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『∀ガンダム』『ブレードランナー』など世界初公開作品を含む150点が展示!『シド・ミード展 PROGRESSIONS TYO 2019』

2019.4.29
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未来を透視してきた巨匠の軌跡を遡る一期一会の原画展が、東京限定で開催される。世界的インダストリアルデザイナー、シド・ミードの個展『シド・ミード展 PROGRESSIONS TYO 2019』が4月27日(土)から5月19日(日)までの23日間、アーツ千代田3331(東京・千代田区)にて開催される。日本での個展は34年ぶり3回目となり、今世紀では初開催となる大回顧展! 


 

公開前日の内覧会で“ビジュアル・フューチャリスト”として、数多くのクリエイターや作品に多大な影響を与えて来た世界的インダストリアルデザイナー、シド・ミードの世界をじっくり堪能できる原画展に潜入してきた。

 

今回の原画展では、が所有する膨大なアーカイブから厳選された画稿のほか、日本独自のセレクションを加えた【PROGRESSIONS】【The Movie Art Of Syd Mead】【TYO SPECIAL】【Memories Of The Future】の4つのパートで構成されている。

映画『ブレードランナー』が描いた2019年にあたる今年、さらに平成から新元号・令和へと切り替わる時代の境目という絶好のタイミングで開催される東京限定の原画展では、多数の世界初公開作品を含む150点が展示。プロダクトデザインにとどまらないシド・ミードの活躍に改めて唸る、圧巻のセレクションは見逃したくないところだ。

【PROGRESSIONS】では、シド・ミードの60年にわたるキャリアの中から、自薦したオリジナル作品50点が並ぶ。こちらのセレクションは、2012年から全米各地を巡回中のパッケージで、ミード・デザインのヴィークルや建物、宇宙、初期の作品集「センチネル」や「オブラゴン」などのカバーアートが含まれている。

シド・ミード作品の日本人コレクターである松井博司氏によると、今回の展示の中で一番古い作品である香港の港の様子を描いた水彩画は、シド・ミードのお気に入り作品とのこと。本作のみ水彩画となっている珍しい作品である。

【The Movie Art Of Syd Mead】ではシド・ミードが初めて映画に関わった『スター・トレック』(1979年)、SFの金字塔『ブレードランナー』(1982年)、シリーズ最新作の『ブレードランナー2049』(2017年)、『エイリアン2』(1986年)など、多数のハリウッド映画のデザイン・スケッチやイラストレーションを展示。本展開催にあたり、未製作映画や、未発表の初期デザイン、プロモーション用アートなども世界初公開されている。

 

この日特別に開催されたトークセッションには、『シド・ミード展 PROGRESSIONS TYO 2019』実行委員長の植田益朗氏、企画総合プロデューサーの渡辺繁氏、キュレーターの松井博司氏が登壇。本展開催に至った経緯、原画展に込めた想いなどを熱く語った。

植田氏は「残念なことに、若い方、特に40代以下の方は、シド・ミードについてあまり知らない方が多い」と前置きし、「本展をきかっけに若い方に注目してもらいたい」と意気込みを述べた。

松井氏は「誰も見たことがないものにしたかった」と想いを語り、「日本のシド・ミードファンが見たかったものが出来あがったと思います」と満足の表情を浮かべる。

 

植田氏は「見どころを絞るのは難しいけれど、例えば、難しいと思っていた 『YAMATO 2520』の展示は必見」と語る。壁面に拡大した原画は、実際には200分の1サイズで描かれたもの。10m刻みに40本、400mの設定で描かれたという。原画に描かれた人のサイズを見れば、その作業がどれほど細かいものだったのか想像できる。

 

『YAMATO 2520』や今年20周年を迎える『∀ガンダム』といったアニメーションを含めた、シド・ミードの日本でのプロジェクトにフォーカスした【TYO SPECIAL】。ここでは、『YAMATO 2520』のCADによる設計図やイラストレーション、『∀ガンダム』のモビルスーツデザインや、ポスターアートなどを展示。HONDAや国際スポーツウェアなどの作品も、世界初公開を含む多数が展示されている。なお、本展の音声ガイドは、シド・ミードがガンダムのデザインを手がけたテレビアニメ『∀ガンダム』で主人公ロラン・セアック役を務めた朴璐美が担当している。

【Memories Of The Future】では、シド・ミード研究家であり、コレクターでもある松井氏の秘蔵コレクションから、『Hot Wheels』のポスターデザイン他、鉛筆による下絵、マーカーによるスケッチ、トレース画、完成画に至る制作過程を原画で世界初公開している。

 

世界初公開やアジア初公開、日本独自など、本展に集められた作品がどれほど貴重なのかが伝わるキーワードが溢れる『シド・ミード展 PROGRESSIONS TYO 2019』。「想像力は私たちの未来を前進させる燃料」というシド・ミードのメッセージのように、想像力を存分に刺激される原画展。新しい未来、新しい時代に踏み出す絶好の機会に、足を運んでみよう。松井氏によると「原画がベストな状態で見ることができるのは、今回の個展が最後かもしれない。原画は劣化をし始めているので」とのこと。逃したくない一期一会の原画展は、5月19日まで。

(取材・文/タナカシノブ)

イベント情報

『シド・ミード展 PROGRESSIONS TYO 2019』

会期:2019年4月27日(土)~5月19日(日)
会場:アーツ千代田 3331 / 1Fメインギャラリー
(東京都千代田区外神田6丁目11-14)
時間:11:00 ~20:00(最終入場は閉館の30分前まで)
定休:会期中無休(館内施設は火曜定休)
料金:当日2,000円/学生(大学生・専門学校生以下)1,000円/小学生以下無料/障害者手帳お持ちの方および付添者1名無料
前売:一般1,800円その他、 特典付き前売券4種
発売:2019年2月16日(土)10:00より開始