吉川晃司が治療に専念、1年後に武道館で復活

2018.1.23
レポート
音楽

吉川晃司(撮影:平野タカシ)

吉川晃司が全国ツアー「KIKKAWA KOJI LIVE 2017 "Live is Life"」の追加公演である「KIKKAWA KOJI LIVE 2018 "Live is Life"」を1月20、21日に東京・武蔵野の森総合スポーツプラザ メインアリーナで開催。2日間でのべ1万8000人を動員した。この記事では2日目である21日の模様をレポートする。

会場となった武蔵野の森総合スポーツプラザは、2020年の東京オリンピックでバドミントンと近代五種のフェンシング、パラリンピックの車いすバスケットボールの会場として使用される予定の場所で、かつて水球選手としてオリンピックを目指していた時期もあった吉川にとっては特別な意味を持つ場所。吉川は最初のMCで「ツアーをやり足りなかったので、もう1回やらせてほしいとお願いしたら、うまいことオリンピックに使われる会場ができました。本格的なコンサートは初めてみたいなので、みんなでこけらの落としっこをやろうぜ」と挨拶した。

この日のライブはツアーファイナル的な位置付けであり、2017年のツアーからセットリストはあまり変えずに実施。メンバーも昨年のツアーと同じ菊地英昭(G / THE YELLOW MONKEY、brainchild's)、生形真一(G / Nothing's Carved In Stone)、ウエノコウジ(B / the HIATUS)、湊雅史(Dr)、ホッピー神山(Key)という編成で、吉川は「すばらしい友に恵まれたなあということを実感したツアーでした。幸せです」と語った。

「Milky Way」の途中からはアリーナの中央まで伸びる花道を歩き、センターステージに移動しての骨太な演奏を披露。吉川は気持ちよさそうにあたりを見渡しながら熱唱した。センターステージではピアノと歌のみでの「すべてはこの夜に」や、ファルセットのフェイクを駆使した「太陽もひとりぼっち」といったミディアムバラードも歌い、深みのある声で観客を酔わせた。

メインステージに戻って「SPEED」が始まると、そこからはノンストップでライブが展開。「The Gundogs」「GOOD SAVAGE」では吉川、菊地、生形のトリプルギターによるスリリングな演奏が繰り出された。基本的な流れは昨年のツアーの延長線上にあるものだが、「MAJESTIC BABY」「恋をとめないで」といったCOMPLEX時代のナンバーが新たにセットリストに加わった。「Juicy Jungle」では銀テープが発射され、リストバンド型ライト・FreFlowが色とりどりに点滅。ライブ本編は「Dream On」でシンバルキックを炸裂させ終了した。

アンコールで吉川はのどのポリープの状況を報告。レアなケースだがポリープが小さくなってきたこと、手術するかどうかはまだ未定であること、今後1年間は歌わずに治療に専念すること、その間は楽曲制作など歌わなくてもいい活動をしていくことを説明した。さらに吉川は2019年2月1、2日に東京・日本武道館でライブを行うことを発表。会場に盛大な拍手が起こる中、彼は「復活&35周年的なものなると思います」と語った。

「吉川の今の歌です」という言葉に続いて披露されたのは「劇場版 マジンガーZ / INFINITY」のエンディングテーマ「The Last Letter」。ブルーの照明で照らされながら、深みのある歌声とバンドのエモーショナルな演奏がアリーナに響き渡った。「オリンピックまでは歌っていくのが自分の務めだと思います」と語った彼は、水球日本代表・ポセイドンジャパンの応援歌として制作した「Over The Rainbow」を歌唱。アンコールのラストはツアーではひさしぶりとなるデビューシングル「モニカ」が披露された。センターステージで歌う吉川のもとに菊地と生形も集って、会場はどんどん熱狂の渦に。最後はカカト落としでフィニッシュとなった。

吉川は最後に「1年後に笑顔の再会を」とコメント。なお、このライブの模様は5月にDVDとBlu-rayでのリリースが予定されている。