TWICE　日本での初アリーナツアー最終日に見せた “ONCE”との絆の深さ

TWICE 1st ARENA TOUR 2018 "BDZ"
2018.10.17 東京・武蔵野の森総合スポーツプラザメインアリーナ

昨年6月に日本デビューして以来、猛スピードでスターダムを駆け上がっていったTWICEが、9月に日本1stアルバム『BDZ』を発表し、初のアリーナツアー『TWICE 1st ARENA TOUR 2018 "BDZ"』を敢行。10月17日 東京・武蔵野の森総合スポーツプラザメインアリーナでツアーファイナルを迎えた。

クールなポーズと共にTWICEがステージに登場した瞬間に、会場には「ワー！」という怒号のような歓声が上がり、空気は一瞬で沸点に。オープニングの「Wake Me Up」では、モモがダンスブレイクで勢いをつける。新曲「Say it again」ではTWICEのペンライト、「CANDY BONG」の形をしたセンターステージに移動してファンに手を振り、イントロから大きなファンコールに迎えられた「What is Love?」ではフォーメーションダンスでファンを魅了した。

アルバムのタイトル曲になっている「BDZ」は、名プロデューサーJ.Y.Parkが、TWICEが日本ライブで作り出すファンとの一体感に感動して作ったという楽曲。サナが「BDZはブルドーザーの略。目の前の大きな壁も押し倒して進んで行くというポジティブな曲」と説明すると、「TWICEとONCE（TWICEのファンの総称）でコラボしましょう！」と、ファンが担当する振付とコールをミナとモモがレクチャー。「オーイェー！は、私たちに振付はなくて、ONCEだけのパートなので、ここ大事！」というモモからのアドバイスも。準備万端で始まった「BDZ」は、ひときわ大きなファンのコールと一体感で、この日のハイライトとなった。

アルバム『BDZ』リリース後のツアーとあって、アルバム収録曲など、このツアーで初披露する曲も多かったが、そんな中で「SIGNAL」がカリプソ風にリミックスされていたり、「LIKEY」もパーカッションを多用した楽しいアレンジがほどこされていたり、おなじみの曲もライブ仕様に変わっていたのも印象的だった。もちろん、「CHEER UP -Japanese ver.-」、「KNOCK KNOCK -Japanese ver.-」、「TT -Japanese ver.-」といったTWICEの代表曲も外さない。

そしてさらにうれしいことに、ドラマ『深夜のダメ恋図鑑』の主題歌に抜擢された発売前の新曲「STAY BY MY SIDE」もこのツアーでいち早く披露。切なさを感じさせる歌詞をアップテンポのメロディーに乗せて、メンバーたちが順々にボーカルを執っていくこの曲を「フルバージョンで初披露できてうれしい」とミナが言えば、モモが「「STAY BY MY SIDE」を歌うとき、細胞に感動が回ってきた」と興奮気味に初披露の感動を伝えてくれた。

楽曲とパフォーマンスのキュートさだけでなく、TWICEはトークでもかわいさが爆発する。「One in a Million！ こんばんは！ TWICEです」ではじまる恒例の挨拶では、ダヒョンが「ゴハンたべましたか？ 何をたべましたか？（ファンの答えをきいて）そーか、私はゴハンたべてないです。なぜなら、ONCEの愛を食べたから！ まだ入ります！ もっとください！」ととびきりの笑顔を見せる。トークパートでは、サナ、モモ、ミナの日本人メンバーがリードをするが、ジヒョをはじめ他のメンバーの日本語力もツアーごとに驚くほどの上達を見せる。特にダヒョンのユニークな日本語は、ムードを明るくしてくれる。

また、TikToKで流行っている「全力◯◯」にTWICE楽曲のポイント振付を取り入れた「全力TWICE」も披露。ジョンヨンとツウィが対決したが、どちらもかわいくて引き分けという結果に。最後は全員での「全力TWICE」も見せてくれた。

アンコールの「Wishing」では、たくさんの新曲を披露してくれたTWICEへ“Be as ONE /ONCE▼TWICE”と書かれたカードを掲げ、ONCEがサプライズ。「それなんですか！ 本当に感動しました。ありがとうございます」とジヒョが言えば、ダヒョンも「サプライズ、本当にビックリしました。と～り～は～だ～です！」と感謝を伝えた。（※▼＝ハートマーク）

デビューから信じられないスピードでヒット街道を驀進しているTWICEだが、「このツアーを準備しながら緊張もしたし、少しだけ不安な気持ちもありました」というサナ。「たくさんのONCEに会ってたくさんの元気をもらいながら、私たちがTWICEとしてパフォーマンスすることができました。今回のアリーナーツアーでもONCEのたくさんの愛を感じられたし、皆さんの笑顔、わたしたちを見て泣いてくれる表情を見ながら、ONCEのそばにいることができて、幸せだと思いました。また次に良い姿で会えるように頑張ります。その時まで待っててくださいね！」という彼女の言葉に、TWICEとONCEの絆の深さが表されたようだ。

ツアー最終日のこの日は、アンコールの最後に「緊急告知」の文字が突如現れ、「2019年ドームツアー開催決定！ 東京ドーム 2DAYS、ナゴヤドーム1DAY、京セラドーム1DAY」と報じられると会場内は歓声の嵐に。もはやガールズグループの中でもぶっちぎりの勢いのTWICE。2019年、このドームツアーを経てどこまで飛躍するのか楽しみだ。

取材・文＝坂本ゆかり