「おお振り」続編が開幕、三橋廉役の西銘駿「皆さんを支えていける主演に」

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2018.9.7
舞台「おおきく振りかぶって 夏の大会編」公開ゲネプロより。

舞台「おおきく振りかぶって 夏の大会編」公開ゲネプロより。

舞台「おおきく振りかぶって 夏の大会編」が、本日9月6日に東京・サンシャイン劇場で開幕。これに先駆けて同日、公開ゲネプロと囲み取材が行われた。

舞台「おおきく振りかぶって」は、「月刊アフタヌーン」(講談社)で連載中のひぐちアサによる同名野球マンガを原作とした作品。2月に上演された第1弾に引き続き、脚本・演出を演劇集団キャラメルボックスの成井豊が手がける。キャストには三橋廉役の西銘駿をはじめ、阿部隆也役をWキャストで務める猪野広樹と大橋典之、渡邊安理、白又敦、一色洋平、さらに安川純平、中村嘉惟人、副島和樹、湯本健一、亀井賢治、元木諒、澤田美紀らが名を連ねた。

公開ゲネプロでは、舞台上に再現された球場を所狭しと走り回るキャストたちによって、白熱した試合がスピーディに展開。前作で、強豪の桐青高校を相手に見事勝利をおさめた西浦高校野球部は、今回、崎玉高校、美丞大狭山高校との2試合を繰り広げる。

西銘は、弱気な性格のピッチャー・三橋が試合を通じエースとしての自覚に芽生えていく姿をくっきりと見せ、猪野は相方である三橋の強さを引き出していくキャッチャー・阿部をパワフルに表現する。さらに今作から参加した渡邊は、男勝りで抜群の統率力を発揮する野球部の女監督・百枝まりあを激しく、ときに優しく包み込むように演じ、白又は西浦高校野球部キャプテン・花井梓の繊細な性格ゆえの勝負弱さと、その葛藤を細やかな演技で表現した。

ゲネプロ前に行われた囲み取材には出演者から西銘、猪野、大橋、渡邊、白又、そして演出の成井が登壇。白又は「今回は続編ですが、西浦高校のキャストは半分近く入れ替わっています。その中で、前回、桐青戦を乗り越えたチーム感を出したいという思いがあったので、キャプテンとして選手たちのことを考えていました」と稽古を振り返る。また「今年の夏は甲子園が100回記念大会だったこともあり、高校野球にとっても大事な年。そんな年にこの作品をやらせていただけるのは、すごくありがたいです」と感慨を語った。

続く渡邊は野球部の女性監督という役どころについて「男勝りな監督ですが、他人を思いやれる人だなと感じたので、自分もそんな人間になれたらと思って稽古していました」と明かす。今回初参加の大橋は役作りについて「阿部は狡猾だと言われますが、純粋に野球で勝ちたいという気持ちがあるからそ。僕自身、高校野球をやっていたので、野球に対する純粋な気持ちを根底に役を作っていきました」と回想し、「本物の野球より近くでピッチャーを観れたりするので、臨場感を劇場で味わっていただきたいです」と本作をアピールした。

前作から続投の猪野は「バッテリーの関係が試合を大きく左右する作品です。変わっていく阿部の心の変化や成長を素直に演じたいです」と真摯に語る。そして前作の千秋楽の約1週間後に20歳を迎えたことを明かした西銘は「前回は皆さんに支えていただきましたが、今回は皆さんを支えていける主演になりたいと思って稽古に臨みました」と語り、「また三橋廉としてマウンドに立てることをうれしく思います」と笑顔を見せた。

成井は本作について「前作は野球の試合を上演するうえで、ルールや方法論を開発するのに時間がかかりました。今回はその方法論があるから楽にできるだろうと思っていましたが、稽古が始まってみたら大変さが全然変わらなくて。『なんでこんなに大変なんだろう?』と演出助手に聞いてみたら、前作より得点がいっぱい入るから試合が忙しいと……。要するに今回の2試合は乱戦になります!」と語る。

続けて成井は「出演者に野球経験者が増えたこともあり、捕球や送球の仕方、バッターボックスへの入り方を前作以上にじっくり稽古しました。試合のリアリティは増したと思います」とエピソードを話し、「今回は西浦高校に最大の危機が訪れます。メンバーたちがどう乗り越えていくのか?というのが最大の見どころです」と語気を強めた。最後に西銘は「原作を忠実に再現しつつ、本物の甲子園に負けないよう、必死に熱量を出して戦い抜きたいです」と取材を締めくくった。

上演時間は途中休憩なしの約2時間10分を予定。公演は9月6日から17日まで東京・サンシャイン劇場、28日から30日まで大阪の梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティにて。

なお9月15日17:00開演回の公演がニコニコ生放送で配信されることが決定。併せて本作のDVDが来年2019年2月2日にリリースされることも発表された。

舞台「おおきく振りかぶって 夏の大会編」

2018年9月6日(木)~17日(月・祝)
東京都 サンシャイン劇場

2018年9月28日(金)~30日(日)
大阪府 梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティ

原作:ひぐちアサ(講談社「月刊アフタヌーン」連載中)
脚本・演出:成井豊

キャスト

西浦高校
三橋廉:西銘駿
阿部隆也:猪野広樹 / 大橋典之(Wキャスト)
百枝まりあ:渡邊安理
花井梓:白又敦
田島悠一郎:一色洋平
泉孝介:安川純平
沖一利:中村嘉惟人
栄口勇人:副島和樹
水谷文貴:湯本健一
西広辰太郎:亀井賢治
巣山尚治:元木諒
篠岡千代:澤田美紀

美丞大狭山高校
滝井朋也:吉村卓也
仲沢呂佳:多田直人
倉田岳史:武子直輝
竹之内善斗:中村太郎
矢野淳:倉冨尚人
宮田直正:小川慧
鹿島匠:島野知也
和田誠:矢野聖

桐青高校
河合和己:加藤潤一

崎玉高校
佐倉大地:近藤頌利
市原豊:前田隆太朗
小山大樹:大村わたる

(c)ひぐちアサ・講談社/舞台「おおきく振りかぶって 夏の大会編」製作委員会

ステージナタリー
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