草彅剛の主演でフェリーニ『道』舞台化、演出はデヴィッド・ルヴォー

2018.8.8
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舞台

デヴィッド・ルヴォー、草彅剛 (撮影:Toru Hiraiwa)


イタリア映画の巨匠フェデリコ・フェリーニ監督の初期代表作『道』(LA STRADA)が、2018年12月に日生劇場にて、草彅剛が主演の音楽劇『道』として舞台化される。演出は、フェリーニ映画『8 1/2』を原作としたミュージカル『NINE』を成功させた鬼才デヴィッド・ルヴォーが担当する。

映画『道』(LA STRADA)は、1954年製作・公開のイタリア映画。フェデリコ・フェリーニ監督、アンソニー・クイン(ザンパノ)、ジュリエッタ・マシーナ(ジェルソミーナ)主演でヒットし、1956年のアカデミー外国語映画賞を受賞した。フェリーニ監督にとっては最後のネオリアリスモ作品と呼ばれる(この後は幻想的作風に転じていく)。ニーノ・ロータの手掛けた主題曲「ジェルソミーナ」は映画音楽史上あまりに有名で、2010年のバンクーバー冬季五輪でフィギュアスケートの高橋大輔選手もこの曲で滑り、同種目日本人選手初のメダル(銅メダル)を獲得した。

クインが演じた旅芸人ザンパノ役を演じることになったのが、草彅剛。演出のデヴィッド・ルヴォーは「草彅剛さんは知性とカリスマ性を兼ね備えた素晴らしい俳優。彼の中に、ザンパノの持つイノセント(無垢)であると同時に残酷さを併せ持つ質感をイメージできた。ご一緒できるのをとても楽しみにしている」と期待を寄せている。今後発表されるであろう、その他のキャストが誰になるかも楽しみだ。

草彅剛 コメント>

フェリーニの映画『道』を観て、古いフィルムからでも伝わる役者のエネルギーと登場人物たちの生き様に、始まって5分で感動し心つかまれました。僕が演じる旅芸人ザンパノは、粗野でわがままで、どうしようもなく不器用な男です。彼の愚かな振る舞いに、どうしてもっとうまく生きられないのかと、もどかしい思いと同時に、彼の心の純粋さにこの物語の奥深さを感じました。

この名作にルヴォーさんの演出で出演できることがとても楽しみです。彼は舞台化にあたり沢山のアイデアを話してくれましたが、ルヴォーさんなら、どのようなシチュエーションになっても大丈夫だと確信しています。子供の頃からよく足を運んだ伝統ある日生劇場の舞台に立てる事も幸せです。ここで様々な作品を観劇しました。特別な精神や魂の宿った場所だと感じています。この劇場が『道』という作品を呼んだのではないでしょうか。

<演出家デヴィッド・ルヴォー コメント>

草彅剛さんとは、初対面から非常に本質的なお話をしました。彼は最初から直感的にこの作品の深いところまで的確に理解を示してくれました。そして恐れずこの作品そしてザンパノという役に挑戦する勇気ある姿勢に感銘を受けました。
まさに知性とカリスマ性を兼ね備えた素晴らしい俳優です。彼の中に、ザンパノの持つイノセント(無垢)であると同時に残酷さを併せ持つ質感をイメージできました。
ご一緒できるのをとても楽しみにしています。

 

<ストーリー>
 
純粋無垢なジェルソミーナは、貧困に喘ぐ家族の為に、粗暴な大道芸人ザンパノに買われ、芸の助手としてオート三輪で旅に出る。旅回りの途中、二人はサーカス一座に参加した。そこには自由奔放な綱渡り芸人イル・マットがいた。
 
イル・マットは希望を失ったジェルソミーナに、芸を教え、助言をくれる特別な存在だった。旧知の仲のザンパノとイル・マットは、事あるごとに対立し、ついには警察沙汰になりサーカス一座を追い出されてしまう。ジェルソミーナは、一座やイル・マットから引きとめられるも、結局、誰にも付いて行かずにザンパノと一緒に旅を続けることを選んだ。
 
しかし、道中偶然再会したイル・マットをザンパノは、不意に殴り殺してしまう。ショックのあまり、ジェルソミーナは情緒不安定になり、旅芸人として使い物にならない。ザンパノはジェルソミーナを置いて一人旅立ってしまう。
時は流れ、ザンパノは海辺の町で偶然聞き覚えのあるメロディーを耳にする。そして、口ずさんでいた女の話から、ジェルソミーナが死んだということを知らされたザンパノは、自分の後悔と絶望、大きな孤独感に打ちのめされ一人海岸の砂浜に伏して嗚咽するのであった。

 

公演情報

音楽劇『道』

■日程:2018年12月8日(土)~12月28日(金)
■会場:日生劇場
■料金:オンステージシート=10,000円、S 席=10,000円、A席=8,000円
■演出:デヴィッド・ルヴォー
■出演:草彅剛、他
※その他キャストについては、後日発表予定

■一般発売: 2018年10月13日(土)予定
■主催:梅田芸術劇場 ぴあ
■企画制作:梅田芸術劇場