作詞家・松本隆の詩世界を、若村麻由美、清塚信也、藤舎貴生の3人で表現する、リーディングライブ「風のコトダマⅡ」
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16年9月のビルボードライブ東京公演。10月には愛媛の内子座でも上演した
女優の若村麻由美が、作詞家・松本隆の歌詞を詩として朗読する「風のコトダマⅡ」が、能登演劇堂(石川県、7/15)、ビルボードライブ東京(7/21)、京都コンサートホールアンサンブルホールムラタ(7/24)の3カ所で開催される。16年に好評を得た「風のコトダマ」の第2弾で、朗読とともに「コトダマ=言霊」を引き出す音楽を奏でるのは、ピアニストの清塚信也と横笛奏者の藤舎貴生。松本も登場し、作詞秘話などを語る。
女優業と併行して、長年朗読に取り組んできた若村。パルコの朗読ライヴシリーズ「LOVE LETTERS」は90年代、NHKラジオでの金子みすゞ詩集の朗読は2003年にCD発売され、05年から取り組んでいる古典の『平家物語』は語り芝居も。今年は平清盛生誕900年にちなみ、「平家物語の夕べ」と題した国立能楽堂公演を先月終えたばかりだ。
第2弾公演に意欲を燃やす、若村
「松本さんとの出会いは、横笛奏者で作曲家でもある藤舎さんが企画・プロデュースした12年発売のCD2枚組アルバム『幸魂奇魂』(さきみたま くしみたま)でした。これは、松本さんが『古事記』を現代語訳され、藤舎さんが邦楽オーケストラ曲として作曲。市川染五郎(現・松本幸四郎)さんと私で朗読し、日本レコード大賞企画賞を受賞しました。京都南座での初演は、史上初の大規模な邦楽オーケストラが圧巻でしたね」
松本は、慶應大学時代の69年に細野晴臣、大瀧詠一、鈴木茂とはっぴいえんどを結成し、ドラムと作詞を担当。「ロックは日本語で歌えない」と言われた時代に風穴を開け、作詞家に転じてからの活躍は周知のとおりで、太田裕美の「木綿のハンカチーフ」、寺尾聰の「ルビーの指輪」、松田聖子の「赤いスイートピー」をはじめヒット曲を長期にわたって連発。併行して、シューベルトの歌曲集『冬の旅』、日本神話『古事記』、能『隅田川』などを現代口語訳し、CD録音や公演をしている。
松本(左)とのトークでは、どんな話が飛び出すだろうか
「その後、16年の正月に松本さんのコンサートにゲスト出演した際、リクエストされた『辻音楽師』(『冬の旅』より)の即興朗読を絶賛してくださって、その年の秋に、歌詞を詩として読むリーディングライブ『風のコトダマ』が実現したのです。何千もの曲から藤舎さんに絞り込んでもらった300曲を全て朗読して10数曲を選んでいったとき、松本さんは“詩人”であると確信しました。曲を離れて新たな詩世界を立ち上げることは大冒険でしたが、スリリングで面白かったです。共通の友人だったギタリストの村治佳織さんに参加していただき、言霊を伝えるにふさわしい音を創造してもらうのは、しびれるほどエキサイティングで友情も深まりました。今回は、ピアニストで作曲家で、ドラマ『コウノドリ』では俳優も務めた清塚さん! どうなるのか今からドキドキしています。特にラストを締めくくる作品は、邦楽オーケストラ曲の『幸魂奇魂』をピアノと笛だけで生まれ変わらせます。本当に楽しみです」
藤舎(左)のプロデュースにも期待が集まる
「前代未聞の邦楽オラトリオ」と賞された『幸魂奇魂』の、ピアノ&横笛バージョンで締めくくるとは! 藤舎のプロデュースにも期待がかかる。プログラムは「辻音楽師」をはじめ、はっぴいえんどの「風をあつめて」、原田真二の「キャンディ」、KinKi Kidsの「硝子の少年」など15作を予定している。
「今回は、松本さんのはっぴいえんど時代の曲や大ヒットのポップスに留まらず、『源氏物語』『古事記』シューベルトの歌曲など古典やクラシックを基にした最近の作品まで、時を超えジャンルを超えて、今私たちが生きていることを気持ち良く実感できるライブにしたいです。松本さん自身の言葉で語る作品秘話やトークもお楽しみになさってください!」
文=原納暢子
公演情報
出演:松本隆、若村麻由美(朗読)、清塚信也(ピアノ)、藤舎貴生(横笛・プロデュース)
(前売)一般A席6,500円 一般B席5,500円他
(当日)一般A席7,000円 一般B席6,000円他
能登演劇堂 0767-66-2323 https://www.engekido.com/
1st 開演 16:30(開場 15:30)/2nd 開演 19:30(開場 18:30)
サービスエリア 8,400 円 カジュアルエリア 7,400 円
ビルボードライブ東京 03-3405-1133
http://www.billboard-japan.com/special/detail/2383
開演 19:00(開場 18:30)全席7,000円 ※浴衣来場者にプレゼント有
京都コンサートホール 075-711-3231
白竹堂https://www.hakuchikudo.co.jp/news/2720