壮一帆がメイド姿に!? 歌って踊って早替えまで ~玉野和紀振付のショー・ミュージカル『GEM CLUBⅡ』出演

2018.3.30
インタビュー
舞台

『GEM CLUBⅡ』出演の壮一帆(撮影/石橋法子)

元宝塚歌劇団雪組トップスターで、現在女優として活躍する壮一帆が舞台『GEM CLUBⅡ』に出演する。エネルギッシュなダンス・エンタテインメント「CLUB SEVEN」シリーズのDNAを受け継ぐ、新感覚のショー・ミュージカルだ。作・演出・振付を手掛けるタップの名手、玉野和紀との初タッグで久々にダンサーぶりを発揮する。2018年1月公演『戯伝写楽 2018』で絢爛な花魁姿を披露したばかりの壮一帆に、作品への意気込みを聞いた。

「J-POPから玉野和紀さんとのタップまで、様々な色でお観せしたい!」

ーー2014年の退団以降、舞台での出演作が目白押しです。今春は久々にショーへの出演が決定しました。

久しぶりのショーなので、出演できるというだけで楽しみですね。いくつか頂いた曲もワクワクするような選曲ばかり。台本を読んで役について考えるお芝居も好きですが、ショーは何も考えず素直に歌って踊れるのが良いですね。スチール撮影の現場では玉野さんに「何でもやります!」と宣言したら、「言ったよね?」と念を押されました(笑)。

ーー(笑)。ショーには“自分を出す楽しさ”がありそうです。

ありますね。発散するタイプの踊りも好きですし、宝塚時代は統一感のある群舞とか、神経を張り巡らせて一糸乱れずに踊るという感じも好きでした。ただ、いまの自分の体力がどれくらいあるのかが分からなくて。退団してから体重が増えたのですが、玉野さんにはいまの体型が普通だよと言われます。でも、身体はどうしても現役時代の感覚を覚えている。踊ると「重いな」と感じるんです。ですから今は、少し体を絞って挑みたいと思っています。何より、大先輩である玉野さんのダンスにかける熱量がすごいので、身体が動かないとか言っている場合ではないなと。そしてなんと今回は、恐れ多くも玉野さんとタップでデュエットさせていただきます。一応筋トレはこれまで欠かさず続けてきたので、先日の振付稽古でも筋肉痛にならずにすみました。

壮一帆

ーー玉野さんとのデュエットは見所のひとつですね。

先日まで日本物の芝居『戯伝写楽 2018』で花魁を演じていましたので、今は重心が落ちきっている。まずはそこを引き上げて、ショーの感覚を取り戻さないとダメだなと思っています。ただ私は本当にタップがダメなんです。玉野さんにも苦手だとお伝えしたのですが、稽古場でちょっとステップを踏んで見せたら「そこまでできるなら、大丈夫!」と言ってくださり…。宝塚音楽学校では卒業と同時に「もう二度とやらない!」とシューズを捨てたぐらい苦手意識が強いんです(苦笑)。

ーー音楽学校以来のタップですか?

もちろん、現役のときにもタップ公演はありました。『ME AND MY GIRL』のジャッキー役や、『ON THE 5th』というショー作品など。その時は泣く泣くシューズを買い直しました。その後、退団と同時に「もういいでしょ」とまたシューズを捨てたんですが、オーディションでタップがあると聞いて、また泣く泣く買ったという…(笑)。

壮一帆

ーー(笑)。本作はショー・ミュージカルということで、1部がショーハウスの若い原石(=GEM)たちが切磋琢磨する芝居もの、2部が完全なるショーという構成です。

私はショーハウスのオーナー役なので、基本的にダンスは若手中心になるはずなのですが。先日の稽古で、終盤の群舞の振付を稽古があったのですが、ほんの数分のシーンにも関わらず、口から心臓が飛び出るんじゃないかと思うくらいハードでした。でも踊り込んでいくと、肺や心臓が慣れていくんですね。男性陣にも負けずに頑張りたいです(笑)。1部ではオーナー役以外にもメイド役があるらしく、早替えとかも結構するんじゃないかな。2部ではメドレーもあると聞いています。楽曲もこれぞミュージカルというナンバーからJーPOP、アニメソングまで。私としても、色んなことに挑戦させていただけるので、場面ごとに歌も踊りも様々な色でお観せできればと思います。

ーー玉野作品の印象についてはいかがでしょう。

実は残念ながら、まだ生の舞台を拝見したことがないのです。ただ、お話しさせていただいて印象的だったのが、いまの日本の演劇界はどうしてもお芝居が中心で、ショーのみの公演を打つことが厳しい状況にあるのだと。それだけに、「僕が踊れる限りは、ショー・スタイルの公演を継続させていきたい」と仰っていて。宝塚ではショー作品のリーピーターの方がいらっしゃるほど需要があったので、そのお話は少し意外でした。私もショーは好きなので、興味深いお話でしたね。ディナーショーの時はその構成も自分で考えるので、玉野さんの選曲や考え方は刺激になります。

壮一帆

「弱い自分に打ち勝つことで人間性を高め、より舞台の上で輝ける自分でありたい」

ーー男性9名、女性3名のほとんどが初共演という座組です。

そうなんですよ。三森すずこさんと新垣里沙さんはダブルキャストなので、本番では女性キャストが2名だけ。稽古場では私がお母さんみたいな立ち位置になるのかな。「みんな、ご飯食べや~」みたいな。もちろん、みなさんが姫として祭り上げてくださるのなら、姫にもなりますけど、絶対にないですね(笑)。私はまったく人見知りをしないので、稽古場でも皆さんとどんどんお話ししたいですね。

ーー平常心で相手に接することは、互いへの理解も早そうです。それも、芝居より言葉を使わないショーの方が有効ですか?

そこは一緒だと思います。先日もお仕事でご一緒した大澄賢也さんが仰っていましたが、踊りにはそのひとの人となりが見えると。私は芝居にも同じことを感じます。普通にお話している以上に、お芝居にはその方の人となりが見えるものだな、といつも思うので。今回はお芝居や踊りといった表現を通して、新しくお会いする方たちとの交流を楽しみたいと思います。

壮一帆

ーー中には、共演経験のある方もいるそうですね。

木戸邑弥さんは、私のディナーショーにも出演していただいたことがあります。また、東山光明さんは、お兄さんの東山義久さんと何度か共演させていただいていて、顔見知りです。弟の光明さんはシンガー、義久さんはパフォーマーなので、筋肉のつき方が違いますよね。今回は光明さんも踊られるので、ダンスのお稽古を頑張っていますよ。お兄さんの義久さんとは、先日の舞台『戯伝写楽 2018』でもご一緒させて頂きました。その時、弟の光明さんが踊っている稽古動画を見せると、「最悪やな~」と愛のあるコメントで返してくれました。一方の光明さんは、稽古場で「スニーカーは兄貴に借りました」と話していて、可愛いかったですね(笑)。

ーー魅力的な共演者を得て、壮さんの新たな一面にも期待が高まります。

宝塚時代とは全然違いますので、歌も踊りも男役からシフトチェンジしているところです。足は閉じて肘も張らず、上体をきゅっと捻るとか。どうしても気持ちよく踊るとまだ男前な部分が出てくるので。ディナーショーでも、男性とご一緒しているにも関わらず、リハーサルの映像を見て「私が一番男っぽいかもしれない…」と愕然としました(笑)。

ーー最後に、壮さんが舞台に立たれる時の心構えを教えてください。

常に新しいことに挑戦する。毎回自分の中で掴むべきゴールみたいなものを掲げています。先日の舞台『戯伝写楽 2018』では「女の業とは何か」という、究極の女性像を掴むことをゴールに掲げました。今回も挑戦するべきことが絶対にあると思います。また、年齢や性別を問わずみんながライバルですが、それ以上に自分に負けたくないですね。

壮一帆

ーーライバルは自分だと。

人間なので、どうしても弱い自分に負けそうな時がある。振付も時間が経つと覚えられなくなりますし、稽古場では「がんばれよ!」と自分に叱咤激励しながらやっています。さすがに声に出すことはありませんが、すごい形相にはなっているかもしれません(笑)。そこで自分に打ち勝つことで、人間としての器を広げ、人間性に磨きをかけたい。それは舞台を作っていく過程で、いつも思うことですね。常に自分を磨く。その結果、舞台の上でより輝くことができるのかなと思います。

取材・文・撮影=石橋法子
 

公演情報

SHOW HOUSE『GEM CLUBⅡ』 
■作・演出・振付:玉野和紀
■出演:玉野和紀/中河内雅貴、東山光明/木戸邑弥、多和田秀弥、本田礼生、松田 岳、古田一紀/三森すずこ・新垣里沙(Wキャスト)/原田優一/壮 一帆

<東京公演>
2018年3月24日(土)~4月5日(木)
■会場:シアタークリエ
 
<大阪公演>
2018年4月14日(土)、15日(日)
■会場: サンケイホールブリーゼ
 
<愛知公演>
2018年4月18日(水)
■会場:日本特殊陶業市民会館
 
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