現在進行系でバンド筋力を増強させ続けている神戸の暴れ猿 KNOCK OUT MONKEY
KNOCK OUT MONKEY 撮影=岸田哲平
KNOCK OUT MONKEY TOUR 2017『HELIX』 2017.10.6 LIQUIDROOM
今年7月、最新アルバム『HELIX』をリリース。アルバム発売に先駆けて5月より始まった、全国20公演を回るTOUR 2017『HELIX』を開催中のKNOCK OUT MONKEYが、10月6日(金)東京・恵比寿リキッドルームにてワンマン公演を開催した。夏はフェスやイベントも挟みながら、全国を回ったツアーも9本目。まもなく折り返しを迎えようとするツアー中盤のワンマンで、4人はたくましさを増した歌や演奏と進化し続ける新曲たちを見せつけた。
KNOCK OUT MONKEY
開演を待つファンの期待が充満する中、ステージに登場した4人。w-shun(Vo&Gt)の「遊ぼうぜ、東京!」の声にdEnkA(Gt)が激しくギターを鳴らし、アルバム1曲目である「Louder」でパーティーの幕開けを宣言。激しく重厚な演奏とハイテンションなボーカルでフロアをブチ上げると、「まだまだ足りない」とばかりに手のひらを真上に突き上げるw-shun。
KNOCK OUT MONKEY
KNOCK OUT MONKEY
続く「Screem&Shout」では前のめりな演奏に実際に身を乗り出し、観客の頭上でスクリーム&シャウト!ステージ上ではナオミチ(Dr)のアグレッシブかつ安定感のあるドラム、亜太(Ba)の派手なアクションが観客を魅了する。会場中が手拍子や合唱を合わせ、ライブ序盤から強烈な一体感を生むフロアに、「Open your mind」の<手を取り合い叫べや Onelove>の歌詞がバシッとハマる。もはや、リキッドは神戸の暴れ猿の独壇場!
KNOCK OUT MONKEY
「行ったらんかい、東京!」と畳み込むように披露された「JET」でw-shunがギターを鳴らし、dEnkAが堂々としたギターソロで魅せると、「30分セットだったら、これがクライマックス。メジャーバンド最短のワンマンライブってのも良いでしょ? ありがとうございました、KNOCK OUT MONKEYでした!」と本編ラストの「Flight」を披露(笑)。演奏するメンバーからも、拳を突き上げるメンバーからも笑みがこぼれたこの曲が最高にハッピーな空間を生み出し、この夜、最初のクライマックスを生む。
KNOCK OUT MONKEY
演奏後、観客の大きな歓声と手拍子に「日本一早いアンコールありがとう!」と、笑いながら応えるw-shun。w-shunのカウントからジャンプ一発、ナオミチのダイナミックなビートで始まった「Do it」で始まった中盤戦は、ツアーで鍛え上げたアルバム収録の新曲を中心に構成。「Reverse thinking」の攻撃的な歌と演奏に、負けじと腕を突き上げ、モッシュや掛け声で応戦するフロア。「まだ夏っぽいことしたいんで、付き合ってもらって良いですか?」と演奏された「cloud 9」は、軽快なリズムとホイッスルの音が照りつける太陽を想像させ、ただでさえ熱気溢れたフロアをさらに熱くさせる。「暑苦しい夏やります」と始まった「1:48」はタイトル通り、1分48秒に熱量と魅せ場を集約。w-shunとdEnkAのツインリードでのギターソロには大きな拍手と歓声が上がった。
KNOCK OUT MONKEY
会場の空気を変えたのは、「仕事頑張ってる人たちに送ります」と、w-shunのアコギの弾き語りで始まった「Wake Up」。しっかり聴かせる歌モノで<誰もが必死で 一人戦うけど/腐らずにいる自分を 見てくれている人がいる>と、一人ひとりに寄り添うように歌うと、「キミらでなく、キミが来てくれたことに感謝します。ありがとう」と観客に感謝の気持ちを伝える。さらに「みんなが楽しそうな顔をしてるのを見ると、ここまでの8本でちゃんと道が出来てるような気がして、すごく嬉しいです」とツアーを振り返り、ここまでの道筋を再確認するw-shun。
KNOCK OUT MONKEY
以前、『HELIX』についてのインタビューで「久々のセルフプロデュースで、いま自分たちが本当にやりたいことが出来た」と語っていた彼らだが、今やりたいこと、伝えたいこと、本当にカッコいいことを詰め込んだ『HELIX』を掲げてのツアーの充実は、この日のステージを見るだけでも十分伝わって来たし、自分たちの本当にやりたいことに全身全霊で取り組めているであろう今ツアーは、それ以降の道筋を作っていく上でもすごく重要な経験になる気がする。
KNOCK OUT MONKEY
ヘヴィな曲調にdEnkAのライトハンド奏法が映えた「fall down」、ドライブ感のある曲調を息の合ったバンドアンサンブルで聴かせた「Run」と、ここまでのツアーで育てあげた新曲たちを披露すると、希望に溢れた「Burning」で観客の心を熱くさせた後半戦。塊のようにぶつかってくる強靭なバンドサウンドに、会場中が大合唱で応えた「Paint it Out!!!!」から、ラストへの激しい曲を畳み込む流れはKOMの真骨頂! バンドと観客が互いに溢れる感情をぶつけ合い、しっかりテンションを高め合うと、「最後は暴れて帰れよ!」と披露された「Bite」の激ヘヴィな演奏と絞り上げるようなボーカル、吠声のようなコーラスでフロアを掻き回し、会場は最高潮の盛り上がりを見せる。全ての演奏を終え、「これが『HELIX』じゃーー!」と吠えるw-shunの表情は、自信と誇りと清々しさに充ちていた。
KNOCK OUT MONKEY
『HELIX』ツアーは今週末の10月14日(土)愛知・豊橋club KNOTを含め、残り11本。12月9日(土)に大阪・なんばHatchで行われるツアーファイナルには、ワンマン公演も控えている。現在進行系でバンド筋力を増強させ、たくましさを増している神戸の暴れ猿の現在をぜひツアーで確認して欲しい。
取材・文=フジジュン 撮影=岸田哲平
w/Rhythmic Toy World
2017年10月28日(土)宮城県 石巻BLUE RESISTANCE
w/BUZZ THE BEARS
2017年10月29日(日)岩手県 the five morioka
w/BUZZ THE BEARS
2017年11月3日(金・祝)新潟県 GOLDEN PIGS RED STAGE
w/POT
2017年11月5日(日)石川県 vanvanV4
w/POT
2017年11月12日(日)神奈川県 善行Z
w/山嵐
2017年11月18日(土)愛媛県 Double-u studio
w/SECRET 7 LINE
2017年11月19日(日)広島県 CAVE-BE
w/SECRET 7 LINE
2017年11月25日(土)千葉県 千葉LOOK
w/ENTH
2017年11月26日(日)茨城県 mito LIGHT HOUSE
w/未定
2017年12月9日(土)大阪府 なんばHatch
KNOCK OUT MONKEY(ワンマンライブ)