オリオンらしく優雅で華やかに 『Live Musical「SHOW BY ROCK!!」〜THE FES 2018〜』より、アルカレアファクトのメンバー田中涼星が登場!
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田中涼星
ミューモンと呼ばれる音楽生命体たちが人生の糧であり武器である“音楽”でぶつかりあう『Live Musical「SHOW BY ROCK!!」』。そのライヴステージ、『Live Musical「SHOW BY ROCK!!」〜THE FES 2018〜』が6月26・27日、Zepp DiverCity(TOKYO)にて開催されることが決定した。6バンドの対バンで行なわれる本番に向けてのビジュアル撮影が行なわれる中、アルカレアファクトのオリオン役・田中涼星が個別インタビューに応じてくれた。
「僕ら全員、音楽にガチで命をかけてます!」田中涼星
田中涼星
ーーオリオン、FESに向け華麗に帰ってきました。
田中:ありがとうございます。ヴァイオリンを弾く超お金持ちのキャラクターと言うことで最初は「おっ、確実に自分と近くはないな」というところからの出会いでしたが(笑)、ごく普通に育ってきた身として、演じるのがとても楽しみなキャラクターだなって思いました。ヴァイオリンもそれまで触ったことがなかったんですが、アルカレアファクトはプロのバンドですからね、やっぱり演奏姿も大事だなって思って、まずはそこから……カタチから、ではないですけど、この作品に関してはまずはオリオンの側(ガワ)をちゃんとつくって、そこから中身を詰めて行こうという順序で役にアプローチしていきました。
ーープレーヤーとしての成熟度に注目したんですね。
田中:最初はもう必死に練習して……イメージはやっぱり情熱大陸的な(笑)。あれだけ豊かな感情を演奏にのせているパフォーマンスってやっぱりすごいなって思って、そういう演奏者の方々の動画を見たりするところから始まって、家でもずっと自主練してました。それで“らしい動き”ができるようになったところでさらに、じゃあオリオンだったらどういう動きがいいんだろう、やっぱり優雅にやりたいよなってポイントを絞って。最終的には自分なりに役としての動きが掴めてくるにつれて、役の心情もより感じられるようになっていきましたね。オリオンはお坊ちゃんなのでわがままというか、お金持ちだからこそ世間知らずだったり独特の考え方をしたりするんですが、自分はそこが逆に個性的で可愛らしいな、魅力的だなと思ってます。
田中涼星
ーーチームの一体感はどのように?
田中:最初のお披露目のライヴのときは、まず僕らのチームとそれぞれのキャラクターをよりわかりやすくお客様にお伝えすることを心がけました。稽古場で生まれて来るモノを大事にしたかったので、4人で話す機会をたくさん作ったのを覚えてます。すでに先輩たちがとても自由に作品の世界観の中で遊んでいたので、途中から参加した僕らにとってもすごくやりやすい環境でした。続くLive Musical公演では、ドラマとしてももっと深く自分たちのことを掘り下げていきたくて、さらに話し合いの時間も増えましたね。オモシロじゃないですけど、4人の関係や個性の幅をちょっとでも広げられるところを……と模索して。やっぱりそういうところがないと自分たちは“普通のバンド”っていう印象で終わってしまう怖さもありましたし。あれだけ個性の強いバンドが揃う中、超お金持ちバンドとして君臨するためにはいい意味でのわがままさを出していくことが、アルカレが全体の中で際立つポイントだよねって目標を定め、今ではこの4人、役者同士としてもバンド仲間としても、すっごく仲良くなってます。なにごとも素直に言いあえる環境づくりができたのは大きかったですね。
ーーメンバー同士、確信を持ってパフォーマンスに臨むことができたんですね。
田中:ほんと、前回公演も皆さん盛り上がってくれたなぁ〜。通常のお芝居だとなかなかあそこまで客席が盛り上がるっていうのは難しいですけど、ライヴのスタイルだとそこで一緒に楽しんでいける。嬉しかったのが、僕が弓をこう……上げたときに、客席のみなさんもペンライトを一緒に上げてくれた瞬間。「うわぁっ、今これ、ライヴしてるんだなぁ」っていう実感が……。もちろんやってるのはライヴなんですけど、自分はあくまでもキャラクターとして演奏してるわけで。でもね、そこの垣根みたいなモノを一個超えられた気持ちっていうのかな。「あ、これが生のライヴなんだ! やっぱいいな〜、素敵だなぁ」って思いが込み上げて来て。あと個人個人にスポットを当てる場面があって、そこでも音楽と自分たちの感覚がマッチしたとき、気持ちいいんですよ。「今自分にピンスポットが当たる中、ヴァイオリンの音が響いてる……」とか、ピアノのイントロが始まったときとか、“会場が演奏をじっと聴く瞬間”っていうのがたまらないです。僕らのバンドは楽曲もとにかくよくて。勇気を与えてくれるような歌詞が……誰もが通って来る道に対する言葉が多くて聴いている方も共感しやすいですし、メロディーもピアノとヴァイオリンが引っ張って、ベースとドラムがそこをしっかり支えて、というバランスも絶妙。個人的には一番、幅広い層の方に親しんでもらいやすいテイストなんじゃないかなって思ってます。
田中涼星
ーーハードに攻めるのではなく、優雅でシュッとしたルックスも同様で。
田中:そうですね。みんなガンガンに演奏している中、僕らは優雅にクルッと回ったり、衣裳をふわっとさせたりしてますし、黄金のイメージで華やかさを放てるビジュアル。そして、ちゃんと熱い。アルカレはもともと好き勝手に演奏している4人がたまたまマッチしている、みたいなバンドなんですけど、たまたま生まれたモノがスゴく良かったって最高ですよね! 演奏しているとみんなの情熱を感じるし、例えばドラムの広大ががむしゃらに叩いてる姿を近くで見るとめちゃめちゃパッションを感じ、自分自身も「今生きてる!」みたいな気持ちになるんです(笑)。そして、それこそが僕らが皆さんに届けなきゃいけないこと、なんですよね。自分たちが生み出すエネルギーは自分たちの内に作用するだけじゃなく、客席に向けてどんどん放出し、そこにいる皆が同じ気持ちで楽しまなくちゃ!
ーーその精神、「SHOW BY ROCK!!」の世界に存在するミューモンたちの生き様そのものじゃないですか!
田中:音楽に命をかけてる。すべてのバンドがそういう気持ちでやってます。ここにはいろんなテイストのサウンドがあって、シンガンクリムゾンズだったらガンガン盛り上がるし、トライクロニカだったらアイドルのコールみたいなこともできますし、アルカレはじっくり歌詞の世界を味わって欲しいな……とかね。この世界観、なかなか他に見ない感じですよね。ここまで音楽というモノを中心につくられた世界、その中にいるのはすごく気持ちがいいです。それに僕ら、ただ演奏してるんじゃなくて戦ってるんですよね、ガチで人生かけて音楽をやってる同士、どのチームが一番盛り上がるか。常に命がけの対バンです。
ーー稽古場から「ガチ」だという噂は聞いています。
田中:みんな相当ガチ(笑)。音楽を担当してくださる楠瀬(タクヤ)さんも、「今日はどのチームが一番盛り上がったか」って毎回ジャッジしてくれるんですけど、それで一位になれないとものすごく悔しくて。で、どのバンドも「今日は俺たちが一番盛り上げてやる」って、稽古から戦っているわけです。そこでは先輩に対しても遠慮しません。むしろ「蹴落としてやりますよ」って気持ちになれる。そこがこのカンパニーの面白いところでもありますね。
田中涼星
ーーFES本番でのバトルも楽しみです。
田中:こうなったらステージの上と客席、どっちが楽しめるかの勝負ですよ(笑)。もう壊れるくらいめちゃめちゃに盛り上がりたいですね〜。ホントは僕もシンガンみたいに「かかってこいよーー!」とかやりたいんですけど(笑)、その熱い思いは弓の動きに乗せ、あくまでも華麗にお届けいたします。やっぱりアルカレにいるとパフォーマンスもおしゃれになってしまうな(笑)。今回も4人揃って自分たちの色を出してしっかり戦い……2DAYS、すべてのトップを取りたい。そして皆さんが僕らの音楽を好きになり、笑顔で帰っていただけたら僕も幸せです。できれば黄金アーティファクトになって帰っていただくのが一番、ですけどね(笑)。
田中涼星
取材・文=横澤由香 撮影=福岡諒祠
(C)2012, 2018 SANRIO CO., LTD. SHOWBYROCK!! 製作委員会♯
公演情報
ストーリー原案:待田堂子
脚本・演出:斎藤栄作
作詞:三ツ矢雄二
音楽:楠瀬タクヤ
主催:SHOW BY ROCK!! MUSICAL 製作委員会