北村想の教え子たち─〈伊丹想流私塾〉出身者による新作連続公演『Visitors』が、名古屋「ナビロフト」で

2017.9.23
インタビュー
舞台

ナビロフト×伊丹想流私塾 交流企画『Visitors』チラシ表


第1弾は、光の領地、虚空旅団、極東退屈道場、空の驛舎の4団体が来春にかけて来名!

北村想が塾長を務め、1996年に伊丹「AI・HALL」で始まった劇作家養成講座〈伊丹想流私塾(いたみそりゅうしじゅく)〉。現在、北村は退任して名誉塾長となり、今春から岩崎正裕(劇団太陽族主宰・劇作家・演出家)が新たに“塾頭”として就任。〈伊丹想流劇塾〉と名を変えてリニューアルしているが、これまでの21年間で200人以上もの塾生を排出、その多くが第一線の劇作家・演出家として活躍している。

『Visitors』はそんな卒塾生たちの作品を、北村がかつてホームグラウンドとしていた「ナビロフト」で連続上演しようというものだ。北村自身が口火を切り、実現に至ったという今企画。提案を受けた「ナビロフト」プロデューサーの小熊ヒデジは、「想さんがナビロフトのことをいろいろ気にかけてくれて、こんな企画はどうかなぁって。〈想流私塾〉出身の劇団の方が名古屋に来るっていうのも嬉しいし、名古屋と関西の交流にもなるし、AI・HALLとナビロフトの劇場間の交流にもなるし、一度に良いことがたくさん生まれるなと思いました」と。

参加団体は、高橋恵率いる虚空旅団くるみざわしん率いる光の領地林慎一郎率いる極東退屈道場中村ケンシ率いる空の驛舎の4団体で、いずれも劇作家だけでなく演出家としても活躍し、劇団を主宰する面々ばかりだ。
来週9月27日(水)からの「ナビロフト」公演開幕を前に、前半2団体から高橋恵くるみざわしんが来名。小熊プロデューサーと共に、企画概要や上演作品、師である北村想や〈想流私塾〉について話を聞いた。

左から・高橋恵、小熊ヒデジ、くるみざわしん

── 9月、10月、12月、来年2月と4団体の上演が行われますが、今回のラインナップはどんな風に決まったんでしょうか。

高橋 北村想さんから私に連絡がありまして。〈想流私塾〉の塾長は去年で一旦ひと区切りという形になったんですが、私はその最後の年まで師範をさせていただいていたので、お声がけいただいたと思うんです。

小熊 想さんから去年の春ぐらいにこの話を聞いて、「高橋さんという人が関西でまとめ役をやってくれるので会うように」と言われて、高橋さんが「ナビロフト」に来てくださったんですね。で、想さんを交えて話をして、じゃあやりましょうと。ラインナップについても高橋さんがいろいろと動いてくださったんですよ。

高橋 〈想流私塾〉の出身者を中心に、想さんと親交がある劇団さんにお声がけして、「やります」って手を挙げてくださったのがこの4団体なんです。塾生は延べ人数で200人以上排出していて全員にお声がけするのはさすがに難しいので(笑)、集団の座長だったり作・演出をやってる人でっていう、基準はそういうことで。あとは、体力的に名古屋に来れそうとか、名古屋で公演してお披露目しても一定のクオリティを保てるような団体さんでという私なりの基準で。独断と偏見ですが(笑)。それぞれ関西に拠点がある劇団に幾つかお声がけをして、この期間でスケジュールの都合がつくというところでこの4団体に決まりましたので、一旦これで第一弾をしようということですね。

くるみざわ 僕も高橋さんに声を掛けていただいて、という感じです。

── 今回上演される作品というのはそれぞれ、どんなものを選ばれているんでしょうか?

高橋 全団体新作です。特に規定は何も設けずだったんですが、みんな年一本以上は劇団で新作を創っているメンバーなので、その公演のひとつとして、「じゃあ名古屋で公演を打ちましょう」というスタンスで書いてもらっています。

── お二人とも劇団公演で来名されるのは初めてですよね。

高橋 初めてです。名古屋というか関西圏外は初めてなんです。関西でも「AI・HALL」だったり、決まった場所だけでの公演でしたので。

くるみざわ 僕は2014年に愛知県芸術劇場で『坊ちゃん』の演出をしましたけど(夏目漱石作品を上演する企画、AAFリージョナル・シアター2014~大阪と愛知 vol.1~「文豪コネクション」に参加)、あれは僕個人として来てたので、劇団として来るのは初めてですね。

── 名古屋公演にかける意気込みなどはありますか。

くるみざわ 3年前に来た当時までは関西の外に出てなかったんですよ、公演でね。名古屋に来て劇場の方と会ったり公演をやったりワークショップをやって交流して、やっぱり良かったなと思ったんです。知り合いが増えたっていうだけじゃなくて、普段と違う興奮とか驚きとかあったから。そのあと旅公演をやりたいなっていう気持ちにすごくなったんですよね。で、長野県の松本に行ったり明石に行ったり、今度もまた行くんですよ、四国にね。そういう欲が出てきて。それはやっぱり一度出てみないとわからないなと思って。演出の増田君と出演者の小石さんは前回も来ていて、名古屋公演を一緒にやったことでチームワークができてね、作品作りもただ単にスムーズっていうんじゃなくて「新しいことをやっていこうよ」みたいな。名古屋で公演したことでそういう思いが出てきて、それが今も続いてるんですよ。

高橋 「ナビロフト」は観客でしか行ったことがなくて。私は北村想さんのファンから始まってお芝居を始めているので、自分の中では「ナビロフト」と「七ツ寺共同スタジオ」は聖地なんですよ。恥ずかしいので大きな声では言いづらいんですが(笑)。本当に自分の中ではそういう位置づけなので、ものすごく緊張しています。初関西外だったらすごく行きたいところだったので、頑張らなきゃっていう気持ちも強いですね。

── 今回上演される光の領地の作品『振って、振られて』について教えてください。

くるみざわ 内容はシリアスですけど、感触的には喜劇タッチだと思います。悲喜劇です。あとはやや不条理という感じかな。政治的な主張はあるにしろ、それはちょっと置いておいて演劇のアプローチで見せられるものをと。これはね、僕が塾生だった時に想さんがお題で出したんです。「日本国憲法で芝居を書いてみろ」って。たぶん第1次安倍内閣の時で、想さんなりに何か思ってることがあって憲法の話題が出てね。授業の中で「憲法の条文を俺はこう読む」みたいな話をするんですよ。例えば戦争放棄の第9条、「国権の発動たる戦争は禁止しているけども、人民は銃を持って立ち上がることを禁止してないよな」っていう話をするんですよ。本質はついてるけど、なかなかそういう発想までたどり着けないことを言うんです。それに応えるような作品を書かないかんなと思って。
「1本ホンを書くには専門家になるぐらい本を読め」って言うから、僕も一生懸命本を読んで真面目に書いたんです。あまり発表の機会もなかったんですけど、自分としては引っ掛かりがあったから7~8年ずっと直し続けて。で、コンクールにも出したりしたけど上演はしていなくて、今回「ナビロフト」でやるっていう時にこれかなと。僕なりに想さんから投げられたお題をずっと温め続けて、最初原稿用紙5枚の作品を何度も何度も直して、一応1時間ぐらいの演劇にしたんですよ。なので〈想流私塾〉から現在の自分までの足跡としてある作品ですね。自分としてはコツコツ書いていって、上演の機会はないかなと思ったんです。そしたら演出の増田君に「何かないかな」って聞かれて、「こんなのずっと書いてるんだけど」って知らせたら、「今やらなくてどうするんですか!」って言われて、じゃあやろうかなって思って。

── 演出を担当される増田雄さんについては?

くるみざわ 増田君は東京の大学に行っていた時に野田秀樹さんに会って、その時の衝撃みたいなものをまだ持っていて、演劇が大好きなんですよ。「演劇をもっと皆に知ってほしいし、楽しめるっていうことを実感してほしい」って言って、あちこちで公演やったりしてるんです。依頼の仕事探したりとか。

高橋 彼も〈想流私塾〉出身ですね。私と林慎一郎さんが師範の時の塾生です。

くるみざわ 僕の芝居はこれで2本目か3本目です。再演もあったりして僕のホンをよく読んでくれているんですよ。また苦労もしつつやってくれているので、ただ単に作家、演出家っていう関係じゃないんです。前の『坊ちゃん』の時は彼が出演者で僕が演出してたんですよ。芝居創るときに芝居の話が存分にできる相手って必要でね、『坊ちゃん』の帰り道に近鉄電車で話をして、「こういう作品やりましょう」って言って作品を創ったり。そういう感じで共同制作者みたいな感じですね。増田くんと一緒だから、結構冒険的なことがやれるなっていうのはありますね。二人とも〈想流私塾〉で学んでるから、ここも盤石の土台みたいなものがあるんですよ。

── 虚空旅団の『Voice Training』はどんな作品ですか?

高橋 わりとしっかり会話だけでお芝居を進めているという感じですね。話し方教室のお話なので、本当に話すこと自体がメインになってくるんですよ。何を喋るのかとかどう喋ればいいのかとかをずっと話し合うので、まぁよく喋ります(笑)。いつもはわりと生活感のある設えで、その中に暮らしている中で何かが起こって…っていうことをやることが多いんですけど、話すこと自体をテーマにしたのは今回初めてやってみようと思ったことですね。私自身喋るのがそんなに得意ではないので、何が喋ることを阻害しているのか? とかですね。例えば普段、意見を求められた時に、人がたくさんいるところで口をつぐんだり、あれは何なんだろう?というのが元々あったので、その辺りを自分なりに読み解いて、こうじゃないか、じゃあこうしたらどうなるんだろう? みたいな仮説とその実践を演じてみようかっていうことをずっと繰り返してるような内容です。実際に発声練習のシーンなんかもあるので、出演者には申し訳ないですが酷使してます(笑)。

── 〈想流私塾〉を通して、お二人が想さんから得たもので大事にしていらっしゃることや強く影響を受けたこと、今の活動に通じているものなどはありますでしょうか?

くるみざわ 僕が通っていた頃、想さんは哲学の話をしていたんですよ。難しいことをいっぱい言ってたんですけど、「世界はあなたの表現である」って言ってて。「それがすでに実現してるんだ」みたいなことを言うんです。「お前の持ってるものの中で最も個性的なところを伸ばしたらいいんだぞ」っていうことを姿勢で伝えてくれたような気がします。エピソードで言うと、僕の時は塾生が最初12人で、減って9人ぐらいになったんです。最後に発表会があるんですけど、全員ではなく5人選抜っていうことになってて、1年近く学んできても自分の作品が舞台に乗らないっていう可能性が出てきたんです。僕は塾生の中で書けてる方だったから残れる自信があったわけですよ。いよいよ選考発表の時期になるとみんな必死なんです。ところが想さんがひと通り全部読んで、「俺は全部やる」って言ったんですよ。どうしてかというと「みんな個性的だから」って。僕はちょっとがっかりしたんです(笑)。自分の作品の稽古時間とか減るしね。でもやっぱり稽古が始まってみて実際に舞台を観たら面白かったんです。それぞれが持ってる個性こそが売り物なんだぞと教えられて、そこで学べたことが良かったなと思って。
よく戯曲塾とか勉強に行ったりすると、個性的なところを余分なものと見られたりするんですが、そういうことがなかった。ちゃんと哲学という学問の裏付けがあって、深く深く考えたらそういう考えにたどり着くんだっていうことを示されたなと思って。演劇の背後にあるね、気分とかそういうのでやってるんじゃないと。「ちゃんと考えて積み上げて作るもんなんだぞ。その結果楽しく遊べるんだぞ」っていうことを想さんに教えてもらったなと。一番大事だったことはそれですね。最近つくづく思います。

高橋 いっぱい教えていただいてるので、これっていうひとつは難しいんですけど、「あるものでやれ」っていうのはすごく残っています。想さんは手品をされるんですが、手品の仕掛けじゃないですけど、今ここにある何かでやるっていうことですね。どこかにきっと良いものがあるとかじゃなくて、“今ここにあるもので何をするのか”っていうことは、すごく役に立っています。あと、「努力と才能はあてにしない」っていうのは塾の最初の方で言わはるんです。才能はあるかないか誰にもわからないし、努力は誰でもするから努力と才能はあてにしないでコツコツやるんだと。最近衝撃やったのは「言いたいことは書けない」っていうのですね(笑)。その続きがあって、「書くために言いたいことを探すんだ」って。カッコイイ~!と思うじゃないですか(笑)。塾もトータルで21年されているので、最初の内容からだんだんご自身が考えている一番新しい状態の講義に変わってくるので、突然次の年に違うことを言い出したりもされるんですけど、こことここを入れ替えてとか、こう言ったらこれが当てはまるんだとかいうことが変わっていくので、そこを聞き続けられたのは幸運だったなと思います。


北村想に薫陶を受けた演劇人たちの“今”を目撃してもらう企画として、今後も第2弾、第3弾と継続開催を目ざしている『Visitors』。今回の第1弾は、いずれも大阪を拠点に活動し名古屋ではこれまで観る機会のなかった団体がほとんどだけに、この貴重な来名公演をぜひお見逃しなく。また、前半2団体は各公演期間中に《特別公演》や《戯曲講座》などもあるので、こちらも併せてご参加を。関連企画は後半2団体についても開催予定につき、今後の予定については「ナビロフト」公式サイトをご参照のこと。

尚、『Visitors』は提携公演として伊丹「AI・HALL」でも虚空旅団、極東退屈道場、空の驛舎が公演を行い、光の領地は大阪「座・九条」での公演も予定している(公演日時は下記、各劇団の上演スケジュールを参照)。


【「ナビロフト」上演スケジュール】

光の領地『振って、振られて』
作/くるみざわしん(光の領地)
演出/増田雄(モンゴルズシアターカンパニー)
出演/小石久美子(劇団大阪)、藤田和広、宮田信吾(劇団EN)
公演日時/2017年9月27日(水)19:30、28日(木)19:30★、29日(金)19:30☆、30日(土)15:00・19:30★、10月1日(日)14:00・17:00
※★印の回は工藤昌孝氏(日本福祉大学准教授/ユング心理学、芸術療法)、☆印の回は北村想氏(劇作家・小説家・エッセイスト)をゲストに招きアフタートークを開催
※松本公演は、9月23日(土)10:00・15:30、24日(日)10:00・15:00 『池上邸蔵』にて。大阪公演は、10月7日(土)14:00・17:00・20:00 「座・九条」にて。
料金/一般前売・予約2,000円 25歳以下・障碍者 前売1,000円 ※当日券は各500円増、25歳以下・障碍者は要証明書
[作品内容]
日本国憲法の改定が決まった。基本的人権が大幅に制限され、「改正」反対の立場で発言していた憲法学者の典子は身の危険を感じ、国外への脱出を決める。途方に暮れて荷造りを手伝う助手の山中。そこへ、憲法「改正」推進派の椿教授が国旗「日の丸」を持って現れた。
《特別公演》
漱石狂言『坊ちゃん』(2014年 愛知県芸術劇場での上演作を大きく練り直して再演)
9月26日(火)19:30  会場/ナビロフト
作・演出/くるみざわしん
演出・出演/増田雄
出演/小石久美子
料金/『振って、振られて』と同料金
《くるみざわしん戯曲講座》
9月29日(金)17:30、30日(土)13:00、10月1日(日)12:00
料金/1回1,500円(授業内容は毎回異なる)
授業時間/80分  会場/ナビロフト
くるみざわしん●北区つかこうへい劇団戯曲作法塾を経て、〈伊丹想流私塾〉第10期生として劇作を学ぶ。2007年『うどん屋』でテアトロ新人戯曲賞佳作を受賞。14年『蛇には、蛇を』が日本劇作家協会新人戯曲賞最終候補に残る。15年『ひなの砦』で第22回OMS戯曲賞佳作を、16年『同郷同年』で日本の劇戯曲賞2016を受賞。『同郷同年』は17年9月に東京・恵比寿「エコー劇場」で宮田慶子演出で上演される。詩人としても作品を発表しており、伊藤静雄賞佳作、部落解放文学賞等を受賞。

光の領地『振って、振られて』稽古風景より  撮影:増田雄


虚空旅団『Voice Training』
作・演出/高橋恵
出演/飛鳥井かゞり(猫会議)、斉藤幸恵(演劇集団よろずや)、猿渡美穂(宇宙ビール)、得田晃子、濱奈美、早川丈二(MousePiece-ree)、山下春輝(ギヴ・ザ・ブロン)
公演日時/2017年10月6日(金)19:30★、7日(土)13:00・18:00☆、8日(日)15:00
※★印の回は平塚直隆(オイスターズ主宰・劇作家・演出家)、☆印の回は北村想(劇作家・小説家・エッセイスト)をゲストに招きアフタートークを開催
※兵庫公演は、9月22日(金)19:30、23日(土)14:00・18:00、24日(日)14:00 伊丹「AI・HALL」にて。
料金/前売3,000円 当日3,300円 高校生以下2,500円 ※高校生以下は前売・当日共通。要証明書
[作品内容]
話し方教室に通うワケアリの生徒たち。善良な彼らはトレーニングを続けているが、あまり効果が上がっていない。代理講師は思い切った改善方法を試みたが、予想外の効果があらわれはじめて…。
《特別公演》
振り袖講談vol.2『lullaby.everybody sleep tight. ~子守歌、すべてのひとに眠りを~』
公演日時/10月7日(土)16:00~、8日(日)13:00~  会場/ナビロフト
作/北村想
演出/高橋恵
出演/船戸香里
音楽:川合ケン
料金/木戸銭 1,500円(『Voice Training』半券持参で500円割引)
高橋恵(たかはし・めぐみ)●劇作家・演出家。劇団「虚空旅団」代表。〈伊丹想流私塾〉第4期生。第14期~第21期まで同塾の師範を務める。2015年『誰故草』で第22回OMS戯曲賞大賞を受賞。主な作品にAI・HALL+岩崎正裕共同製作『フローレンスの庭』など。劇場プロデュース公演やラジオドラマへの書き下ろしも多数手がける。現在、〈伊丹想流劇塾〉マスターコース講師を務めている。

虚空旅団『誰故草』(2014年7月 ウイングフィールド)公演より  撮影:井上信治(三等フランソワーズ)


極東退屈道場『ファントム』
作・演出/林慎一郎
出演/小笠原聡、森本研典(劇団太陽族)、堀井和也、大沢めぐみ、原和代、増田美佳
公演日時/2017年12月9日(土)15:00・18:30、10日(日)14:00
※兵庫公演は、11月24日(金)19:30、25日(土)14:00・18:00、26日(日)14:00  伊丹「AI・HALL」にて。
料金/前売2,500円 ペア4,500円 ユース(22歳以下)割引2,000円 高校生以下1,500円(兵庫公演は前売3,200円、ペア5,500円、ユース・高校生以下は同じ) ※ユース・高校生以下は要証明書提示
[作品内容]
「その街を置いてきてから、その街の夢をよくみるー。」コインロッカーの中で目覚めた6人の男女。彼らは預けられた荷物なのか。ロッカーからロッカーへ。くぐりぬけるコインロッカーの居室は、都市を構成する様々なモジュールに姿を変えていく。
林慎一郎(はやし・しんいちいろう)●1977年北海道函館市生まれ。劇作家・演出家。〈伊丹想流私塾〉第8期生。第12期~第18期まで同塾の師範を務める。2011年『サブウェイ』で第18回OMS戯曲賞大賞を、13年『タイムズ』で第20回OMS戯曲賞特別賞を受賞。『ガベコレ-garbage collection』で第15回AAF戯曲賞候補、『PORTAL』で第61回岸田國士戯曲賞候補に選出。近年は多くの演出家との共同作業でも成果をあげており、『タイムズ』(演出:佐藤信)、『PORTAL』(演出:松本雄吉)などがある。現在、〈伊丹想流劇塾〉マスターコース講師。

極東退屈道場#007『百式サクセション』(2016年10月 AI・HALL)公演より  撮影:清水俊洋


空の驛舎(そらのえき)『かえりみちの木』
作・演出/中村ケンシ
出演/石塚博章、三田村啓示、津久間泉、中村京子、河本久和、イトウエリ、金子順子(コズミックシアター)、北村守(スクエア)、コタカトモ子
公演日時/2018年2月24日(土)19:30、25日(日)15:00
※兵庫公演は、2018年3月16日(金)19:30、17日(土)14:00・18:00、18日(日)11:00・15:00  伊丹「AI・HALL」にて。
料金/前売3,000円 当日3,300円 ユース(22歳以下)2,000円 高校生以下1,000円 ※ユース・高校生以下は前売・当日共通。要証明書
[作品内容]
遠くで低く雷が鳴る。灰色の冬の空から雨が黒い線となって落ちてくる。山間の村。巨木はただそこに立っている。雨宿りをしている一人の女。都会からやってきた。行くのか戻るのか。女は雨を見つめながら思案に暮れている。
中村ケンシ(なかむらけんし)●〈伊丹想流私塾〉第3期生。第6期~第11期まで同塾の師範を務める。2003年『てのひらのさかな』で第10回OMS戯曲賞佳作を、13年『追伸』で第20回OMS戯曲賞大賞を受賞。同賞では過去16年間で12回も最終候補に残り、「ホームランバッターではないが確実に塁に出る」劇作家と呼ばれる。それでいいのか。本公演より、心機一転、中村賢司を中村ケンシと改める。ロックミュージック愛好家であり、猫派、帽子党。
 

空の驛舎 第21回公演『どこかの通りを突っ走って』(2017年2月 ウイングフィールド)公演より

公演情報
ナビロフト×伊丹想流私塾 交流企画『Visitors』

■日時:2017年9月〜2018年3月 ※詳細は上記上演スケジュールを参照
■会場:ナビロフト(名古屋市天白区井口2-902)
■アクセス:名古屋駅から地下鉄東山線「伏見」駅下車、鶴舞線に乗り換え「原」駅下車、1番出口から徒歩8分
■問い合わせ:ナビロフト 052-807-2540
■公式サイト:ナビロフト http://naviloft1994.wixsite.com/navi-loft
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