F1昇格のピエール・ガスリーが参戦決定 スーパーフォーミュラ最終戦はランキング大逆転もあり得る必見レースだ!

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2017.10.17
前戦、SUGOを制した関口雄飛(中)とF1昇格を決めたピエール・ガスリー(左)と中嶋一貴(右)。鈴鹿でもこの3人を含むチャンピオン争いは必至だ

前戦、SUGOを制した関口雄飛(中)とF1昇格を決めたピエール・ガスリー(左)と中嶋一貴(右)。鈴鹿でもこの3人を含むチャンピオン争いは必至だ

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スーパーフォーミュラ最終戦 ラウンド7 鈴鹿が盛り上がる、最高の舞台が整ったー。
先月24日に決勝が行われたラウンド6 SUGOで関口雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)が2勝目を挙げ、10ポイントを積み上げると、ランキングは一気に4位へとジャンプアップ。ドライバー部門で8位までがチャンピオンの可能性があり、優勝争いが混とんとしてきた。

現在のトップはラウンド3 富士スピードウェイで優勝し、SUGOでも2位になるなど、着実に入賞を果たしてきた石浦宏明(P.MU/CERUMO・INGING)。そんな石浦に、ラウンド4 ツインリンクもてぎ、ラウンド5 オートポリスで2連勝して勢いに乗るピエール・ガスリー(フランス/TEAM MUGEN)が、総合33ポイントの0.5ポイント差で肉薄している。純粋なるレースポイントでは、石浦が一度ポールポジション(第3戦、岡山国際サーキット)を取っており、ガスリーの方が0.5ポイント上にいる計算だ。

今季から参戦して、特に後半戦にかけて評価が上がっているフェリックス・ローゼンクヴィスト(スウェーデン/SUNOCO TEAM LEMANS)もSUGOで粘りの走りで4ポイント獲得し、総合28.5ポイントで3位を堅守。上位3人が5ポイント内にひしめいており、鈴鹿は天国と地獄が入れ替わるかもしれない、戦国レースの模様を呈してきた。

最終戦の鈴鹿は2レース制。レース1の19Laps、レース2の36Lapsを走り切ったところで、今季の雌雄を決することになる。しかも、最終戦には特別優勝ポイントとして3点が加算されるため(2レース開催の大会での優勝は通常5ポイント)、この2レースともポールポジション(1ポイント)を獲って優勝すれば18ポイントが加算されることになり、昨年のチャンピオン、国本雄資(P.MU/CERUMO・INGING)までが逆転タイトル奪取の可能性を持っている。

特に、注目したいのは現在2位のガスリーだ。来季の2018年からF1のトロ・ロッソチームに昇格することが決定しており、実はこのスーパーフォーミュラ最終戦の鈴鹿と同日、スポットで今季のアメリカGPへの参戦も取り沙汰されていた。しかし14日、正式にこの鈴鹿の参戦が決定。2位のガスリー参戦決定で、スーパーフォーミュラのチャンピオン争いが俄然、面白くなった。

現在、チャンピオンシップポイントを厘差でリードしている石浦も「ガスリー選手にサラッと獲られちゃったら(F1に行くガスリーには)来年リベンジできないし、日本のレベルはどうなんだ? って話にもなる」と対抗心メラメラ。「実力は凄い」とガスリーを認めてはいるものの、経験で抑え込んでガスリーへの“F1昇格お祝いメッセージ”としたいはずだ。

ちなみに、今季の国本は可能性は残されているものの、ほぼ連覇の夢は断たれたに等しい。しかし、石浦とともに所属するP.MU/CERUMO・INGINGは現在47.5ポイントと、コンストラクターズ争いで首位につけている。ガスリーの所属するTEAM MUGENは4ポイント差の2位のため、最終戦はガスリー&山本尚貴 vs 石浦&国本というチーム戦の様相も見せているわけだ。どちらのチームも一人がリタイヤしたら大きな痛手となるだけに、W入賞がチャンピオンシップを獲得する大きなアドバンテージとなる。

一方、VANTELIN TEAMTOM’Sでは中嶋一貴が初戦の鈴鹿でポールトゥウィンを果たしており、アンドレ・ロッテラーとともに41ポイントを獲得し、現在3位につけている。それだけに、この好相性の鈴鹿で一発大逆転を狙っているはずだ。実際には逆転チャンピオンの可能性も残っているものの、「失うものはなにもなければ自力で(タイトル)を獲れるわけでもないので、思い切ってやるだけ」と秘めた闘志を燃やしている。第1戦でマークした鈴鹿のコースレコード1'35.907を上回るパフォーマンスを示せれば、連続優勝も夢ではないかもしれない。

SUGOで今季2勝目を挙げた関口が所属するITOCHU ENEX TEAM IMPULには、残念ながらコンストラクターズ優勝の可能性はない。それだけに、この鈴鹿では1レースでも優勝することで、ドライバー部門での逆転チャンピオンをひたむきに目指すことになるだろう。「最終戦では1位にボーナスポイントの3点があって、2レースで合計6点になるので、やっぱり最低でもひとつは優勝しないと」と話しており、SUGOと鈴鹿での2連勝、いや鈴鹿の2レースを制しての3連勝をも目論んでいる。

いずれにしても大混戦の鈴鹿最終決戦。来年F1に行くガスリーの逆転チャンピオンがあるか、それとも日本ドライバーたちが意地を示せるか。コンストラクターズの争いも絡み、壮絶な戦いが見られるのは間違いない。

イベント情報
『全日本スーパーフォーミュラ選手権 最終戦(ラウンド7/鈴鹿サーキット)』

 日時:予選 10月21日(土)、決勝 10月22日(日)
 会場:鈴鹿サーキット(三重県鈴鹿市)
 :観戦券(レース観戦のみ)大人4,000円、中高生1,700円、小学生800円、3歳~未就学児600円ほか

 
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