「今日だけは昔は良かったって思うことを許す!」岸田教団&THE明星ロケッツ ツアーファイナルオフィシャルレポートが到着

2018.2.8
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岸田教団&THE明星ロケッツが1月20日にディファ有明にて行った『10thAnniversary Tour 2017〜2018〜懐古厨に花束を〜(仮)』最終公演のオフィシャルレポートが到着したのでお伝えする。



2007年に活動をスタートさせ、魅力的かつ特異な存在感を放って活動を重ね、昨年10周年を迎えた岸田教団&THE明星ロケッツ。アニバーサリーを記念して昨年11月から今年1月にかけて行った全国ツアー『懐古厨に花束を(仮)』は、彼らの過去ツアーでエース役を担った楽曲を軸にしつつ岸田教団&THE明星ロケッツが歩んできた道を振り返る内容となった。ツアー・ファイナルを飾る東京公演は、1月20日にディファ有明で開催。各地で良いライブを行って来たことを証明
するように当日のディファ有明はビッシリと人で埋まり、開演前から良い雰囲気で盛り上がっていた。

場内が暗転して、ステージ後方に設置された巨大なスクリーンに岸田教団&THE明星ロケッツの活動を遡っていくコラージュが映し出された後、メンバーがステージに登場。客席から大歓声と拍手が湧きあがる中、チェリーサンバーストのモッキンバードを手にしたichigoがエモーショナルな歌声を聴かせる導入パートから一気に炸裂する「明星ロケッツ」でライブは幕を開けた。

力強くステージ中央に立って、ギターをかき鳴らしながら華やかに歌うichogo。派手なステージングとキレの良いギターワークのマッチングが光るはやぴ〜。笑顔を浮かべて客席を見渡しながら、ファットな重低音を紡いでいく岸田。ドラムセットの後ろから強い存在感を発しつつ、安定感に満ちたビートや素早いフィルをパワフルに叩き切るみっちゃん。個性の強い4人が生み出すケミストリーとタイトな爆音にオーディエンスも熱いリアクションを見せ、ライブが始まると同時に場内のボルテージは一気に高まった。

メロディアスな「SuperSonicSpeedstar」で勢い拍車をかけた後、ichigoが「『懐古厨に花束を(仮)』ツアーへ、ようこそ!」と挨拶。「今日ここに集まった皆さんは“懐古厨”ということで、よろしいでしょうか? 最新の岸田教団&THE明星ロケッツを一番カッコ良いと思って欲しいけど、今日だけは昔は良かったと思うことを許す(笑)。では、どんどん懐古していきましょう!」というMCに続けて、伸びやかなメロディーやはやぴ〜のスリリングなギター・ソロなどをフィーチュアした「緋色のDANCE」、翳りを帯びた「宵闇鳥」、力強くうねるサウンドと抒情的なボーカルのマッチングを活かした「芥川龍之介の河童」などが演奏された。

ライブが始まってすぐに感じたことだが、岸田教団&THE明星ロケッツのファンは驚くほど熱い。曲が始まった瞬間やメンバーが客席にアピールした瞬間、はやぴ〜のギター・ソロになった瞬間などに「うぉーっ!」という大歓声をあげ、ライブを通して拳を振り上げ、随所でシンガロングする様子に圧倒された。これはバンドとファンの間に篤い信頼関係があると同時に、岸田教団&THE明星ロケッツはアニメの主題歌を数多く手がけているため、ファンにアニメフリークが多いことも理由だろう。

彼らは一般的なミュージック・リスナー以上に音楽やライブに対してピュアで、素直なリアクションを見せているようだ。もう一つ、熱狂的に盛りあがっていながら彼らは実にマナーが良くて、決して荒れた雰囲気にならないことも印象的。「良いバンドには、良いお客さんがつく」という言葉を思い出したし、こういうリスナーの前でライブができる岸田教団&THE明星ロケッツは幸せだなと思わずにいられなかった。

「知ってる_魔道書は鈍器にもなるのよ」を聴かせた後、⻑いMCが入った。「うちはメンバー同士仲が良いですけど、岸田はちゃんと人の心があるのかなと思う瞬間が多々あるんですよ(笑)」(ichigo)。「えっ、なにそれ? 俺、超優しいじゃん!」(岸田)。「うん、たしかに優しい......いや、優しいとは違うな。“構わない”に近いよね。たとえば、ishigoが今日は具合が悪いと言っているとします。岸田さんは「大丈夫?」と言うけど、それは優しさというより、“えっ、メンテナンス出したほうが良い?”みたいな気持ちでしょう?」(ichigo)。「だって、そこで大丈夫だろうとは絶対に思わないから。耐用年数的なことを考えると(笑)」「耐用年数って......言い方っ!(笑)」。

「俺、猫の耐用年数は15年くらいと言って、その言い方はおかしいと言われたんだ」(岸田)。「この会話で、大体のことは皆さんに伝わったかなと思います(笑)。こういうリーダーのもとで、我々は10年やって来ましたよ。ただ、お互い様みたいなところも多々あって。岸田が具合悪いと言うと、みんな“ぶひゃっ!”て笑うからね(笑)」(ichogo)。「そうだよ。俺、この間インフルで倒れたんだけど、俺が復帰するまでの5日間くらい誰1人メンバーから連絡が来なかったんですよ」(岸田)。すかさず、はやぴ〜が割って入り「いやいや。以前俺がすごい高熱を出した時に、岸田さんは如実に俺に近づかなかったんです(笑)」と一言。

「他のメンバーは普通に喋っているのに、岸田さんだけは妙に距離を取るという(笑)」(はやぴ〜)。「いや、それは俺が倒れたらヤバいから」(岸田)。「俺が倒れても代わりはいるみたいな言い方はやめてくれない?(笑)」(はやぴ〜)。「10年間こんな感じでやっておりますし、皆さんこんなバンドを見に来てくれて......ありがとうございます(笑)」(ichigo)。

メンバー達の絶妙のやり取りに、客席は多いに沸いていた。飾らないMCを通してメンバー達の素顔に触れられることも、岸田教団&THE明星ロケッツのライブの大きな魅力といえるだろう。続くライブ中盤ではダンサブルな「クリアレイン」や、切迫感を放つ歌中と軽やかにドラマチックなサビ・パートを配した「Literalworld」、変拍子を使ったアレンジが知的な味わいを生む「over planet」などで幅広さを披露。“感情を駆り立てるエモーションを持っている”という芯を一本通したうえで多彩さを見せる楽曲群を聴いていると、彼らの楽曲創りの巧みさを改めて感じる。

1曲ごとに“パシッ、パシッ”と空気を変えて様々な情景を描いていく流れが本当に心地好くて、中だるみなどは一切感じなかった。この辺りもさすがの一言で、岸田教団&THE明星ロケッツのライブは彼らの曲を全く知らない人が観ても楽しめるに違いない。

もう一つ、ライブ中のMCでメンバー達が「岸田教団&THE明星ロケッツは、10年やっているわりに重ねてきた活動の量が少ない」「メンバー同士の繋がりも薄い」ということを話すのを聞いて、なるほどね...と思ったことがある。一般的に、そういう状態のバンドは良いとはいえないが、彼らの場合はそれが良い方向に出ていると思う。現在の岸田教団&THE明星ロケッツは10年目を迎えたバンドならではの安定感や貫禄と、若いバンドのような瑞々しさを併せ持った存在になっているからだ。“この4人で、もう10年超えました...”という倦怠感のようなものは皆無で、今なお可能性を秘めているということには大いにワクワクさせられる。

そんなことを思う中、繊細な歌中からパワフルなサビへと移行するアレンジが見事に決まった「セブンスワールド」や、オーディエンスが一⻫にタオルを振って華やかに盛り上がった「DesireDrive」などを経て、アッパーな「ケモノダンス」からライブは後半へ。スタイリッシュ&パワフルな「ストライク・ザ・ブラッド」や“尖り”を放つサウンドとichigoの艶やかなボーカルをフィーチュアした「Hack&Slash」、ここ最近の彼らに顕著なより洗練感を増したテクスチャーが魅力的なハイテンション・チューンの「天鏡のアルデラミン」などが畳みかけるように演奏された。

フィジカルなステージングを展開しながら爽快感に溢れたサウンドを轟かせて、エンディングに向けてどんどん加速していく岸田教団&THE明星ロケッツと拳を振り上げ、手拍子を打ち、大声でシンガロングするオーディエンス。ステージと客席の双方が発する膨大なエネルギーが交ざりあい、ディファ有明の場内はツアー・ファイナルにふさわしい盛大な盛りあがりを見せた。

場内を一つに纏めた後、ichigoの「みんなのことが大好きだよ。10年分の感謝を込めて歌います」という言葉と共に、本編のラスト・チューンとして「LIVE MY LIFE」をプレイ。激しくいき上げた後に、キャッチーなメロディーを配した煌びやかな世界観のナンバーを聴くのは本当に心地好い。様々な感情を喚起させるライブでオーディエンスを魅了した岸田教団&THE明星ロケッツは、心地好い余韻を残してステージから去っていった。

『懐古厨に花束を(仮)』ツアーのファイナルで、10周年の締め括りにふさわしい充実したライブを披露した岸田教団&THE明星ロケッツ。唯一無二といえる彼らの魅力を堪能できる、非常に観応えのあるライブで楽しめた。さらに、先にも書いたように、彼らが今なお進化し続けているバンドであることは注目といえる。昨年3月にリリースした最新アルバム『LIVE YOUR LIFE』で、さらに音楽性の幅を広げると共に、岸田がリアルなメッセージを発し始めたこともあり、今後の彼らはより多くのファンを獲得していくに違いない。岸田教団&THE明星ロケッツが良い形で11年目のスタートを切ったことを強く感じさせるライブだった。

アンコールは、2月7日にリリースされる彼らの最新シングル「ストレイ」を本邦初公開となるMVを映しながら聴かせるというサプライズから始まった。TVアニメ『博多豚骨ラーメンズ』の主題歌に起用された「ストレイ」は、不良っぽさを振りまきつつ疾走する楽曲のカッコ良さに加えて、メンバーが博多の街に巣食うヤバい人達に扮したMVも注目といえる。曲中の随所で、客席から「おおっ?」というどよめきや「うぉーっ」という歓声があがることが印象的だった。

「ストレイ」に続けて、アーバンな味わいの「GATE 〜それは暁のように〜」をパワフルに聴かせた後、ライブを締める言葉を求められた岸田が「10年経ってみて、言いたいことも沢山ありますけど、めんどクサいので......ありがとう」とコメント。インタビューやライブ中のMCなどで多弁な岸田が多くを語らないことで、逆に彼の内側にある様々な想いが伝わってきた。そんな岸田の言葉に温かみのある拍手と歓声が起こる中、ライブの締め括りとして「星空ロジック」をプレイ。

ステージ上を行き来して、笑顔を浮かべながら演奏するメンバー達の姿にオーディエンスは大合唱で応え、感動的な空気に包まれてライブは幕を降ろした。

レポート: 村上孝之 撮影:KUMAGAI YOSHITOMO

セットリスト情報
2018.1.20(Sat) 『10thAnniversary Tour 2017〜2018〜懐古厨に花束を〜(仮)』
ディファ有明

1. 明星ロケット
2. SuperSonicSpeedStar
3. 緋色の DANCE
4. 宵闇鳥
5. 芥川龍之介の河童
6 .知ってる_ 魔道書は鈍器にもなるのよ
7. ただ凛として
8. クリアレイン
9. 暁を映して
10. literalworld
11. HIGHSCHOOL OF THE DEAD
12. over planet
13. POPSENSE
14. セブンスワール15. 11月
16. Desire Drive
17. ケモノノダンス
18. ストライク・ザ・ブラッド
19. Hack&Slash
20. 天鏡のアルデラミン
21. LIVE MY LIFE
<Encore>

En1. ストレイ
En2. GATE 〜それは暁のように〜
En3. 星空ロジック