大山真志主演の3部作が堂々完結ーー舞台『トワイスアップ~自分を偽るそんな夜に本音を語れる雪が降る~』レポート

レポート
舞台
2017.12.11
『大山真志Special Live』より

『大山真志Special Live』より

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2017年12月8日(金)、浅草六区ゆめまち劇場にて大山真志の主演舞台『トワイスアップ~自分を偽るそんな夜に本音を語れる雪が降る~』が上演された。舞台『トワイスアップ』は3部作であり、今年7月に第一弾「スペースオペラは今はいらない」、9月に第二弾「沈んだ碧は息ができないそんな場所」を上演、今回は第三弾にして最終章を迎える。

『トワイスアップ~自分を偽るそんな夜に本音を語れる雪が降る~』より、主演の大山真志&脚本・構成・演出担当の山本タク

『トワイスアップ~自分を偽るそんな夜に本音を語れる雪が降る~』より、主演の大山真志&脚本・構成・演出担当の山本タク

ゲネプロ開始前、主演の大山と、脚本・構成・演出を手掛けた山本タクによる囲み取材が行われた。大山は「今まで散りばめられた伏線がすべて回収されて、この作品がどこに向かってきたのかが明らかになります」と見どころを語る。「これまでベックは色んな物ごとを分かったうえで行動してきたのに対し、そのベックがどういう人物なのか、実はベックの周りにいる人たちは誰も知りません。そんな中、ベックの過去を知る人間が出てきます」と、本作では大山演じるベックの素性が徐々に明かされていくことを匂わせた。

脚本を担当した山本によると、第三弾のストーリーは、当初考えられていた構想とは違うものになっているという。「大山くんは明るい人という印象もあるけど、僕には暗さや寂しさだったり、一人でいることが好きなのかな?ということを感じて。ベックを演じれば演じるほど、大山くんが持っている本当の姿を見てみたくなりました」と、その理由を教えてくれた。

『トワイスアップ~自分を偽るそんな夜に本音を語れる雪が降る~』より

『トワイスアップ~自分を偽るそんな夜に本音を語れる雪が降る~』より

第一弾の7月から、半年もの時間をかけてキャスト・スタッフ全員で辿り着いた最終章。大山は「右も左も分からずに始まった第一弾と最終章を迎えた今とでは自分の覚悟も違います。座長として、『トワイスアップ』に携わってきた人たちの想いを背負ってやり遂げなきゃいけない!という気持ちが強くなりました。最初こそ“自分のことは自分でどうぞ”というタイプでしたが、今回は後輩へ教える立場でもあるので、先輩としての自覚も高まりました」と真面目な表情で語る。そんな頼もしい座長のことを、山本も「(この約半年間で25kgの減量に成功したという大山の言葉を受けて)体は細くなったのに、背中が大きくなったような気がします」と称賛した。

『トワイスアップ~自分を偽るそんな夜に本音を語れる雪が降る~』より

『トワイスアップ~自分を偽るそんな夜に本音を語れる雪が降る~』より

芝居とライブの二本立てで構成されている本作。まずは前半パートの『トワイスアップ~自分を偽るそんな夜に本音を語れる雪が降る~』が幕を開ける。物語の舞台は“世界会議”から20年経った地球。人類は新たな美しい星・ノアス(No earth)星への移住化計画を再度進めており、地球からノアス星へと向かう宇宙船の乗客を募集。抽選の末、見事「プラチナ」を手に入れた人々を乗せる宇宙船は、出発日が間近に迫っていた。そんな中、便利屋のベック(大山真志)に、夢を見ることができない貧民街でのサンタクロース代行、という仕事の依頼が舞い降りるのだが……。

『トワイスアップ~自分を偽るそんな夜に本音を語れる雪が降る~』より

『トワイスアップ~自分を偽るそんな夜に本音を語れる雪が降る~』より

第三弾から登場するキャラクターは、貧民街で出会うピノ(小川真奈)、和やかな雰囲気のミント(西田麻衣)、ノアスのトップに立つシラー(栗山絵美)、クールで謎めいたロイ(山口賢人)の4人。物語の鍵を握る人物が現れると、明るく楽しいクリスマスムードから一変して不穏な空気が漂う。

ベックの相棒であるロン(永松文太)とバーテンダーのジプシー(高田あゆみ)、本人曰く“第二弾では映像で登場するくらいの人気”であるドロップ(北村まりこ)ら、第一弾から登場しているキャラクターも健在。警察官でありながら拳銃が握れないグレイグ(赤塚篤紀)のトラウマや、グレイグと同じ警察官という立場にあるトニー(堀田怜央)が抱える闇の部分も明らかになり、杉浦隼永、名富航平、井上拓馬、近藤礼貴らアンサンブルキャストも随所で活躍。ハードボイルドとSFが融合した世界で、各キャラクターの心情がさまざまな形で絡みあっていく様は必見だ。

『トワイスアップ~自分を偽るそんな夜に本音を語れる雪が降る~』より

『トワイスアップ~自分を偽るそんな夜に本音を語れる雪が降る~』より

舞台のあとは後半パートの『大山真志Special Live』を開催。冬らしい選曲で、誰もが知る有名なクリスマスソングを情感たっぷりに歌いあげた。また、今回は女性キャストを迎えてのデュエットにも初挑戦。この日は小川真奈が相手役を務め、大山の伸びやかな低音と小川の透明感ある歌声が重なり、美しいハーモニーが響き渡った。デュエットの相手役には、小川と栗山絵美の2人が日替わりで登場した。

『大山真志Special Live』より

『大山真志Special Live』より

取材・文・撮影=堀江有希

公演情報
「トワイスアップ~自分を偽るそんな夜に本音を語れる雪が降る~」&「大山真志Special Live」

■公演日程
12月8日(金)19:00
12月9日(土)13:00- / 18:00-
12月10日(日)12:00- / 17:00-

■劇場
浅草六区ゆめまち劇場

■出演者
大山真志
小川真奈、永松文太、高田あゆみ、山口賢人、西田麻衣、堀田怜央、北村まりこ、栗山絵美、赤塚篤紀、杉浦隼永、名富航平、井上拓馬、近藤礼貴

■作・演出
構成・演出:八木橋修/山本タク 脚本:山本タク


全席指定席前売りS席:5300円/A席:4800円(ワンドリンクオーダー制)
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