「狡噛慎也の人生を最後まで見届けたい!」関智一が語る『PSYCHO-PASS サイコパス』シリーズの魅力とは

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2019.1.25
 (C)サイコパス製作委員会

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2012年のTVアニメ放送スタートから、国内だけでなく海外のアニメファンをも魅了してきた人気シリーズ『PSYCHO-PASS サイコパス』の新作映画3作品が本日、1月25日より3ヶ月連続で公開となる。「Case.1 罪と罰」では霜月×宜野座、「Case.2 First Guardian」では須郷×征陸、「Case.3 恩讐の彼方に__」では狡噛に焦点を当てたストーリーが描かれる。新作公開を控えた狡噛慎也役の関智一に、作品の見どころや自身が演じる狡噛慎也というキャラクターについてたっぷりと語ってもらった。
 

『PSYCHO-PASS サイコパス』シリーズで狡噛慎也役を演じる関智一

『PSYCHO-PASS サイコパス』シリーズで狡噛慎也役を演じる関智一



――前作の劇場版では、英語のセリフに苦労したというお話もありましたが、今回のアフレコはいかがでしたか?

今回はオール日本語でお届けします! 監督のお話によると、前回とはまた違う方法で皆様にお届けしたいという気持ちがあったようですよ。

――関さんから見て塩谷監督とはどんな方なのでしょうか?

僕らに見せている顔は、飄々として優しくて柔らかい雰囲気をまとった小さなおじさんです(笑)。でも、いろいろな方のお話を聞く限り“こだわりの強い熱血な人”のようなんです。「本当はどんな人なんだろう」と、まだ見ぬベールに包まれた神秘的な姿にギャップを感じているところです。ただ、以前ツイッターのプロフィールに「ももクロ大好きモノノフです☆」とあったので、モノノフ……、侍感覚で命をかけて監督業をやっている意思表明だと思い、それ相応の演技をしないと切り捨てられる! という怖さを持っていたのですが、単なるももクロ好きということが発覚し、拍子抜けした記憶もあります。もちろん、作品に対して覚悟を持って臨んでいるという雰囲気も漂わせているんですけどね。前作の映画が完成したとき、ご褒美でももクロに会いに行ってましたよ(笑)。

――関さんにはご褒美はあったのでしょうか?

(キリッとした表情で)皆さんに作品を見ていただくことが、僕にとっての一番のご褒美です。

――決め顔まで、ありがとうございます(笑) では、狡噛慎也を演じるうえで、関さんが意識していることを教えてください。大人気キャラクターなのでプレッシャーはかなりあると思うのですが……。

不思議なもので、皆さんの意見に影響される部分はありますね。意図的ではないにしても、無意識に皆さんが期待しイメージする狡噛慎也というキャラクターに寄せている感はあるかもしれません。ですが、意識して寄せることはないですし、そうならないように気をつけて演じています。

――ファンの感想や意見などをよくチェックするのでしょうか?

自然に入ってくるものだけを見るようにしています。悪口とか見たら気にしちゃうんです、意外と繊細なんですよ、僕(笑)。だから、基本的には自らチェックはしないですね。

――2012年から狡噛を演じていますが、彼の印象に変化はありましたか?

最初はスーパーマンのような完成された人物像を想像していました。でも、意外と彷徨える人なんだと感じています。自分がどうあるべきかといまだに模索して流浪している、とても人間っぽい人という印象です。以前は復讐することに集中するあまり、閉ざした感を漂わせていましたが、前作の劇場版では、朱に対して自分を出すようなシーンもあり、心を開いてきた感じが見られたと思います。

――今後、狡噛がどんな人生を送るのか、想像したりしますか?

希望としては、一連のシビュラシステムをめぐる騒動に、狡噛なりの決着を彼自身の中でつけてもらえたらスッキリするなと思っています。あとは死ぬのか生きるのかはわからないけれど、彼に関わった身としては彼の人生を極力演じて終わりたいです。愛着と愛情もあるので、そこまで演じられたらいいなという希望がありますね。おかげさまで人気があり、支持してもらっている作品なので、狡噛の人生を見届けられそうな気がして楽しみに待っている感じです。

――「Case.1 罪と罰」でメインキャラクターを演じる宜野座についてお聞きします。関さんから見る狡噛と宜野座の関係とは、どのようなものですか?

いい距離感の友達みたいな感じですね。一緒にいる時間もTVシリーズの第1期くらいなのでそれほど長くないし、すごく相棒感があるわけでもない。別々の道を進んでもどこかで通じ合っている部分もあるけれど、過剰にベタベタしていない。そんなところは、スッキリとしていてかっこいい関係だなと思います。

『PSYCHO-PASS サイコパス Sinners of the System Case.1 罪と罰』より

『PSYCHO-PASS サイコパス Sinners of the System Case.1 罪と罰』より

――「Case.1 罪と罰」での宜野座はどうでしたか?

服装も含めてお父さんに近い雰囲気になっていて、微笑ましかったです。

――お父さんの話題が出たところで、「Case.2 First Guardian」の征陸はいかがでしたか? 東京国際映画祭の舞台挨拶で征陸のかっこよさを絶賛していましたが、好きなキャラクターなのでしょうか?

イケメンと可愛い女性が多い作品の中で、珍しい年齢層の“おじさん”はとても魅力的です。長く生きてずっと同じ仕事をしているというだけで、かっこいいなって思っちゃうんですよね。僕、おじさん、おばさんが好きなんです(笑)。長く生きてるっていうだけで尊敬という気持ちが出てきます。新作では、奥さんや息子との関係が描かれていますが、刑事として少し時代遅れになりながらも、頑張って生き残っていることに哀愁を感じざるを得ません。おっさんで愛されるって難しいですよね? どのキャラクターにも慕われている征陸は、カッコいいなと憧れます。

『PSYCHO-PASS サイコパスSinners of the System Case.2 First Guardian』より

『PSYCHO-PASS サイコパスSinners of the System Case.2 First Guardian』より

――新作でも「あ、この人も征陸のこと好きなんだ」と分かるシーンもありましたよね。なるほどです。では、関さんにとって「PSYCHO-PASS サイコパス」とはどんな作品なのか教えてください。

とても大事な作品です。狡噛を演じ始めてから6-7年経ちますが、演者として3年に1回くらいはこういう人気作に出会わないと忘れられていきますから。生きながらえさせていただいた大切な命綱的な側面もあります。思えば、PSYCHO-PASS サイコパス、ドラえもん、妖怪ウォッチと東宝さんには大変お世話になっており、日比谷に足を向けて眠れないです、そういう作品です(笑)。

――関さんが、今後の新プロジェクトで観たいキャラクターのストーリーはありますか?

やっぱり朱ちゃんかな。今後どうなっていくのかを最後まで描いて欲しいです。純粋で初々しい新人の頃の彼女にはもう会えないのかな、なんて懐かしく思ったりもするので。
 

『PSYCHO-PASS サイコパスSinners of the System Case.3 恩讐の彼方に__』より

『PSYCHO-PASS サイコパスSinners of the System Case.3 恩讐の彼方に__』より

――第1期での狡噛のセリフにもありましたよね。「タフになると思っちゃいたが……」というくだりで。では最後に『PSYCHO-PASS サイコパス』ファンに向けてのメッセージをお願いいたします。

サイコパスは、皆さんが必要としたときに蘇る作品なので、新作で「おもしろい」「まだまだ『PSYCHO-PASS サイコパス』が観たい」と感じていただけたら、その気持ちを伝えていただけたらと思います。必要としていただけるなら、また近々蘇って皆様の前に登場するかもしれないので……(笑)。

――楽しみに待ちます! ありがとうございました。

(取材・文=タナカシノブ)

上映情報

『PSYCHO-PASS サイコパス Sinners of the System Case.1 罪と罰』

1月25日(金)より公開
【CAST】
宜野座伸元/野島健児
霜月美佳/佐倉綾音
【STAFF】
SSストーリー原案・監督:塩谷直義
脚本:吉上亮
総作画監督:中村悟
シリーズ原案:虚淵玄
キャラクター原案:天野明
アニメーション制作:Production I.G
 

『PSYCHO-PASS サイコパスSinners of the System Case.2 First Guardian』

2月15日(金)より公開
【CAST】
須郷徹平/東地宏樹
征陸智己/有本欽隆
【STAFF】
SSストーリー原案・監督:塩谷直義
脚本:深見真
総作画監督:阿部恒
シリーズ原案:虚淵玄
キャラクター原案:天野明
アニメーション制作:Production I.G
 

『PSYCHO-PASS サイコパスSinners of the System Case.3 恩讐の彼方に__』

3月8日(金)より公開
【CAST】
狡噛慎也/関智一
【STAFF】
SSストーリー原案・監督:塩谷直義
脚本:深見真
総作画監督:恩田尚之、阿部恒、中村悟
シリーズ原案:虚淵玄
キャラクター原案:天野明
アニメーション制作:Production I.G
 
配給:東宝映像事業部
公式HP:psycho-pass.com/
 
(C)サイコパス製作委員会

公演情報

『舞台 PSYCHO-PASS サイコパス Virtue and Vice』

価格:8,800円(税込・全席指定)
■発売スケジュール:オフィシャル最速先行(抽選)1月23日(水)20:00~2月3日(日)23:59
■演出:本広克行(映画「踊る大捜査線」シリーズ、「幕が上がる」他)
■脚本:深見真(アニメ「PSYCHO-PASS サイコパス」シリーズ、「バイオハザード:ヴェンデッタ」他)
■ストーリー監修:Production I.G
■キャスト:鈴木拡樹、和田琢磨、中村靖日、多和田任益、小澤雄太、山崎銀之丞 他
■制作:ソニー・ミュージックエンタテインメント、ポリゴンマジック
■主催:舞台「サイコパス」製作委員会
■公式サイト:https://psycho-pass-stage.com/
■公式Twitter:@PSYCHOPASSstage
 
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