でんぱ組.inc、7人で宇宙へ!344日ぶりワンマンライブで新たな一歩

2018.1.1
レポート
音楽

でんぱ組.incワンマンライブ「ねぇもう一回きいて?宇宙を救うのはやっぱり、でんぱ組.inc!」の様子。

でんぱ組.incが昨日12月30日、大阪・大阪城ホールでワンマンライブ「ねぇもう一回きいて?宇宙を救うのはやっぱり、でんぱ組.inc!」を開催した。

でんぱ組.incがワンマンライブを行うのは、今年1月20日に実施された東京・日本武道館公演「でんぱ組.inc 幕神アリーナツアー2017 in 日本武道館 ~またまたここから夢がはじまるよっ!~」以来。その後、8月の最上もが脱退によりでんぱ組.incは5名となったが、昨日のライブでは虹のコンキスタドールの根本凪、ベボガ!(虹のコンキスタドール黄組)の鹿目凛が各グループと兼任する形で正式にメンバーとして加入することが発表され、でんぱ組.incは7人体制となった。

ライブのタイトルには最上と藤咲彩音が加入する以前、跡部みぅ在籍時のでんぱ組.incが2011年12月に発表した1stアルバム「ねぇきいて? 宇宙を救うのは、きっとお寿司…ではなく、でんぱ組.inc!」から連なる宇宙モチーフのタイトルが冠された。ステージには巨大なスペースシャトルがそびえ立ち、ストリングスやホーンを含む“でんでんバンド”のセットが組まれたステージ後方には航空宇宙局を想起させる装飾が。開演時刻になるとスクリーン映像でカウントダウンが発動し、古川未鈴、相沢梨紗、夢眠ねむ、成瀬瑛美、藤咲がスタンバイ。でんぱ組.incの344日ぶりのワンマンライブは「Future Driver」で幕を開けた。

5人は続けて「バリ3共和国」を歌ったところで「萌えキュンソングを世界にお届け、でんぱ組.incです!」と会場のファンに挨拶した。夢眠はおなじみの自己紹介フレーズで起こった盛大なレスポンスに感極まり、冒頭から大泣き。古川も目に涙を浮かべながら「ライブができなかった1年間……本当に悔しかったです!」と叫び、成瀬は「だからこそ、ここでみんなに会えてウルトラハッピーだよー!」と明るく場を盛り上げた。「1年分の思い、ぶつけてきてください」という相沢の言葉からライブは再開し、5人は新旧バリエーションに富んだ楽曲を畳みかけていく。でんぱ組.incが所属するディアステージの後輩であるChu☆ Oh!Dollyやシンセカイセンもバックダンサーとして演出に華を添えた。夢眠のリクエストでセットリストに加えられたという「きっと、きっとね。」は昨年4月に発売された6人体制での最後のオリジナルアルバム「GOGO DEMPA」に収められていたミディアムチューンで、ライブで披露されるのは今回が初めて。夢眠はライブ活動ができない間に最上が脱退し、先の活動に不安を抱えていた時期にこの曲を聴き、心の励みになったのだという。「今回のステージが私たちにとって新しいスタートになると思ったので、ライブが決まったときに『この曲が歌いたい』と話をしました」と明かした夢眠は再び大粒の涙を流した。

ライブ後半には、でんぱ組.incのこれからを示す大きなドラマが展開した。彼女たちの本拠地である東京・秋葉原ディアステージを舞台にした物語仕立ての楽曲「Dear☆Stageへようこそ▽」に、店を訪れた男性役で2人のエキストラが登場し、でんぱ組.incと寸劇を繰り広げる。そして物語のクライマックスでエキストラ2人の早着替えが行われると、そこにはでんぱ組.incの衣装を着た鹿目と根本の姿が。その瞬間、7人体制となったでんぱ組.incの新しい歴史がスタートした。

場内がどよめく中、さらに彼女たちはリボンを使ったパフォーマンスがおなじみの「でんでんぱっしょん」を7人で披露し、改めて新メンバーの2人を紹介。根本は「茨城県出身、カワウソに似ててもいいよね? 歌って描けるアイドル目指します! ねもこと根本凪です」というキャッチフレーズで自己紹介し、「一刻も早くでんぱ組.incのメンバーとして認めてもらえるようにがんばっていきます」と涙ながらに宣言した。そして「彼女と大阪城ホールなうー!って使っていいよ。イラストも描けちゃうあなたの彼女、ブリッ子担当のぺろりん先生こと鹿目凛」というキャッチフレーズの鹿目は、「少しでも大好きなでんぱ組.incの力になれるようがんばっていきますので、皆さんぜひよろしくお願いします!」と挨拶。鹿目の担当カラーは成瀬の黄色と、根本の担当カラーは夢眠のミントグリーンと近いが、鹿目は“たまご色”、根本は緑色となる。リーダー相沢は「せっかくMC位置に勢ぞろいしてるからさ、アレやろ?」とメンバーに目配せし、この日2度目の、しかし7人では初めての「萌えキュンソングを世界にお届け、でんぱ組.incです!」を決めた。

7人はさらにもう2曲、「NEO JAPONISM」「破!to the Future」を新体制バージョンで歌い、ライブ本編はフィニッシュ。メンバーとバンドがステージを去ったステージ上のスクリーンには「CONTINUE?」とデジタル表示が浮かび、「YES」と「NO」の間で揺れるカーソルが最終的に「YES」を指すと場内は大歓声に包まれた。歓声はやがてアンコールを求める声へと変わり、でんでんバンドは再びステージへ。そしてバンドが「ORANGE RIUM」のイントロを奏でると、場内はオレンジ色のサイリウムで煌々と染められた。でんぱ組.incに憧れてアイドル活動を始めた根本と鹿目は一面オレンジの会場を感極まった様子で見渡しながら、初めての「ORANGE RIUM」を熱唱。さらに7人はここで、新体制にかける思いを込めた新曲「ギラメタスでんぱスターズ」を初披露した。またも場内が暗転し、ライブはここで終了かと思われたが、場内にはスペースシャトルのエンジン音が低く轟き、スクリーンには宇宙服姿の7人が映し出される。暗転が解かれると、ステージ中央には映像と同じ宇宙服を着たメンバーが7人体制に変化した「Future Driver」の陣形で立っていた。この日2度目の、しかし7人では初めての「Future Driver」を歌った新生でんぱ組.incは、スペースシャトルに乗り込み宇宙へと飛び立ち、およそ2時間の中にさまざまなドラマを詰め込んだライブを終えた。

また今回のライブでは、初披露された新曲「ギラメタスでんぱスターズ」を含むニューシングルを4月にリリースし、併せて全国ツアーを開催することがメンバーより発表された。さらに終演後、メンバーは各自のオフィシャルブログやソーシャルメディアを通じ、それぞれライブの感想や新体制への思いを語っている。

 

でんぱ組.inc「ねぇもう一回きいて?宇宙を救うのはやっぱり、でんぱ組.inc!」
2017年12月30日 大阪城ホール セットリスト

 

01. Future Driver
02. バリ3共和国
03. VANDALISM
04. ちゅるりちゅるりら
05. まもなく、でんぱ組.incが離陸致します▽
06. くちづけキボンヌ
07. でんぱーりーナイト
08. サクラあっぱれーしょん
09. きっと、きっとね。
10. 最Ψ最好調!
11. でんぱれーどJAPAN
12. Dear☆Stageへようこそ▽
13. でんでんぱっしょん
14. NEO JAPONISM
15. 破!to the Future
<アンコール>
16. ORANGE RIUM
17. ギラメタスでんぱスターズ
18. Future Diver

でんぱ組.inc 全国ホールツアー2018

2018年4月14日(土)北海道 札幌市教育文化会館 大ホール
2018年4月28日(土)茨城県 茨城県立県民文化センター 大ホール
2018年4月30日(月・振休)東京都 江戸川区総合文化センター
2018年5月2日(水)広島県 JMSアステールプラザ
2018年5月3日(木・祝)大阪府 NHK大阪ホール
2018年5月4日(金・祝)愛知県 一宮市市民会館
2018年6月16日(土)宮城県 仙台サンプラザホール
2018年6月17日(日)栃木県 栃木県総合文化センター
2018年6月30日(土)静岡県 静岡市民文化会館 中ホール

※文中▽はすべてハートマークが正式表記。

※記事初出時、本文中に誤りがありました。訂正してお詫びいたします。