新演出版が遂に日本で開幕、伝説が進化したマシュー・ボーンの『白鳥の湖~スワン・レイク~』
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マシュー・ボーンの『白鳥の湖〜スワン・レイク〜』 (撮影:瀬戸秀美)
1995年、男性がスワンを踊るという新解釈によりバレエ界に革命を起こした作品、マシュー・ボーンの『白鳥の湖~スワンレイク~』が新演出版となり、2019年7月11日に渋谷のBunkamuraオーチャードホールで来日公演が開幕した。
【動画】マシュー・ボーンの「白鳥の湖~スワン・レイク~」キャストよりコメント
美しさだけではないスワン
1995年の初演時に演出・振付のマシュー・ボーンと共に本作を創り上げたのが、あの世界的ダンサー、アダム・クーパーだった。今回アダムもこの新演出版の稽古に参加し、新スワン/ストレンジャー役のキャストに役の持つ本質的な部分を伝えた。「重要なのは美しさだけでなく、男らしさや繊細さも見せることです。本来動物が持つ怯えや強さなどをどう表現するか、初演時はそんなことばかり考えていました。初演から数年たち、この作品が少年たちがダンスを始めるきっかけとなり、男性の踊りの素晴らしさを感じてもらえることは本当に嬉しいことです」
マシュー・ボーンの『白鳥の湖〜スワン・レイク〜』 (撮影:瀬戸秀美)
伝説が進化を遂げて開幕!
また、ニュー・アドベンチャーズの芸術監督であり、演出・振付のマシュー・ボーンは、この新演出版に対して細部にまで見直し、初演以来はじめて、美術や振付などに手を加えた。
「白鳥の湖で人生が変わりました。私のカンパニーは古典バレエではなくコンテンポラリーのダンスカンパニーです。男性で白鳥の湖を、というアイディアはまるで夢を見たかのように湧き出てきた。この発想は掘り下げれば下げるほど面白く、とても心理的になったのです。そして初演以来はじめて、振付や美術、衣裳など細部にわたり見直し、元の良さを残しつつ変更を加えていきました。今も人々に感動と影響を与える力があるから上演をし続けています。ダンスファンでない方もこの公演を観にきてくださり、劇場を出る頃にはダンスの虜となっていると思います。」とボーンは語る。
マシュー・ボーンの『白鳥の湖〜スワン・レイク〜』(撮影:瀬戸秀美)
主役のスワン/ストレンジャー役を演じるのは、ウィル・ボジアー、マックス・ウェストウェル、そして、英国ロイヤル・バレエ団のプリンシパルダンサー マシュー・ボール(ゲストダンサー)だ。
マシュー・ボールのコメントを蔵出し
そのマシュー・ボールは去る6月の英国ロイヤル・バレエ団来日公演にも参加していた。その際に、SPICEライターの高橋森彦氏が、ボールから次のコメントを貰っていたので、ここに蔵出ししよう。
マシュー・ボール Photo by Johan Persson
(高橋)「ロイヤル・バレエ」とマシュー・ボーンのカンパニー「ニュー・アドベンチャーズ」はもちろん性質が違いますが、それぞれのカンパニーで踊るに際し、意識の持ち方など大きく変わる点はありますか?
「あまりアプローチを変えないことが大切だと思います。変えようとすると仕事のやり方を一から立て直さなければいけないので難しいからです。同じことを違う文脈の中でやっているように考えているし、ベストを尽くすために努力をするというシンプルなことでいいのです。そのようにアプローチすることの方が、よりベストな結果につながると考えています。でも、やはり他のカンパニーのダンサーと触れ合うことからインスピレーションを受けます。それを考えると、バレエ団内でもスタイルも背景も違ういろいろなダンサーが世界中から集まり、皆同じようにクラスを受けてリハーサルをして、夕方の7時半に舞台に上がっているので、それはどこにいても変わるわけではない。僕らがやろうとしていることは、舞台上でなんらかのアートあるいはマジックを作り出すことで、そのことに集中しなければいけなません。そのためには、どこにいても誰と踊っていても関係なく同じです」
マシュー・ボーンの『白鳥の湖〜スワン・レイク〜』(撮影:瀬戸秀美)
(高橋)日本滞在時の楽しみは何ですか?
「温泉です(笑)。英国ロイヤル・バレエ団の日本公演でも何回か行っています。回復につながり心と体を平穏にしてくれる効果があるので凄く好きなんです。日本食も大好きですし、バレエ団に仲のいい日本人ダンサーもいて、いろいろなところへ連れて行ってもらったりしています。素晴らしいアートギャラリー・美術館もたくさんあって、日本の文化は本当に豊かだと思います。古くからの日本と新しい日本の両方とも魅力的です。先日もチームラボの展示や森美術館で行われている塩田千春さんの展覧会に行きましたが深く美しかったです。日本は踊るためだけでなく、いつでも戻ってきたい場所なのです」
マシュー・ボーンの『白鳥の湖〜スワン・レイク〜』(撮影:瀬戸秀美)
公演情報
■日程:2019年7月11日(木)~21日(日)<全16回>
■会場:Bunkamura オーチャードホール
■料金(税込):
S席:13,000円 A席:9,500円 B席:6,000円
S席:バックステージツアー付 13,000円
※未就学児入場不可
※本公演の
■上演時間:1幕:70分 休憩20分 2幕:60分 計2時間30分(予定)
■演出・振付:マシュー・ボーン
■音楽:ピョートル・チャイコフスキー
■キャスト
スワン、ストレンジャー役:マシュー・ボール
スワン、ストレンジャー役:ウィル・ボジアー
スワン、ストレンジャー役/執事役:マックス・ウェストウェル
王子役:ドミニク・ノース
王子役:ジェイムズ・ラヴェル
女王役:ニコル・カベラ
女王役/ガールフレンド役:カトリーナ・リンドン
ガールフレンド役:キャリー・ウィリス
ガールフレンド役:フレヤ・フィールド
執事役:グレン・グラハム
執事役:ジョナサン・ルーク・ベイカー
執事役:アシュリー・ジョーダン・パッカー
ほか
※公演ごとの配役につきましては、ニュー・アドベンチャーズの意向により、公演直前での発表となります。公演中止の場合を除き、
キャスト・スケジュール表
■後援:TBSラジオ
■特設サイト:https://matthew-swan.com/