辻井伸行、三浦文彰らがアークヒルズの秋をクラシックで彩る『サントリーホール ARKクラシックス』記者発表会
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(左から)市本徹雄、三浦文彰、辻井伸行、中島浩之
東京・六本木アークヒルズのサントリーホールやカラヤン広場を中心に、近隣ビルやホテルのロビー、美術館、大使館、教会、レストランなど様々な場所でコンサートやイベントを開催する「ARK Hills Music Week」が、2018年10月5日(金)~13日(土)に開催される。今年で8回目を迎えたこの企画は、アークヒルズ界隈に住む人、働く人を中心にこの場所に集う人々が音楽を通してコミュニティを醸成し、街への愛着を深めることを目指した、いわば“まちの音楽祭”だ。
「ARK Hills Music Week」の中でも特に注目される目玉企画は、10月5日(金)から8日(月・祝)まで、サントリーホール 大ホール&ブルーローズ(小ホール)にて開催される、『サントリーホール ARKクラシックス』。この記者発表会が5月14日(月)に行われ、この企画のアーティスティック・リーダーを務めるピアニストの辻井伸行とヴァイオリニストの三浦文彰が、サントリーホール総支配人の市本徹雄、エイベックス・クラシックス・インターナショナル株式会社代表取締役社長の中島浩之と共に登壇した。
市本と中島から本企画の主旨や開催期間、さらには辻井、三浦と共に今年のメインアーティストとなるヴィオラ奏者のユーリ・バシュメット、弦楽アンサンブルのモスクワ・ソロイスツ、ピアニストのヴィキングル・オラフソンが紹介された後、三浦と辻井から挨拶がなされた。
三浦文彰
三浦は、自身が10年前くらいからヨーロッパで室内楽を演奏する機会が増えてきたことに触れ「日本ではあまり浸透していない室内楽をもっと広めていきたい。こういう室内楽のフェスティバルができたら、と考えていました。室内楽をやる仲間も増え、昨年辻井さんとも出会い、改めて室内楽をやりたいという気持ちを、中島社長に伝えたところ今回の企画が実現しました。皆さんでぜひ盛り上げていきたいです」とコメント。
辻井伸行
続いて辻井は「昨年三浦さんと出会ったときに、室内楽の魅力を教えていただきました。僕は普段一人でピアノを演奏することが多く、リサイタル以外ではオーケストラと組んでやることが多かったんです。実際、室内楽はまだあまりやったことがなく、昨年三浦さんと演奏したときはリハーサルで最初戸惑ったりもしましたが、いろいろ教えていただき、オーケストラと合わせるのとはまた違う楽しさがあり、(少人数で)より音で会話ができることのおもしろさを知りました」と述べ、本企画に賛同した旨を語った。
三浦は辻井が「音で会話ができる」と話した事に触れ「どの楽器の演奏者も、どのオーケストラ、またソリストであって『アンサンブル』が音楽の原点であり、周りの音を聴くことが大切なんです」と話す。そして「辻井さんと組んだときも、お互いがどういう方向で音楽をやろうとしているのか、自然に話ができました」と振り返っていた。
三浦文彰、辻井伸行
『サントリーホール ARKクラシックス』のプログラムでは、辻井と三浦が共演する曲がいくつかある。10月6日(土)の「ガラ・コンサート」で演奏する、ブラームスのヴァイオリン・ソナタ第1番《雨の歌》を共演曲として選んだ理由について、三浦は「今年の7月に二人でデュオ・リサイタルツアーをやるんですが、そこで演奏する曲の一つがこの曲。せっかくの機会なのでガラ・コンサートでもやりたいと思ったんです」、また、10月8日(月・祝)の「ホリデーアフタヌーン・コンサート」の中で、ショパンのピアノ協奏曲 第2番を室内楽版として演奏することについては辻井から「僕にとって思い入れ深い曲です。ショパンが若い頃に書いた作品で、同じショパンのピアノ協奏曲で華やかな第1番よりどちらかというと地味というか……第2楽章が非常に繊細で初恋の人に書いたすばらしい楽曲なんです。第3楽章にマズルカが取り入れられていたりして、哀愁漂うショパンのロマンティックな部分が魅力。オーケストラ版とは違う魅力をお客様に伝えたいと思い、選びました」と微笑んでいた。
『サントリーホール ARKクラシックス』の各プログラムは1時間単位で開催されるものも多い。従来のクラシックコンサートでは概ね2時間で途中に休憩をはさむ構成が多いが、その構成が正しいのかどうか、という点からも考えてみたい、という意図もあって今回のプログラムが組まれているという。プログラムの詳細は公式サイトにてご確認いただきたい。
取材・文・撮影=こむらさき
公演情報
サントリーホール ARKクラシックス
ブルーローズ(小ホール)
前夜祭
大ホール
ランチタイム・リサイタル
辻井伸行
サントリーホール ブルーローズ(小ホール)
室内楽コンサート
三浦文彰&フレンズ
大ホール
アフタヌーン・コンサート
ユーリ・バシュメット&モスクワ・ソロイスツ
大ホール
ガラ・コンサート
ブルーローズ(小ホール)
ピアノトリオ・コンサート
川久保賜紀・遠藤真理・三浦友理枝
ブルーローズ(小ホール)
コンテンポラリー・ナイト《フィリップ・グラス》
ヴィキングル・オラフソン
ブルーローズ(小ホール)
ホリデー ランチタイム・コンサート
ザ・ベース・ギャング
ブルーローズ(小ホール)
ホリデー アフタヌーン・コンサート
辻井伸行・三浦文彰&フレンズ
公式サイト:https://www.suntory.co.jp/suntoryhall/schedule/detail/20181006_S_2.html