バレエ界最大の話題作=リアム・スカーレット版『白鳥の湖』、英国ロイヤル・オペラ・ハウス シネマシーズン 2017/18で上映へ

ニュース
動画
クラシック
舞台
2018.8.22
Marianela Nuñez and Vadim Muntagirov photographed for Swan Lake  © ROH 2017. Photographed by Bill Cooper

Marianela Nuñez and Vadim Muntagirov photographed for Swan Lake © ROH 2017. Photographed by Bill Cooper

画像を全て表示(5件)


バレエ、オペラともに世界最高の名門歌劇場、英国ロイヤル・オペラ・ハウス(ROH)の人気公演の舞台映像を全国の映画館で上映している「英国ロイヤル・オペラ・ハウス シネマシーズン 2017/18」。2018年8月24日(金)より本シーズン12作目、今期のフィナーレを飾る『白鳥の湖』の上映が全国順次公開となる。

Swan Lake. Marianela Nuñez as Odette.  © ROH, 2018. Photogrpahed by Bill Cooper

Swan Lake. Marianela Nuñez as Odette. © ROH, 2018. Photogrpahed by Bill Cooper

チャイコフスキーの楽曲にマリウス・プティパとレフ・イワノフの振付で人気を博し、以後様々なアレンジをされながら不朽の名作として愛されてきた『白鳥の湖』。今や古典バレエの名作として不動の人気を誇る作品だが、今回31年ぶりとなる新プロダクション制作の動機について、ロイヤル・バレエ団の芸術監督ケヴィン・オヘアは「31年前に創られたものも素晴らしかった。ただ、時代は移り変わる。新世代のダンサーや観客の為に新たな演出を提供できればと思った」と話す。

Swan Lake. Marianela Nuñez as Odette.  © ROH, 2018. Photogrpahed by Bill Cooper.

Swan Lake. Marianela Nuñez as Odette. © ROH, 2018. Photogrpahed by Bill Cooper.

そんなケヴィン・オヘア芸術監督が「この2人なら古典や伝統を尊重しつつ、刺激的で新鮮なものを創ってくれると考えた」と太鼓判を押し、大抜擢したのが、振付家リアム・スカーレットと、美術家ジョン・マクファーレンだった。現在ロイヤルバレエのアーティスト・イン・レジデンスであるリアム・スカーレットは、NHK-BSでも放送された『フランケンシュタイン』や、先頃ROHシネマシーズンでも上映された『バーンスタイン・センテナリー』のうち「不安の時代」などで日本でもすっかりお馴染みの若干31歳の天才振付家である。また、ジョン・マクファーレンもまたリアム・スカーレットの上記振付作品等に美術デザインで参加してきた。

今回上映されるリアム・スカーレット版『白鳥の湖』は、従来の2幕の白鳥たちが舞う幻想的な湖畔のシーンはそのままに、1幕・3幕・4幕に新しい振付と演出を追加。 「おとぎ話の世界が真実味を持つように、登場人物をリアルに描くことに徹した」と話すリアムは、プティパ&イワノフ版の振付をベースにしつつ、より現代的なリアルで演劇性の高い演出を施した。

Swan Lake. Artists of The Royal Ballet.  © ROH, 2018. Photographed by Bill Cooper

Swan Lake. Artists of The Royal Ballet. © ROH, 2018. Photographed by Bill Cooper

さらに 370着ほどの衣装のデザインから舞台装置に至るまで美術パートを担ったジョン・マクファーレンは、「(意見を出し合っていく中で)これまでの『白鳥の湖』でいやだったことリストも作成した。」と制作過程を明かす。結果、舞台芸術はより豪華に、そして白鳥たちの衣装が従来の長いスカートからクラシック・チュチュへ変更されるなど、 新しい変化をもたらしつつも、いわゆる古典バレエ的要素を残したスタイルで、初めて鑑賞する方からバレエファンまで十二分に楽しめるプログラムを実現させている。

また新プロダクションの目玉ともいえるのが、贅を尽くしたキャスティング。白鳥のオデット&黒鳥のオディール二役をトップ・プリマのマリアネラ・ヌニェス、そして王子ジークフリートには、優雅な立ち姿と長い手脚、伸びやかな跳躍が貴公子そのもののプリンシパル ワディム・ムンタギロフが演じ、至高のパートナーシップの酔いしれること間違いなし。さらに、新たに追加された役柄のジークフリート王子の妹2人には、日本人プリンシパルの高田茜と、同じくプリンシパルのフランチェスカ・ヘイワード、王子の友人ベンノ役には抜群のテクニックを誇るプリンシパル アレクサンダー・キャンベルがキャスティング。この3人には従来のパド・トロワ(3人による踊り)の他にも見せ場が用意されるなど、まさにロイヤル・バレエ団の最高峰のダンサーが一堂に会する、豪華演目といえる。

Swan Lake. Vadim Muntagirov as Prince Siegfried and Marianela Nuñez as Odile. © ROH, 2018. Ph. by Bill Cooper.

Swan Lake. Vadim Muntagirov as Prince Siegfried and Marianela Nuñez as Odile. © ROH, 2018. Ph. by Bill Cooper.

チャイコフスキーの優美な音楽にのせて、名門ロイヤル・バレエ団が総力をあげて贈る新たな『白鳥の湖』。上演初日から絶賛の嵐を呼び、バレエ界最大の話題作と言われている本作、ぜひ劇場の大スクリーンで堪能してみたい。

【動画】『白鳥の湖』予告

 

上映情報

「英国ロイヤル・オペラ・ハウス シネマシーズン 2017/18」
ロイヤル・バレエ『白鳥の湖』

 
■振付:マリウス・プティパ / レフ・イワノフ
■追加振付:リアム・スカーレット / フレデリック・アシュトン
■演出:リアム・スカーレット
■美術・衣装:ジョン・マクファーレン
■作曲:ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー
■指揮:クン・ケセルス
■出演:
マリアネラ・ヌニェス(オデット / オディール)
ワディム・ムンタギロフ(ジークフリート王子)
ベネット・ガートサイド(ロットバルト:悪魔 / 女王の側近)
エリザベス・マクゴリアン(女王)
アレクサンダー・キャンベル(ベンノ:ジークフリートの友人)
高田 茜、フランチェスカ・ヘイワード(ジークフリート王子の妹たち)

 
~1幕~ワルツとポロネーズ
ティアニー・ヒープ、 ミーガン・グレース・ヒンキス、金子扶生(ふみ)、
マヤラ・マグリ、マシュー・ボール、ジェームズ・ヘイ、フェルナンド・モンターニョ、マルセリーノ・サンベ
~2幕&4幕~2羽の白鳥
クレア・カルヴァート、マヤラ・マグリ
~3幕~
イッツィアール・メンディザバル(スペインの王女)
メリッサ・ハミルトン(ハンガリーの王女)
崔 由姫(イタリアの王女)
ベアトリス・スティクス=ブルネル(ポーランドの王女)

 
■上映館
北海道 ディノスシネマズ札幌 2018/8/25(土)~2018/8/31(金)
宮城 フォーラム仙台 2018/8/25(土)~2018/8/31(金)
東京 TOHOシネマズ日比谷 2018/8/24(金)~2018/8/30(木)
東京 TOHOシネマズ日本橋 2018/8/24(金)~2018/8/30(木)
東京 イオンシネマ シアタス調布 2018/8/24(金)~2018/8/30(木)
千葉 TOHOシネマズ流山おおたかの森 2018/8/24(金)~2018/8/30(木)
神奈川 TOHOシネマズららぽーと横浜 2018/8/24(金)~2018/8/30(木)
愛知 TOHOシネマズ名古屋ベイシティ 2018/8/24(金)~2018/8/30(木)
京都 イオンシネマ京都桂川 2018/8/24(金)~2018/8/30(木)
大阪 大阪ステーションシティシネマ 2018/8/24(金)~2018/8/30(木)
神戸 TOHOシネマズ西宮OS 2018/8/24(金)~2018/8/30(木)
福岡 中洲大洋映画劇場 2018/8/25(土)~2018/8/31(金)

 
■上映時間:3時間24分(休憩2回)※内訳
■公式サイト:http://tohotowa.co.jp/roh/
■配給:東宝東和
シェア / 保存先を選択