後世に残したい名作ゲーム第10回 ファンシーな見た目に隠されたシリアスストーリーと戦略性が魅力なSTG「ファンタジーゾーン」

2015.10.13
コラム
アニメ/ゲーム

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STG全盛の80年代に誕生した人気STG「ファンタジーゾーン」

 時代がたっても色あせないゲームを紹介する当コラムも今回で10回目となりました。今後も自分が思う名作ゲームが尽きぬ限り名作ゲームを紹介し続けていこうと思いますので、よろしくおねがいします。

 少し話が逸れましたが、今回紹介するのはSEGAが発売した「ファンタジーゾーン」です。本作は1986年にアーケード用ゲームとして登場した横スクロールSTGです。任意方向へのスクロールや買い物による自機の強化、カラフルで幻想的な世界観などが話題となり、セガ・マークⅢ・MSX・ファミリーコンピューター・PCエンジン、その他多数のハードで移植された人気作です。現在それらの移植作と本作の続編を含めて収録された「セガエイジス2500シリーズVol.33ファンタジーゾーン コンプリートコレクション」が現在PS2アーカイブスにて配信中ですので、これからファンタジーゾーンを始めたい方にはこれがオススメです。

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 そんな多数のハードで遊べるファンタジーゾーンですが、その中で今回は私が子供の頃から慣れ親しんでいるファミリーコンピューター版のファンタジーゾーンを紹介します。

任意スクロールで自由度の高いSTG

 本作は左右に任意でスクロールできるフィールドを飛び回り、フィールド上に存在する前線基地と呼ばれる特定の敵を全員倒すとボスが登場し、そのボスを倒すとステージクリアとなります。自動スクロールで一番奥にいるボスを倒すとステージクリアというシステムが多い横スクロールSTGの中では珍しい任意スクロール式を採用しており、自由な飛行が可能となっています。

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 なのですが、自分は止まりながら前後から来る敵に集中できる普通のSTGと比べると、本作は自分で動く分敵と自分がお互い近づいてくることになる任意スクロールの本作は普通のSTG以上に周囲に気を配る必要があります。また、スクロール開始地点がかなり前なこともこの点に拍車をかけており、前進している時に目の前に敵が出現すると回避が間に合わないことが多々あります。また、本作の敵配置はかなり絶妙で、前線基地を倒そうと向かった先に敵がいたり、思わぬところから敵が弾を放ってくるなど、かなり殺意が感じられるステージ構成となっています。また、ボスもなかなか強敵揃いなため苦戦を強いられることでしょう。

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敵から入手したお金でパワーアップするRPG風のシステム

 このように、本作はかなり難易度が高いですが、本作の特徴である敵を倒した際に入手したお金を使いショップで自機を強化することを活用すれば難易度がかなり緩和されます。というより、初期装備では貧弱すぎてまともに戦えないため、これをうまく使うこと前提のバランスになっていると思われます。

 ショップで売っているものは移動速度アップアイテムやメインショット強化、ボムのパワーアップ、残機アップとさまざまです。メインショットの威力を上げて一気に前線基地の破壊を目指すか、ショットの攻撃範囲を広げて道中の安全を高めるかなど、プレイスタイルに合わせて選択できます。ただし、アイテムは購入するごとに高くなっていくので、同じアイテムを使い続けると資金繰りが厳しくなります。ステージに合わせて違う武器を選択していきましょう。

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 ショップで買える装備はどれも強力なのですが、メインショットは時間制限があるため、基本的に前線基地破壊の時にしか使えません。また、時間もそれほど長くないので、購入したらなるべく速やかにステージを攻略するといいでしょう。特に後半ステージは敵の攻撃が激しいので、初期装備で長く戦うのは危険です。一方、ボムは使用回数制限こそありますが、時間でなくなったりはしないので、ボスに持ち込むことが可能です。なので、如何にボムを温存したままボスに辿り着くか、またどのボムがボスに有効かといったことが本作の攻略では重要になります。

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カラフルでファンタジーな世界に隠されたシリアスなシナリオ

 本作はカラフルでファンタジーな世界を舞台にしており、自機や敵を含めてかわいく癒される見た目をしているものが多いです。後にSEGAのMMORPG「ファンタシースターオンライン」に本作の自機であるオパオパが出演していることから、その人気の高さがうかがえます。ただ、ボスキャラクターはシンプルなフォルムながら、不気味なデザインをしているものも多いですね。FC版の場合、綺麗な前線基地ステージから背景一色に変わる演出、おどろおどろしいBGMも相まってちょっと怖いです。

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 そんな本作のストーリーをここで紹介します。

遥か昔、宇宙のかなたでの物語……。
B・G1422年、惑星間の公式通貨が乱れ、全惑星がパニックに陥るという事件が起こった。宇宙協会の公式調査により、何者かがメノン星人を操り外貨を奪わせ、それを資金として、「ファンタジーゾーン」に巨大要塞を建造中であることがわかった。
正体不明の敵の陰謀を打ち砕くため、戦士「オパオパ」に指令が下る。迫り来る敵からファンタジーゾーンの平和を守るため、オパオパは飛び立った!(セガ3D復刻プロジェクト ファンタジーゾーン公式サイト引用)

 このように、ゲーム本編のイメージとはかけ離れたファンタジーというよりはどこかSFチックな重厚なストーリーが存在します。また、その事件の影には悲しき真実が。その衝撃のラストは必見です。……と偉そうに言いましたが、実は私は人がクリアしたところを見ただけで、自力でエンディングにたどり着いたことが無いので、精進します。

 本作のそのSEGAらしい独特な世界観や、自由度の高い戦略性の高いゲームシステムは今作独自のものです。STGとしてはかなり難易度が高いため、誰にでもオススメできるという作品ではないですが、その難しさが心地よいと感じるようなヘビーゲーマーの方はぜひプレイしてみてほしいです。私も今回の記事を書く上でいろいろ調べた際に、上記のコンプリートコレクションの存在を知ったので、ファミコン版以外のバージョンや続編も合わせてプレイし、自力でクリアを目指します。

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