『江戸の戯画-鳥羽絵から北斎・国芳・暁斎まで』が大阪市立美術館で開催中 大阪の地で、多彩な笑いの世界を紹介

2018.1.30
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特別展『江戸の戯画-鳥羽絵から北斎・国芳・暁斎まで』が、2018年6月10日(日)まで、大阪市立美術館で開催されている。

太平の世が続いた江戸時代には、多くの戯画が描かれた。一口に戯画といっても多種多様なものがあるが、本展では「鳥羽絵」をキーワードに江戸時代の戯画を紹介する。

歌川国芳「金魚づくし 百ものがたり」 ベルギー王立美術歴史博物館蔵(前期のみ展示)

歌川国芳「きん魚づくし ぼんぼん」 個人蔵(通期展示)

鳥羽絵は、広く戯画や漫画を指す言葉として使われることもあるが、より限られた意味では、18世紀に大坂を中心に流行した軽妙な筆致の戯画を指す。そこに描かれる人物は、目が小さく、鼻が低く、口が大きく、極端に手足が細長いという特徴を持ち、その名は国宝「鳥獣人物戯画」の筆者と伝えられてきた鳥羽僧正覚猷に由来するものとされる。

鳥羽絵は、18世紀の大坂で鳥羽絵本として出版され、その人気は近代にまで及んだ。また、上方に留まらず、江戸の浮世絵などにも影響を与えた。鳥羽絵を洗練させたとされる大坂の耳鳥斎はもちろん、鳥羽絵本の影響を受けたと考えられる江戸の葛飾北斎歌川国芳、そしてその流れをくむ河鍋暁斎など、時代や地域により変化しながらも、笑いの感覚は脈々と受け継がれてきた。

葛飾北斎「謎かけ戯画集 鰻」 ベルギー王立美術歴史博物館蔵(通期展示)

葛飾北斎「鳥羽絵集会 お稽古」 ベルギー王立美術歴史博物館蔵(通期展示)

本展では、そのような流れを追いつつ、江戸時代の戯画のエッセンスを堪能できる。また、歌川国芳の「金魚づくしシリーズ」全9点がそろうのも見どころのひとつだ(前期のみ)。 笑いを文化として発展させてきた大阪の地で、多彩な笑いの世界を紹介する。(出品予定作品:約280件)

歌川広景「江戸名所道戯尽 二十二 御蔵前の雪」 太田記念美術館蔵(後期のみ展示)

河鍋暁斎「風流蛙大合戦之図」 河鍋暁斎記念美術館蔵(展示期間:5月29日〜6月10日)

イベント情報
特別展『江戸の戯画-鳥羽絵から北斎・国芳・暁斎まで』

 会期:2018年4月17日(火)~6月10日(日)
          【前期】4月17日(火)~5月13日(日)
    【後期】5月15日(火)~6月10日(日)
    ※会期中展示替えあり。
 会場:大阪市立美術館
 時間:午前9時30分〜午後5時(入館は午後4時30分まで)
 休館日:月曜日(ただし、4月30日(月)は開館)。5月1日(火)も開館。
      ※災害などにより臨時で休館となる場合あり。
 料金:一般 1,400円(1,200円)、高大生1,000円(800円)
    ※( )内は、20名以上の団体料金
    ※中学生以下、障がい者手帳などをお持ちの方(介護者1名を含む)は無料(要証明)。
    ※本展は、大阪市内在住の65歳以上の方も一般料金が必要です。
    ※前売券は平成30年4月16日(月)まで販売。

 
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