w-inds.が放つ “究極のポップス・アルバム” — 最新作『100』で幕を開ける熱い夏

2018.7.3
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2001年のデビューシングル「Forever Memories」以降、歌、トラック、ダンス……、そのすべてを絶えず変化させ、観るものの聴覚と視覚を刺激し続けるw-inds.。作品の斬新さはもちろん、Spotifyをはじめとする音楽ストリーミングサービスとの連携や、グループとして初めて主催する ダンス&ボーカルグループを軸としたフェスの開催など、幅広いフィールドで新感覚のエンターテイメントを発信している。もはや“ダンスボーカルユニット”というカテゴリを超越した彼らが、メンバーの橘慶太が全曲をプロデュースした、「POPSという名の"ノンジャンル"」を掲げる13作目のアルバム 『100』を完成させた。このリリースを皮切りに、主催フェスから単独ツアーまでを駆け抜ける3人に、アルバムの収録曲の裏側から今夏の展望までを、じっくりと語ってもらった。

ーー慶太さんがプロデュースされた全12曲が収められたアルバム 『100』 。どういったテーマをもとに制作されたのでしょうか?

慶太 : 3人の年齢を足した"100"というタイトルなのもあって、僕たちの歴史である「ポップス」に重きを置こうということで、キャッチーなメロディーを意識して作りました。あとは特定のジャンルにとらわれず、アルバム全体を通して「ジャンルレス」でいきたいなと思っていましたね。

ーーこのアルバムでは、メインボーカルの慶太さんはもちろん、涼平さんと龍一さんの歌唱パートにもこれまで以上のバリエーションを感じました。

涼平 : そうですね。「楽曲によって発声を変えてみよう」とか、ディレクションしてくれる慶太と詰めながらレコーディングしていきました。あと挑戦としては、今回全英詞の曲も入ってます。

龍一 : 「Celebration」と「We Gotta Go」は全英詞で、「We Gotta Go」では3人とも歌とラップをするという新しい試みがありました。

ーー 全英詞の楽曲は、どのように作詞を進めていったのですか?

慶太 : 僕が一緒に曲作りをしているChicaちゃんという、英語で歌詞を書けるシンガーソングライターの子に協力してもらいました。僕からテーマを伝えてから英詞とその日本語訳を書いてもらって、ここはもっとこういうニュアンスのほうががいいね、とかいうやりとりをしながら作っていった感じです。

ーーこのトラックには英詞を乗せようと思う決め手は何なんでしょうか。

慶太 : マニアックな話になるんですけど、いま海外の音楽はサブスクリプション(音楽ストリーミングサービス)に重点を置いて、どんどん音数が少なくなってるんですよ。その理由は、サブスクリプションにはラウドネスリミッターという音圧規制があるからなんです。音を詰めすぎると音圧を抑えられてしまうんですけど、逆に音数を減らせば減らすほど音が大きく聴こえるようになってるんですね。そう考えると、このアルバムのトラックの中でも「Celebration」 や 「We Gotta Go」は音数が少なめなので、サブスクリプションでの聴こえかたも良いだろうと。そして、サブスクリプションで僕らの曲が日本の次に多く聴かれているのはアメリカだというデータがあったので、これらの楽曲は英詞にしました。

ーー英詞ならではなのかもしれませんが、「We Gotta Go」は今までのw-inds.には少なかったプレイボーイ目線な歌詞で驚きました。

龍一 : デビュー曲 「Forever Memories」 では純愛を歌ってたのに、そこからは考えられないチャラさだよね。俺のラップパートの始まりは「Can I ask you where you from? And what's your most favorite song? (どこから来たの?いちばん好きな曲は何?)」なんだけど、めっちゃナンパしてんじゃん、って(笑)

ーー慶太さんのパートでは 「I bet your mama look good too (君のママも可愛いんだろうね)」とか、けっこうすごいこと言ってますよ!

涼平 : たしかに(爆笑)

龍一 : 俺もそこは、「うおー!」と思った!

慶太 : 日本語のままではなかなか歌詞にできないフレーズですよね。

 
ーー 英語の抑揚や発音などは、難しかったですか?

涼平 : かなり難しかったです。この曲の最後のフレーズの「Don't hesitate (ためらわないで)」が特に苦戦しました。「hesitate」が言えなくて……、「まず、なんて読むの?」みたいな。ここをずーっと繰り返し録ってました。

龍一 : この曲、慶太も「この歌詞乗りにくいから言葉変えよう」とかいろいろ試行錯誤してたね。

慶太 : 普段使わない言葉があったり、ノリも難しかったしね。

ーー 「Stay Gold」には、17年間キャリアを積んだw-inds.や、詞を書かれた慶太さんの意志が反映されているのかな、と思ったのですが、実際どうなんでしょうか?

慶太 : そうですね。僕はいつも歌詞の元となるストーリーをイメージして、ドラマの脚本を書くように歌詞を書くことが多いので、"Stay Gold"には最初、恋愛の歌詞をつけていたんです。すると制作チームのかたが「恋愛よりもっと深みのある歌も聴きたい」とおっしゃって。僕も恋愛の歌詞を書きながらすこし違和感があったので、じぶんの気持ちや考え、生きかたを書いた歌詞にシフトしたら、それがすごくハマりました。

ーー この曲における 「Stay Gold」 という言葉には、どういった意味をもたせていますか?

涼平 : 輝き続けて?

慶太 : そうだね、それもある。あと僕は、人は誰もが何もしなくても最初から輝いているはずなのに、他の誰かに気を遣ったり、いろんなしがらみの中で自ら輝きを失わせてるような気がするんです。だから「ありのままでいいんじゃない?」というメッセージを込めています。

龍一 : スーパーポジティブだな。それを踏まえてもう1回聴きたい。

ーー なるほど。この曲は特に、龍一さんのパートのキーが高いですね。

慶太 : そうそう。「ファルセット(裏声)に逃げる?地声でいけそうだよね?」って相談しながら、頑張ったよね。

龍一 : レコーディングブースであんな大声出したことないっすよ。何度も諦めかけたけど、なんとかなりました(笑)

ーー 「Stay Gold」に続く「The Love」も、ずっと聴いていたくなる心地いい浮遊感です。

涼平 : アルバムでいちばん最初に作ったのが「The Love」だったので、「今回のアルバムはけっこう攻めた音楽性でいくのかな」と思っていました。当初、この曲でミュージックビデオを撮ってリードトラックにしようという話もありましたね。

ーーでは、当初の予定を変更してまでリードトラックを 「Temporary」 にしたのはなぜですか?

慶太 : 「The Love」はジャンルでいうとアンビエントR&Bで、世界的にはオントレンドだし、最初はこういう方向性でアルバム全体を作ろうと思ってたんですが、途中で方向転換しました。なぜかというと、海外のリスナーは「The Love」みたいな曲調でも、刻んでるハイハットを聴いて“のれる曲”と捉えると思うんですけど、日本のリスナーにはその感覚があまりないので「まったりした曲だなぁ」という印象になっちゃうんです。こっちのテイストにアルバム全体を振り切っても、日本の音楽シーンでは受け入れられないだろう、と。そこで、逆に日本らしい「奥ゆかしさ」「美しさ」を意識したメロディーと歌詞で、曲の展開もわかりやすくサビでバーンと広がるような、日本のリスナー好みの曲を作ろう!といって生まれたのが「Temporary」です。

涼平 : 最先端の音楽を追いかけてると、とことん突き詰めたくなると思うんですけど、ちゃんと日本のリスナーの感覚も落とし込める慶太は、客観視できてすごいなと思いますね。

ーー 歌詞に描かれているような切ない恋模様は、たしかに日本人の大好物だと思います。

慶太 : 「俺、アイツのこと好きになっちゃったのかなぁ?」とかいって浸るの好きですよね(笑)。

涼平 : わかる。浸るの好きだよね。

龍一 : 俺も浸っちゃうかもな〜。ひとときの恋を花火に例えちゃうところとか、しかも「花火のようなもんさ」という言い回しだし、可愛いよね。キュンキュンする!

ーー キャッチーなアップチューン"「Drive All Night」は、慶太さんのストックとして温められていた曲だそうですね。

慶太 : 1年くらい前、"Time Has Gone"を作った時期に作っていたんです。しばらくしてからアルバムに入れられる曲を探しているときに改めてこの曲を聴いてみたら、すごくカッコ良かったので、みんなに提案しました。基本楽器はぜんぶ僕が弾いてるんですけど、ベースは打ち込みなんです。

龍一 : 実際にベーシストが弾いてるように聴こえるでしょ? まじで変態だよ、慶太(笑)。

ーーす、すごい……。この曲はライブでの盛り上がりが楽しみですね。この夏はアルバムのリリースに、ご自身で初めて主催されるフェスに、ライブツアーと大忙しです。

慶太 : そうですね。ツアーに限定して話すと、今年の公演を観に来るひとたちは、1曲目から「あれ?w-inds.のライブに来たはずなんだけどな?」と、びっくりするんじゃないかな。同時に「音楽はこんなに素晴らしいものなんだ」と感じてもらえるはずです。そして、最新アルバムを「ジャンルレス」にしたのは、ライブで過去のいろんな楽曲と織り交ぜて披露するためでもあるので、どんな楽曲が飛び出すのか楽しみにしていてください。

涼平 : ツアーが始まる前に僕たちの主催フェス 『w-inds.Fes ADSR 2018』があるんですけど、そこでは「みんながイメージするw-inds.」をストレートにやろうと思ってます。他の出演アーティストとのコラボなんかもありますしね。逆にツアーでは、フェスの内容をいい意味で裏切るようなことができるんじゃないかと思います。これから準備を進めるのでまだ想像ですけど、「楽しくないわけない」ツアーになりそうですよ。

ーー 今年も熱い夏の予感ですね!楽しみにしています。

取材・文=河嶋奈津実 写真=森好弘

リリース情報

New Album『100』
2018年7月4日(水)発売
01. Bring back the summer
02. Dirty Talk
03. Temporary
04. I missed you
05. Celebration
06. We Gotta Go
07. Time Has Gone
08. Stay Gold
09. The love
10. All my love is here for you
11. Drive All Night
12. Sugar

イベント情報

『w-inds. Fes ADSR 2018 -Attitude Dance Sing Rhythm-』

日程:2018年7月7日(土)11:30開場/13:00開演
会場:お台場・ADSR特設会場(東京都江東区青海)
出演アーティスト(50音順):
w-inds. / X4 / COLOR CREATION / GANMI / SOLIDEMO / Da-iCE / DOBERMAN INFINITY / BananaLemon / THE BEAT GARDEN / FAKY / FlowBack / MYNAME / Lead (五十音順)
オープニングアクト:BuZZ
MC:Boo
料金:
一般エリア 9,500円(税込)
VIPエリア 30,000円(税込)

ツアー情報

『w-inds. LIVE TOUR 2018 "100"』
7/13(金) OPEN 17:30 / START 18:30
【東京】オリンパスホール八王子
(八王子市子安町4-7-1)
(問)サンライズプロモーション東京 0570-00-3377
 
7/14() OPEN 16:00 / START 17:00
【東京】オリンパスホール八王子
(八王子市子安町4-7-1)
(問)サンライズプロモーション東京 0570-00-3377
 
7/20(金) OPEN 17:30 / START 18:30
【千葉】市川文化会館 大ホール
(千葉県市川市大和田1-1-5)
(問)サンライズプロモーション東京 0570-00-3377
 
7/22() OPEN 17:00 / START 18:00
【仙台】東京エレクトロンホール宮城 大ホール
(仙台市青葉区国分町3-3-7)
(問)ニュース・プロモーション 022-266-7555
 
8/4() OPEN 17:00 / START 18:00
【神戸】神戸国際会館 こくさいホール
(兵庫県神戸市中央区御幸通8-1-6)
(問)サウンドクリエイター 06-6357-4400
 
8/5() OPEN 16:00 / START 17:00
【大阪】オリックス劇場
(大阪市西区新町1丁目14番15号)
(問)サウンドクリエイター 06-6357-4400
 
8/12() OPEN 16:00 / START 17:00
【福岡】福岡市民会館
(福岡県福岡市中央区天神5丁目1-23)
(問)BEA 092-712-4221
 
8/19() OPEN 17:00 / START 18:00
【神奈川】神奈川県民ホール・大ホール
(横浜市中区山下町3-1)
(問)KMミュージック 045-201-9999
 
8/25() OPEN 16:00 / START 17:00
【名古屋】日本特殊陶業市民会館・フォレストホール
(名古屋市中区金山一丁目5番1号)
(問)キョードー東海 052-972-7466
 
9/2() OPEN 17:00 / START 18:00
【埼玉】大宮ソニックシティ・大ホール
(埼玉県さいたま市大宮区桜木町1-7-5)
(問)サンライズプロモーション東京 0570-00-3377
 
9/7(金) OPEN 17:30 / START 18:30
【東京】東京国際フォーラム ホールA
(東京都千代田区丸の内3丁目5番1号)
(問)ディスクガレージ 050-5533-0888
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