w.o.d.『RUSH BALL 2019』クイックレポート ーー夕陽輝くATMCで轟音の中にも美しい世界を

『RUSH BALL 2019』【ATMC】w.o.d.

ATMCでのw.o.d.のステージ、1曲目「スコール」からとにかく音がデカい！！　野外のフェス会場で、まるでライブハウスにいるかのように脳みそから手足の先、耳に残る残響までとにかく硬く、鋭い音が響く。もちろん、デカけりゃいいっていうわけではないが、このバンドに関してはとにかくこれが正解だし、これがかっこいい。

続く「THE CHAIR」、中島元良（Dr）のタイトなビートは確実に芯を突きながらも遊び心というか、絶妙な間合いやゆとりを感じる。そこへサイトウタクヤ（Vo.Gt）の渋さを効かせたギターリフがぐぐっと感情に入り込んでくる。ストイックな3人の音に魅せられ、徐々にフィールドへ吸い寄せられる観客たち。メンバーそれぞれが轟音を放つ「丸い真理を蹴り上げて、マリー。」、Ken Mackay（Ba）のリズムはとかくきっちり的を得ていて、観客は次々に彼のリズムに酔わされていく。

ステージ後半はMCもさらりと、「サニー」「Wednesday」へと続く。美しい夕焼けに照らされるなか、グランジ/ガレージサウンド特有の退廃的な空気、サイトウの気怠げな声はこの時間にぴったりとハマり、なんとも言えない美しい世界を作り上げていく。「Fullface」では3人が奏でる音は爆音のなかにも円熟味を持ち、ラスト「lala」まで圧倒的なサウンドで以て観客を驚かせた。

9月11日には2ndフルアルバム『1994』をリリースし、その後はツアーを予定しているという彼ら。是非、ライブハウスに足を運んで彼らの生のステージを体感してほしい。

取材・文＝黒田奈保子　撮影＝田浦ボン

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