ブロードウェイ・ミュージカル『ウエスト・サイド・ストーリー』初日レッドカーペットセレモニー&公演レポート

2019.8.23
レポート
舞台

左から ジョージ・チャキリス、市村正親

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ブロードウェイ・ミュージカル『ウエスト・サイド・ストーリー』来日公演が、2019年8月22日(木)にIHIステージアラウンド東京で初日を迎えた。1950年代後半のニューヨーク、マンハッタンのウエストサイドを舞台に、ギャング集団の対立と若い男女の純愛を描いた名作ミュージカル。1957年のブロードウェイ初演以来、世界各国で上演されてきた本作が、360°客席が回転する劇場でどのような進化を遂げたのか。公演の模様を初日を彩ったレッドカーペットセレモニーのレポートと共にお伝えする。

 

ジョージ・チャキリス、市村正親ら豪華ゲストが「ウエスト・サイド・ストーリー」の思い出を語る

映画『ウエスト・サイド物語』でベルナルド役を演じたジョージ・チャキリスや、劇団四季在籍中に同作に出演した市村正親が、特設レッドカーペットに登場。『ウエスト・サイド・ストーリー』に関する思い出や初日公演に期待している点などを語った。

ジョージ・チャキリス:『ウエスト・サイド・ストーリー』は日本でもたくさん上演されていますが、360°ステージがある劇場での上演は初めてなので、どういうものになるのか大変興味を持っています。この作品は何度も上演され、いろいろな役者が演じてきましたが、初めて見る役者でも元々知っているようなそんな気になりますね。今回日本に来られてラッキーだし、色々な方にお会いできて本当にうれしいです。

市村正親:チャキリスと会っただけで大感激! 僕はベルナルドを45年前に演じました。今回は舞台が360°ということで、出るのは嫌ですね(笑)。観るのが楽しみですし、大変期待しています。来日公演の後は日本語版の上演もあり、今日から長く続きます。皆さんに楽しんでほしいです。

左から ジョージ・チャキリス、市村正親

デーブ・スペクター:同じミュージカルでも『ウエスト・サイド・ストーリー』は別格。音楽もストーリーも美しく、感動の連続です。僕は子役のときに、映画版のリタ・モレノさんとお芝居で共演したことがあるんです。ジャニー喜多川さんも映画『ウエスト・サイド物語』を観て、日本でもこういうエンターテインメントがやりたいと影響を受けた作品だそうですから、多くの人にとってトップのミュージカルなんじゃないかと思います。

デーブスペクター(写真左)

東儀秀樹:“老舗的”なミュージカルですよね。僕も小学生の頃に映画を観ました。今回新しい演出で、どう裏切ってくれるのか、どう料理をしてくれるのか、楽しみです。

東儀秀樹(写真右)

デヴィ・スカルノ:映画版を初めて観た時、すごくエキサイトしました。ジョージ・チャキリスさんのキレのあるダンスを強烈に覚えています。ああいったものが今日はステージで見られると思うと、とても楽しみ。「MARIA」「AMERICA」など名曲の数々や群舞を楽しみたいです。

デヴィ・スカルノ

草刈民代:映画を初めて観たのは小学生の時。その後、劇団四季でも観ましたし、ニューヨークシティバレエのバレエ公演も観ています。今日は久しぶりに『ウエスト・サイド・ストーリー』を観るので、楽しみにしてきました。

草刈民代

そのほか、えれな、岡本杏理、叶美香、八反安未果らも、ドレスアップした姿で初日公演に華を添えた。

左から えれな、八反安未果

岡本杏理

叶美香

当時のニューヨークにいるかのような没入感

巨大スクリーンに映し出されるオープニング映像と共に、オーバーチュアが流れる。スクリーンが開くと、そこはもう1950年代後半のニューヨーク、ウエストサイドの街角だ。ステージには、トニーが働くドラッグストア、マリアが働くブライダルショップや自宅、ダンスパーティーが開催される体育館、高架下や広場などのセットが緻密に立て込まれ、ウエストサイドの街全体が再現されたかのよう。客席から観ていて劇世界に迷い込んだかのような没入感を覚えた。

ブロードウェイ・ミュージカル『ウエスト・サイド・ストーリー』  Photo: Jun Wajda

見どころはなんと言っても、この劇場の機構を生かしたセット転換だろう。登場人物が歩くと追いかけるように客席が回り、気がつけば次のシーンへ。流れるように場面が変化し、物語が切れ目なく進んでいくのが魅力だ。舞台前の巨大スクリーンを広く開き街全体を俯瞰するように見せたり、狭く開けて一部の芝居に注目させたり、変化に富んだ演出に一瞬も目が離せない。

数々の名曲は言うまでもなく素晴らしく、大掛かりなセットに負けないほどパワフルな群舞や歌唱で魅せた俳優たちにも拍手を送りたい。

ブロードウェイ・ミュージカル『ウエスト・サイド・ストーリー』  Photo: Jun Wajda

10月27日(日)までの公演が終わると、11月から7ヶ月に渡る日本語版のロングラン上演が予定されている本作。まずは開幕したばかりの来日カンパニーの熱気を、劇場で体感してほしい。

なお、SPICEでは、8月22日(木)の本公演開幕に先立ち行われたプレビュー公演初日の模様もレポート(※関連記事参照)している。こちらも合わせて『ウエスト・サイド・ストーリー』の世界を楽しんでもらいたい。

取材・文・撮影=永瀬夏海 ステージ写真=オフィシャル提供(Photo: Jun Wajda)

公演情報

ブロードウェイ・ミュージカル『ウエスト・サイド・ストーリー』
※生演奏/英語上演/日本語字幕あり
 
<本公演>
■日程:2019 年 8 月 22 日(木)~10 月 27 日(日)
■会場:IHI ステージアラウンド東京
■座席料金:全席指定 15,000 円(税込)*未就学児入場不可
 
■原案:ジェローム・ロビンス
■脚本:アーサー・ローレンツ
■音楽:レナード・バーンスタイン
■作詞:スティーブン・ソンドハイム
■初演時演出&振付:ジェローム・ロビンス
 
■演出:デイヴィッド・セイント
■振付リステージング:フリオ・モンヘ
■エグゼクティブ・プロデューサー:ケヴィン・マッコロム(Alchemation)、 ロビン・デ・レヴィータ(Imagine Nation)、 吉井久美子(John Gore Organization)
 
■主催: TBS/ディスクガレージ/ローソンエンタテインメント/電通
■後援:TBSラジオ
■企画・製作:TBS
■招聘:TBS/VIS A VISION
IHI Stage Around Tokyo is produced by TBS Television, Inc., Imagine Nation B.V., and The John Gore Organization, Inc.
 
■オフィシャルHP