二期会シーズン・オープニング・コンサートでベッリーニ『清教徒』を上演 主演はソプラノ幸田浩子
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公益財団法人東京二期会は、 2019-20オペラ・シーズンの幕開けとなるコンサートを、 2019年9月1日(日)に横浜みなとみらいホール 大ホールで開催する。指揮は今年の5月にヴェルディ『運命の力』公演中に急病を患ったガエターノ・ソリマンに代わって急遽第4幕を指揮し、フランクフルト歌劇場デビューした森内剛が務める。
森内剛
演目はベッリーニの最後のオペラ『清教徒』を演奏会形式で上演する。多彩でドラマティックな表現にあふれるベルカント・オペラの最高峰に位置する作品だ。17世紀のイングランドを舞台に、対立する二つの勢力(議会党[清教徒]と王党派)の中で生まれた愛を軸に誤解や嫉妬が渦巻く中、最後は愛し合う二人が結ばれる物語は、シーズン・オープニング・コンサートにふさわしい作品だ。
聴きどころは、なんといっても主人公エルヴィーラ役の幸田浩子だ。早くから欧州の主要歌劇場へ次々とデビューし、 2000年には名門ウィーン・フォルクスオーパーと専属契約。 『魔笛』夜の女王役を始め、数々の重要な役を務めた。帰国後も『ばらの騎士』ゾフィー、 『ナクソス島のアリアドネ』ツェルビネッタ、『こうもり』アデーレなど、多くの名舞台で活躍している。エルヴィーラ役は、高音の美声、高度な技巧が要求されるソプラノ歌手にとっての大役だが、幸田はベッリーニの出身地であるカターニャ市にあるベッリーニ大劇場でもエルヴィーラを演じた経験がある。屈指の難役をいかに歌い上げるかに注目したい。
幸田浩子
また、アルトゥーロ役には超絶の高音の持ち主の大澤一彰、リッカルド役には長年ウィーン国立歌劇場専属ソリスト歌手を務めた甲斐栄次郎がキャスティングされる豪華な顔ぶれとなった。このキャストで観る『清教徒』は貴重な機会になるかもしれない。
17世紀半ばのイングランド。 議会党派(清教徒)のリッカルドは、 エルヴィーラとの結婚の許可を彼女の父親であるヴァルトン卿から得ていたにもかかわらず、 戦場から帰ってくると、 エルヴィーラは敵対する王党派のアルトゥーロに惹かれ、 彼と結婚することになっていた。 人々が城内に集まり結婚を祝っていたが、 アルトゥーロは、 その城に故チャールズ一世の王妃エンリケッタが捕らわれていることを知り、 王妃を逃すために二人で城を脱出する。 残されたエルヴィーラは、 彼が他の女性と逃げたと勘違いをし、 悲鳴をあげて錯乱する。 王妃を無事逃したアルトゥーロは戻ってきていた。 エルヴィーラは、 すべての事情を知って正気を取り戻したのだが、 議会党派の兵士によって、 アルトゥーロは捕らわれ、 リッカルドが彼の死刑を宣告する。 しかし、 死刑となる直前に、 王党派の決定的な敗北による戦いの終わりが告げられる。 もはや敵ではなくなったアルトゥーロの罪も消滅し、 エルヴィーラと彼は喜びの中で結ばれる。
公演情報
上演予定時間:約2時間40分(休憩1回を含む)