 move on! イハラミチ/GRANRODEO
43 The Other self/GRANRODEO
44 Playing The World/アニサマ2017出演アーティスト

 

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