ルールやマナーではなく、気持ち良い『フジロック』をつくる“OSAHO”

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2018.6.22
撮影=宇宙大使☆スター

撮影=宇宙大使☆スター

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FUJI ROCK FESTIVAL』(以下、フジロック)を主催するSMASHが、ゴミの分別、分煙、椅子やシートの放置、傘使用のNG、これらについて「OSAHO - Festival Etiquette -」と題した2分14秒のアニメーションを公開した。

作法とは、人間生活における対人的な言語動作の法式のことである。しかしなぜ今、フジロックが“お作法”をテーマとしてメッセージを投げかけてくるのだろうか。まず、フジロックのプレスよりリリースされたアナウンスはこうだ。

「“ルール・マナー” でもない、規制でもない。快適で気持ち良いフジロックをつくるのは、参加者ひとりひとりの気持ちが大切。国境を越え、文化を越え、フジロックから始まるあたりまえのエチケットを、あえて< OSAHO >(お作法)と呼び、キャンペーンを展開いたします」

このアクションの背景にあるものは、一体何なのだろうか。



撮影=宇宙大使☆スター

撮影=宇宙大使☆スター

1997年、日本の音楽フェスティバルの元祖とされるフジロックが嵐の天神山で産声をあげたとき、学生時分であった筆者の音楽フェスティバル歴もまたスタートした。あれから22年、遊びと仕事が混在しながらも、海外で暮らした数年と妊娠出産期以外はほぼ継続して参加してきたフジロック。新潟県湯沢町苗場スキー場での開催20年を迎える今夏は、7月27日から29日の3日間にわたって開催される。

現在10代、20代の人たちには当たり前のフェス文化がある昨今だが、日本のフェスの創世記を見てきた世代としては、こうしたアクションがフェスの主催者側から取られることに対して少々過敏に反応してしまうのである。それはきっと、フェスが当たり前ではなかったため、楽園のない時代に戻ってしまうのではと危惧してしまうからだろう。

撮影=宇宙大使☆スター

撮影=宇宙大使☆スター

 

ここ数年、フジロックで問題視されているゴミの放置問題やマナーの低下は場内にいても肌で感じていた。ただ、フジロック期間中、宿泊施設を利用するようになって長いこともあり、キャンプサイト・エリアにおけるゴミ放置問題の深刻な度合いがいまいちピンときていなかった。しかし、昨年のフェスティバル最終日に通りがかったキャンプサイト付近のゴミ集積所での惨状を目の当たりにし、そのショックで言葉を失った。

人間とは、たった3、4日過ごすためだけに、あれほどまでに山積するゴミを生んでしまえる生き物であるということ、しかもそれがフジロックに来場した人たちがしでかしているという事実。それまでフラフラと何も考えずに歩いている時に遭遇する光景としては非常過ぎたし、あまりにショッキングな事実だったので立ち尽くしてしまったというわけだ。

どうしたらこんなにまで酷い状況になるのだろうかと考えていると、今度はまた違う感情が芽生えてきた。良い時間を過ごさせてもらった場所に、その自然の中に、まだ使えるテントや椅子をゴミにしてしまい、物を放置するのは敬意がなさ過ぎだろうと、人間の傲慢さに腹が立って仕方がなかった。

さらに筆者は、当時2歳だった息子の手を握っていた。当然、彼もそのゴミ山をじっと見ていた。大人が作った汚い景色、そんなものを見せたくて、子どもをフジロックに連れてきたわけではなかった。

撮影=宇宙大使☆スター

撮影=宇宙大使☆スター

ゴミの山積問題や椅子やシートの放置などについての議論や問題提起は、今に始まったことではない。これまでのフジロックでも何年か周期で起きてきたことだ。近年急増している外国人来場者数とだけ結びつけるのは短絡的なことで、自己の問題として受け止める時期がまた巡ってきたということなのだろう。

アニメーションの締めの言葉にあるように、「みんなで作るフジロック」という意識を皆が持つことで改善に繋がることは誰もが理解できることだ。しかし、自己責任を謳うフジロックが放つメッセージには啓蒙とも受け取れるものもあり、そこが他のフェスとの大きな違いでもある。初めて来場した場合、たとえ日本語を理解できる人であったとしても、最初からそれらに適応することも、そうした意識を持つこともまた難しいはずだ。

だから、まずは音楽、自然、その他多くのものが取り巻いて形成されているフジロックという独特な巨大空間に足を踏み入れてみて、その空気を肌で感じれば、見えてくるものが必ずある。受け取るメッセージも、回を重ねる毎に増えていくだろう。

特に、「自分が好きだと思う空間は自分で守る」といったことを感じさせ、考えさせられるフェスはそうあるものではない。フジロックを大切にしたいと思う一人として、ゴミ問題やマナー低下についての自己を振り返ってから、今夏もまた苗場に向かうつもりだ。そんな人が増えていけば、フジロックは安泰に継続されてゆくのではないだろうか。

文=早乙女‘dorami’ゆうこ

撮影=宇宙大使☆スター

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撮影=Yasuyuki Kasagi

撮影=Yasuyuki Kasagi

 

イベント情報

FUJI ROCK FESTIVAL'18
期間 : 2018年7月27日(金)、28日(土)、29日(日)
会場 : 新潟県 湯沢町 苗場スキー場
時間 : 9:00 開場 11:00 開演 23:00 終演予定
出演 : 国内外約200アーティスト 後日、順次ご案内いたします
<入場券:一般発売>
1日券¥20,000/2日券¥36,000/3日通し券¥45,000
<その他>
駐車券、キャンプサイト券、ムーンキャラバン・チケット(※ムーンキャラバン・チケットはセット販売となり、イープラスのみの取り扱い)
※チケットの受取方法で「配送」を選択するとリストバンド事前発送などのサービスも。
※保護者同伴の場合、中学生以下無料。
□イープラス
http://eplus.jp/frf(PC・スマートフォン・モバイル)
※コンビニ支払い・受取手数料0円、イープラス限定特典付き
■オフィシャルサイト http://www.fujirockfestival.com

■プレイベント「FUJI ROCK DAYS」東京・名古屋・大阪で開催決定!
最新情報のチェックから、情報交換の場としても最適なプレイベント「FUJI ROCK DAYS」が3都市(東京、名古屋、大阪)で開催される。各地、特設ブースでは対面式でのチケット販売が行われ、ちょっとした疑問や不安なことなどを気軽に質問できる他、大抽選会では豪華商品(苗場プリンス宿泊券、ツアーバス乗車券、アウトドアグッズ)などの大当たりの商品から超レアなグッズなどがハズレ無しで当たる。
【FUJI ROCK DAYS〜名古屋】
開催日時:6/23(土)13:00〜20:00
開催場所:TOWERRECORDS名古屋パルコ店店頭
【FUJI ROCK DAYS〜東京/TOWERRECORDS渋谷店】
開催日時:6/30(土)7/1(日)11:00〜20:00
開催場所:TOWERRECORDS渋谷店1F正面入り口前
【FUJI ROCK DAYS〜東京/池袋P’PARCO】
開催日時:6/30(土)7/1(日)11:00〜20:00
開催場所:池袋P’PARCO正面玄関「特設ブース」
【FUJI ROCK DAYS〜大阪】
開催日時・場所:
7/7(土)14:00〜20:00TOWERRECORDS梅田大阪マルビル店店頭
7/8(日)13:00〜19:00TOWERRECORDS難波店店頭
詳細はオフィシャルサイト(http://www.fujirockfestival.com)にてご確認を。
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