きこえない音が世界を織りなす~南村千里の最新作『光の音:影の音』

2018.11.22
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英国・ロンドンを拠点として 20カ国40都市以上で活躍するダンスアーティスト南村千里による最新作『光の音:影の音』が、2018年12月7日(金)~12月9日(日)に、あうるすぽっとで上演される。

ろう者でもある彼女が感じる音と、きこえる人が感じる音は どこが同じで、どこが違うのか。そして、「光の音」「影の音」のように、「きこえない音」は、どう表現できるのか。"視覚的に音を表現する可能性"を追及するアーティスト南村千里と、個性あふれる活動で注目される、伊藤キム捩子ぴじんaokidという初顔合わせとなる4人が、ワークショップを積み重ね、手話や字幕も舞台を彩るアイテムとして、「きこえない音」を鮮明に描き出す。

ライゾマティクスリサーチが手がける映像デバイスと2名のきこえないパフォーマーを含む多様な出演者たちが、鮮烈な印象を残した『ノイズの海』(2016年・あうるすぽっとにて上演)から2年。ロンドン・パラリンピックの開会式(2012)にパフォーマーとしても出演した南村千里と、あうるすぽっとが拓く、新たな「音」と「表現」の世界に期待したい。

【動画】光の音:影の音 Sound of Light: Sound of Shadow


■プロフィール

南村 千里(みなみむら・ちさと)
生後7ヶ月目に聴力を失い、きこえない世界へ。女子美術大学日本画学士号習得。ロンドンのラバン校卒業後、
横浜国立大学大学院修士課程修了。2003 年より 2006 年末まで、英国の Candoco Dance Company のダンスアーティストとして活動。現在、フリーランスアーティストとして、ロンドンを拠点にアジア、アフリカ、欧米など 20 カ国 40 都市以上で公演、ワークショップを実施。振付作品に「SCOT」(Resolution 2007 @ the Place)、「Canon for Duet」(Place Prize 2008 / Firsts 2008 @ ロイヤルオペラハウス)、「BEATS」(BEACDS 2009 / Liberty Festival 2009)、「NEW BEATS」(Stepping East 2010 / DaDaFest International 2010 / Spring Dance @ ユトレヒト 2011)、「Ring the Changes+」(Unlimited 2014 / Networked Bodies Festival 2014 / 6th International Festival, InShadow @ リスボン 2014)、「Passages of Time」(Brighton Digital Festival 2016)がある。2012 年より、英語手話による芸術解説をテートモダン美術館、テートブリテン美術館、ナショナルポートレートギャラリー、ホワイトチャペルギャラリーなどで手がける。http://chisatominamimura.com/jp/

伊藤 キム(いとう・きむ)
87年、舞踏家・古川あんずに師事。95年「伊藤キム+輝く未来」を結成。96年バニョレ国際振付賞、02年第一回朝日舞台芸術賞・寺山修司賞。05~06 年にバックパックを背負って半年間の世界一周の旅に出る。11年「輝く未来」を解散。13 年京都・本能寺創建600年の記念イベント『本能寺の D』で演出・振付・出演、国内外をツアー。14 年六本木アートナイト2014パレード監修。小中高生へのワークショップや振付、おやじが踊って給仕する「おやじカフェ」のプロデュースを国内外で行う。京都造形芸術大学客員教授。青山学院大学ワークショップデザイナー育成プログラム修了。2015年、新カンパニーGERO を結成して10年ぶりに創作活動を再開。

捩子ぴじん(ねじ・ぴじん)
2004年まで大駱駝艦に所属し、麿赤兒に師事する。舞踏で培われた特異な身体を元に、自身の体に微視的なアプローチをしたソロダンスや、ダンサーの体を物質的に扱った振付作品を発表する。11年、横浜ダンスコレクション EX 審査員賞、フェスティバルトーキョー公募プログラム F/T アワード受賞。16年、韓国・光州でアジアンアーツシアターが企画する Our Masters「土方巽」のキュレーターを務める。17年より京都在住。生活にダンスの杭を打ち込むべく“ダンサーズ”を主催し、定期練習を行う。

aokid (あおきっど)
1988年東京都生まれ。2010年東京造形大学映画専攻卒業。Aokid city所属。受賞:2014 年第 10 回グラフィック「1_WALL」ファイナリスト、2011年第5回グラフィック「1_WALL」ファイナリスト、2009 年 EPSON COLOR IMAGING CONTEST 佳作、2008年 EPSON COLOR IMAGING CONTEST グラフィック部門特選。

公演情報

『光の音:影の音 - 耳だけで聞くものなのか -』
 
■アーティスティック・ディレクター:南村千里
■照明:佐々木真喜子
■音響:佐藤こうじ
■映像:須藤崇規
■衣裳:田村香織
■舞台監督:西川也寸志
■手話通訳:橋本一郎
■出演:伊藤キム 捩子ぴじん aokid ほか

 
■会場:あうるすぽっと
■上演スケジュール
2018年12月7日(金)〜 12月9日(日)全3回
・12月 7日(金) 19:00~
・12月 8日(土) 15:00~
・12月 9日(日) 15:00~
※受付開始は60分前 客席開場は開演の30分前を予定
※未就学児の入場はご遠慮ください
■料金(全席指定)
・一般 3,500円
・学生 2,500円
・高校生以下 1,000円
・豊島区民割引 3,000円
・障害者割引 2,000円
■公式サイト:https://www.owlspot.jp/events/performance/post_67.html