『SUPER GT』もいよいよ後半戦に突入! Round5 FUJIは8/5決勝
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優勝ポイントも25点(通常20点)と高得点のレースだけあって、各チーム、各ドライバーも一段ギアを上げてくるレースとなる
今年のSUPER GT も、6月30日(土)~7月1日(日)のRound4(タイ)で前半戦が終わった。8月4日(土)~5日(日)に富士スピードウェイで行われるRound5から、いよいよ後半戦。ワークス、プライベート入り混じった熱い戦いは、もうすぐ始まる。
4月7日(土)、岡山国際サーキットで始まった2018年のSUPER GTも、すでに4戦を消化した。トヨタ、ニッサン、ホンダが参戦するGT500、そしてプライベーター中心のGT300が混走するエキサイティングなレースは、今年も混戦模様となっている。
2014年からのレギュレーション変更で、GT500も2000㏄4気筒+シングルターボエンジンとなったが、それでもワークスの技術の粋を集めて、今では600馬力近くまでパワーアップされている。例えば、日産からGT-Rが参戦しているが、市販車のRB26(2,600㏄6気筒)エンジン搭載車でなく、上記のエンジンを積み、シャーシもモノコックと完全にレース仕様のマシンとなっている。
つまり、外側だけはトヨタ LC500、ホンダ NSX-GT、日産 GT-Rの姿をしているものの、GT500マシンは市販車とはまったく違う、レース専用車となっているわけだ。加えて年々空力特性もアップし、4年前とは比べ物にならないくらいほどダウンフォース量が増えてきている。
一方、GT300は市販車ベースの改造車がメイン。クラスもいくつか分かれているが、それでもパワーはGT500に負けず劣らず600馬力を絞り出すマシンすらある。しかし、根本的なシャーシやサスペンションなどが市販車ベースのため(GT500マシンに比べ)車重も重く、サーキットにもよるが、だいたい一周辺り5~12秒ほどラップタイムに違いがある。そのため、GT500もGT300もクラス内で競い合う中、別クラスのマシンをオーバーテイクする(される)ことになり、この駆け引きが思わぬ展開を生む面白いレースとなっている。
さて、前回Round4はタイの「チャン・インターナショナル・サーキット」で実施。GT500では元F1コンビのヘイキ・コバライネンと小林可夢偉(LEXUS TEAM SARD)がポディウムの頂点に立った。今季からSUPER GTに参戦している小林はSUPER GT初優勝。WEC(FIA世界耐久選手権)のル・マンで2位に入った勢いそのまま、チーム順位1位奪取に貢献した。
第四戦(タイ)のGT500クラスで優勝した「LEXUS TEAM SARD」。ヘイキ・コバライネン、小林可夢偉の元F1コンビが奪首した
Round3(5月19日~20日、鈴鹿サーキット)までチームランキングでトップ(41ポイント)を走っていた「TEAM KUNIMITSU(山本尚樹/ジェンソン・バトン)」は、60キロという重量ハンデもあり、11位に留まり首位を明け渡した。しかし、ホンダは今年、かなりシャーシレイアウトを変更しており、より戦闘力を高められたのは大きい。今後の巻き返しには期待大だ。
GT500では好調維持のLEXUS勢に対する、ホンダのNSX-GT。「TEAM KUNIMATSU」は総合2位につけている
同様に40ポイントで2位につけていた「NISMO(松田次生/ロニー・クインタレッリ)」も、重量ハンデ62キロが響き、12位という結果に終わった。ニッサンも昨年のマシンに比べ、特に足回りをかなり改善してきた。本心は「打倒LEXUS」。一歩先行くLEXUS勢にニッサンとNISMOがタッグを組み、細かいセットアップを施してきた。昨年のマシンからはかなり戦闘力が増している。
名車GT-Rで総合優勝を狙う「NISMO」。ドライバーは松田次生とロニー・クインタレッリ
そんなライバルの戦闘力アップを横目で眺めるはずはなく、LEXUS勢はトップでチェッカーフラッグを切った「LEXUS TEAM SARD」に続き、「LEXUS TEAM LEMANS WAKO'S(大嶋和也/フェリックス・ローゼンクヴィスト)」、「LEXUS TEAM WedsSport BANDOH(国本雄資/山下健太)」、「LEXUS TEAM ZENT CERUMO(立川祐路/石浦宏明)」と、Round4はLEXUS勢が1~4位を独占。一気にワークス争いの状況が混沌としてきた。
第四戦(タイ)のGT500で2位に入った「WAKO'S 4CR LC500」。昨年から強いLEXUS勢だ
GT500でポディウム(表彰台)を独占したLEXUS勢。3位は「LEXUS TEAM WedsSport BANDOH」だった
現在のチームランキングBEST5は以下の通り。
1位 「LEXUS TEAM SARD」(44ポイント)
2位 「TEAM KUNIMATSU」(43ポイント)
3位 「NISMO」(42ポイント)
4位 「LEXUS TEAM LEMANS WAKO’S」(41ポイント)
4位 「LEXUS TEAM KeePer TOM’S」(41ポイント)
ここ数年、LEXUSの後塵を拝してきたニッサン、ホンダ勢だが、次戦はLEXUS勢がウェイトハンデを背負うため、逆転の可能性を秘めている。昨年総合4位となった「LEXUS TEAM ZENT CERUMO(立川祐路/石浦宏明)」も37ポイントと、いつでも奪首できる位置につけているだけに、第5戦が後半戦の行方を左右するレースになることは間違いない。
一方、GT300はメーカー各社の名車が入り混じっての、激戦レースの模様を呈している。
Round4で優勝して、チームをランキングトップに導いた「GAINER(平中克幸/安田裕信)」は日産GT-R(TANAX GT-R)。同レースで2位に入った「apr(嵯峨宏紀/平手晃平)」はトヨタ プリウス(TOYOTA PRIUS apr GT)。3位の「K2 R&D LEON RACING(黒澤治樹/蒲生尚弥)」はメルセデスベンツ(LEON CVSTOS AMG)。まさに世界のスポーツカーが百花繚乱状態だ。
GT300クラスはスポーツカーの展示会だ。写真はタイラウンドで4位に入った「K2 R&D LEON RACING」のLEON CVSTOS AMG
GT300で総合4位につける「AUTOBACS RACING TEAM AGURI」のBMW M6。昨年、総合順位4位だっただけに、狙うは頂点だ
そのほか、アウディ A8やトヨタ マークX、ロータス エヴォーラなども参戦。さまざまなスポーツカーが入り乱れてのレースとなり、初めて訪れる観客も飽きずにレースを楽しめる。
チームランキングは「GAINER」の49ポイントを筆頭に、10位までが18ポイント差でひしめき合う混戦状態。Round3までトップだった「AUTOBACS RACING TEAM AGURI」は4位の37ポイントに、2位だった「TEAM UPGARAGE」は35ポイントの5位に転落しているが……。次戦でまたまた再逆転もあり得る状況だ。
LEXUS勢に一矢報いたいニッサン、ホンダワークスを併せた巴戦が面白いGT500。一方で各チーム、各メーカーのマシンが入り乱れての“乱打戦”となっているGT300も超エキサイティングだ。世界一速い“ハコレース”と言われる『SUPER GT』だが、今回のRound5は500マイル(約800キロメートル)で、高ポイントレースにもなっている。真夏のど真ん中に行われ、マシンの耐久性も大きなポイントに。サバイバルの予感もする8月の富士スピードウェイは、必見のレースとなるだろう。
イベント情報
『2018 AUTOBACS SUPER GT Round 5 FUJI GT 500mile Race』
日時:予選 8月4日(土)
決勝 8月5日(日)
場所:富士スピードウェイ(静岡県駿東郡小山町)