石丸幹二、安蘭けいら出演者6人が大阪で囲み取材! ミュージカル『スカーレット・ピンパーネル』舞台写真チラ見せ

2017.11.13
レポート
舞台

『スカーレット・ピンパーネル』プレスコールにて主演の石丸幹二(撮影/石橋法子)

この秋、大阪と東京で上演されるフランク・ワイルドホーン作曲ミュージカル『スカーレット・ピンパーネル』。大阪公演初日を前日に控えた12日、梅田芸術劇場メインホールにてプレスコールと囲み取材が行われた。プレスコールでは本番のセットを組んだ舞台上で出演者による劇中歌3曲が披露され、その後の囲み取材では石丸幹二安蘭けい、石井一孝、上原理生、泉見洋平、松下洸平の6名が登壇し意気込みを語った。

『スカーレット・ピンパーネル』囲み取材にて

◎プレスコール:ワイルドホーンらが喜びのコメント&メインキャストが劇中歌3曲披露!

フランク・ワイルドホーン<作曲>:ミュージカル『スカーレット・ピンパーネル』NY公演の初演初日から11月9日でちょうど20周年を迎えました。その同じ週に日本でも5回目の初日を迎えられたことを嬉しく思います。また、先日は宝塚歌劇団雪組公演として私のロベスピエール作品『ひかりふる路』が初日を迎え、この1週間は“フランス革命漬け”の楽しい日々でした(笑)。『スカーレット・ピンパーネル』のキャストのみなさんは私にとっては家族のようなもの。私の作品に何度もご出演された方もいらっしゃいますし、いつも私の曲を心を込めて歌ってくださることを喜ばしく思います。今日のプレスコールもお楽しみください。

石丸さち子<演出>:新作を立ち上げましたガブリエル・バリーさんから引き継ぎました演出の石丸さち子です。昨年ワイルドホーンさんには2つの新曲を追加していただき幕を開けるという贅沢なカンパニーで、大好評をいただきました。1年で再演できることを本当に喜んでおります。再演とはいえ、歌、芝居、ダンス、立ち回り、オーケストラ、アンサンブルまで非常に丁寧に新作を立ち上げるように稽古をしてまいりました。初演をご覧になった方も今回初めてご覧になる方も、みなさんに楽しんでいただける作品だと思います。フランス革命の話ではありますが本作はコメディです。笑えますし、身近な人と心がすれ違ってしまうような、胸が痛くなるような場面もあります。私たちに身近な愛の話でもあり、色んな角度からお楽しみいただいて、最後にはスカッとハッピーになっていただける。演劇の喜びが満載の作品です。たくさんのお客様にご覧いただけるようにと願っております。

【あらすじ】1789年、王制に対する不満を爆発させた民衆が蜂起し、フランスが革命勃発。その後、ロベスピエール(上原理生)を指導者とするジャコバン党が権力を振りかざし、元貴族らが次々と処刑される恐怖政治が続いた。理不尽な制裁に正義感を奮い立たせたのはなんとイギリス貴族のパーシー(石丸幹二)。彼はフランスの有名女優だった妻マルグリット(安蘭けい)に内緒で仲間と「ピンパーネル団」を結成、無実の人々を救うため秘密裏に活躍する。一方、フランス政府全権大使ショーブラン(石井一孝)は元同志で恋人でもあったマルグリットにピンパーネル団の素性を探って欲しいと囁くのだが……。マルグリット唯一の肉親で最愛の弟アルマン(松下洸平)を巻き込みながら、疑心と愛憎渦巻く物語がスリリングに展開する。

【1曲目】「あの日のきみはどこへ?」/出演:安蘭けい&石井一孝

イギリスへ渡り新婚生活をおくるマルグリッドは、わけあって冷たく豹変した夫パーシーの態度に困惑していた。そこへ、革命の同志ショーブランが姿を現し、自分とともに祖国フランスへ戻るよう説得するのだが……。ショーブランが男としてマルグリッドに迫るドラマティックなナンバー。「フランスに帰る船を用意した」「私の家はここよ!」「(お前に)触れようともしない男のもとへ置いてはいけない」とのやり取りから、<目覚めさせよう夜明けまでに~♪>と歌うショーブランに、マルグリッドが出した答えとは。

【2曲目】「朝の角笛」から「炎のなかへ」/出演:石丸幹二、泉見洋平、松下洸平、久保貫太郎、久保田秀敏、多和田秀弥、東啓介、藤田玲、川口竜也、田村雄一、石井雅登、大場陽介、宮垣祐也

英国貴族パーシーの呼び掛けにより、仲間たちはフランスの罪なき人々を救い出すため、スカーレット・ピンパーネル団を結成する。

知恵者から洒落者まで、個性的なメンバーが勢揃い。とはいえ、本格的な戦闘訓練もしないまま戦うことに戸惑いを隠せないメンバーも。そこでパーシーは、彼らにある秘策を打ち明ける。

早速、船でフランスへと乗り込むピンパーネル団の勇者たち。大海原に揺られ全員で合唱する「炎のなかへ」は本作のテーマソングといえるワクワク感満載の冒険ソング! 希望という風で帆を膨らませ、豪快に波しぶきをあげて前進する。見ているこちらまで思わず拳に力が入り、応援したくなるはず。

【3曲目】「悲惨な世界のためにリプライズ」から「あなたはそこに」/出演:石丸幹二&安蘭けい

弟アルマンが巻き込まれた危機的状況を打開するため、マルグリッドはスカーレット・ピンパーネルに助けを求める。彼の正体が夫パーシーであることも知らず、顔を見ないことを条件に会話する2人。一方のパーシーもそこで妻への疑念に関する新たな事実を知ることになるのだが……。

「悲惨な世界のためにリプライズ」は当時、宝塚歌劇団星組トップスターだった安蘭のために書き下ろされた楽曲「ひとかけらの勇気」を別バージョンにアレンジしたもの。安蘭が宝塚時代にパーシー役として歌った曲を本作ではヒロイン、マルグリッドとして歌う憎い演出だ。果たして、マルグリッドのピンチにパーシーはどう応えるのか。

◎囲み取材:石丸幹二ら主要キャスト6名が新カンパニーと本作の見どころを語る!

ーー明日大阪公演が開幕します。プレスコールで楽曲を披露された今のご心境は?

左より、石丸幹二、石井一孝、泉見洋平

石丸幹二<イギリス貴族、スカーレット・ピンパーネル/パーシー役>:衣装やかつらをつけると役の気持ちにグッと近づきますし、本番のセットのなかで歌うとまるでお客様の前で演じてるような気持ちになりました。

安蘭けい<ショーブランの元恋人、パーシーの妻/マルグリッド役>:(石丸)幹二さんがおっしゃるように、初日の緊張を一足早く感じた気分です(笑)。やはり稽古場とは違った新鮮な気持ちで舞台に立つことができました。

石井一孝<公安委員、フランス政府全権大使/ショーブラン役>:手袋をつけ、指の先まで全身真っ黒になるとすごくやる気が出てきます。マルグリッドはもはや僕の腕の中に抱かれるのではないか、そういう思いでいます。

安蘭:無理、無理(笑)。

上原理生<パーシーの友人プリンス・オブ・ウェールズ、仏ジャコバン党リーダーのロベスピエール/2役>:かずさん(石井)が言われた通り僕も真っ黒の衣装なので、これを着ると怖さを醸し出してショーブランをびびらせてやろう!という気持ちになります(笑)。

石井:怖いからね~。

泉見洋平<イギリス貴族、ピンパーネル団メンバー/デュハースト役>:先程ピンパーネル団の一員として、石丸幹二さんたちと「炎のなかへ」を歌わせていただき、本当に勇気や元気が沸き上がってくるような気がしています。

松下洸平<マルグリッドの弟/アルマン役>:僕はこういう衣装を着ることが初めてなので、ポスター撮影の時も上手く着こなせるか不安でしたが、いざ着てみると背筋が伸びるんですね。そういう作りになっていて、いかに普段自分が猫背なのかに気づかされました(笑)。

ーー初演から続投の石丸さん、安蘭さん、石井さんは1年の進化をどんな所にお感じですか。

石丸:1年経つとこんなにも作品は熟するんだなと、稽古場で実感しました。我々3人は前回をなぞらずに新たな気持ちで挑戦してみようと稽古場で向き合ってきたことで、本当にどんどん役が深まり変わってきました。かず(石井)にいたっては、確実に(今回は)マルグリッドをゲットする気でいますので。

安蘭:(本日2度目の)無理、無理(笑)。でも、改めて今回はショーブランとの関係を深く考えることで、この三角関係が鮮やかに描ければいいなと思います。本番でどのような変化が出ているのか、お客様に観ていただきたいところです。また、新しいキャストの皆さんが加わったことで、昨年とは違う新たな作品に仕上がっていると思います。特にピンパーネル団はまったく雰囲気が違いますよね。

石丸:組替えしたみたいです。台詞は同じでも人が変わるとこんなにも魂の宿り方に違いが出るものなのかと。舞台上でもどんどん変化していきますので、そこも楽しんでいただけると思います。

石井:演出のガブリエルさんも石丸さちこさんも、ショーブランとの関係をより濃密に描こうと、新しくビジョンを見つめ直しましたので、そこが違うのかな。自分で意識する以上に歌い方や演じ方が「変わりましたね」と周囲の人たちから言われます。初演とは相当変わっていると思うので、そこはお客様が一番楽しまれるような変化なんだと思います。

石丸:ロベスピエール、アルマンも初演とはキャストが変わっているからね。

石井:うちの上司ロベスピエールが、ものすごく怖くなりました。顔も怖いし背も高くて。

安蘭:顔のことは言われたくないよね。

石井:顔が似てるって言われるんですよ(笑)。

ーー上原さんはロベスピエール役とパーシーの友人プリンス・オブ・ウェールズ役の2役でご出演です。

左より、松下洸平、上原理生、安蘭けい

上原:この作品で描かれるロベスピエールは(革命に燃えた時期からだんだんと)追い詰められていた頃で、そんな時期にスカーレット・ピンパーネルが出てきたので、ショーブランに「何とかしろ!」と言うのですが、彼は失敗続き。ずっとイライラして怒っている(笑)。一方、プリンス・オブ・ウェールズは怒りとはまったく無縁の存在で、とてもお気楽な役。ファッションが大好きで、ピンパーネル団のみんなと絡むシーンもすごく楽しくやっています。2つの役を客観的に見られるなと思いながら、すごく新鮮な気持ちで演じています。

石丸:性格はまったく違う双子の片割れが出て来た!っていうぐらい、違いますよ。

石井:究極の双子って感じで面白いですよね。

上原:本当ですか。よかったです(笑)。

ーーフランク・ワイルドホーンさんの楽曲の魅力についてはいかがでしょう。

石丸:フランクの曲はミュージカル『ジキル&ハイド』の頃からずっと接していますが、歌えば歌うほどハードルが高くなる。ゲームみたいに次のステージにいくと、また次の課題が待っている、そこをどう超えていくか。難しいんですけど、楽しくてどんどん挑戦したくなります。先ほど歌った「炎のなかへ」も仲間の声が重なることで、より鮮やかに聞こえてくる。メンバーが変わるとこんな風に聞こえるんだと、今日も舞台上で新たな発見がありました。

安蘭:全部シングルカットで発売したいぐらい名曲揃いで、本当にいい曲だなと改めて思いました。ひとつ課題をクリアしてもまた次の問題が出てくるので、歌うほどに難しくなる。今でもじつはまだ何かできることがあるんじゃないかと思うほど、なかなか歌いこなせたということがない。でもメロディにそって歌えば、自然と感情も気持ちよく流れてくるんですよね。マルグリッドは男性陣の曲は歌いませんが、いつも夢の中に「炎のなかへ」が流れてきて自分もそこで「炎の~♪」と歌っています。

石丸:そのうち(本番のステージにも)出てきますから(笑)。

全員:あははは!

安蘭:(笑)。それくらいワクワクする曲が多いので、お客さんも本当に楽しんで聞いていただけると思います。

石井:僕は三度の飯より音楽が好きで、家でもずーっと音楽を聞いています。そんな音楽好きな耳からしても、メロディは淀みなく、しかも場面ごとにまったく違うベクトルの曲がよくもこんなにきれいに並んでいるなと。『スカーレット・ピンパーネル』の音楽は奇跡だと思います。いま視界の端にフランクが入っているから言ってるわけではなく、本心です(笑)。彼はもともとポップスの作曲家なので、和音のコード進行がきれいなんです。メロディがなくても和音だけでご飯大盛り10杯は食べられるぐらい(笑)。もちろん難しいですけど、幸せ一杯なので歌いながらゾクゾクしています。

ーー本作へは、初参加となるお三方はいかがですか。

松下:歌い方を試行錯誤して悩んでいたときに、安蘭さんとのデュエット曲についてボイストレーナーのジェイソンさんが「これはポップスだから、もっと自由に歌っていいんだよ」と言ってくださり、その言葉にすごく背中を押されました。確かにそう聞くと、どの曲も誰の耳にもすんなりと入ってくるメロディですし、ずっと耳にも残っていて何度でも聞きたくなる。素晴らしいなと思います。

泉見:僕らが歌うピンパーネル団の勇ましい曲、ショーブランの怪しい曲、そしてロマンチックな曲と、タイプが全然違うのにこんなにも日本語の歌詞が直球で届いてくるのかと。言葉が突き刺さるようで、改めて音楽が素晴らしいなと実感しております。

上原:ワイルドホーンさんの楽曲はもちろん知っていましたが、実際に歌わせていただくのは今回が初めてです。本当に名曲揃いで、僕は30分に1回の出番なんですけど、待っている間もずっと良い曲が聞こえてくるので、本当に心がいつも穏やかで幸せです。

石丸:こっちは必死です(笑)。

上原:堪能させていただいております(笑)。ロベスピエールにも初演の時に生まれた新曲があります。生まれて1年の曲を歌わせていただける嬉しい機会をいただいたので、一回一回を大事に歌っていきたいなと思います。

石丸:明日から大阪公演が開幕します。皆様のお越しを劇場でお待ちしております!

最後はテレビカメラに向かって、新生“スカピン”を「お楽しみに~!」

取材・文・撮影=石橋法子

イベント情報
ミュージカル『スカーレット・ピンパーネル』
 
■原作:バロネス・オルツィ
■脚本・作詞:ナン・ナイトン
■作曲:フランク・ワイルドホーン
■編曲:キム・シェーンベルグ
■訳詞・翻訳・潤色:木内宏昌
■潤色・演出:ガブリエル・バリー
■演出:石丸さち子
■出演:石丸幹二、安蘭けい、石井一孝、上原理生、泉見洋平、松下洸平ほか
 
<大阪公演>
2017年11月13日(月)~15日(水)
■梅田芸術劇場メインホール
 
<東京公演>
2017年11月20日(月)~12月5日(火)
■TBS赤坂ACTシアター
 

 

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