障がい・性・世代・言語・国籍などのあらゆる多様性があふれ、皆が支え合う社会を目指す「True Colors Festival ―超ダイバーシティ芸術祭―」開催

2019.9.7
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RYUCHELL、乙武洋匡、笹川陽平日本財団会長、ラブリ、IVAN

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 日本財団では、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会を控え、「障がい・性・世代・言語・国籍などのあらゆる多様性があふれ、皆が支え合う社会を目指し、ともに力を合わせてつくる」をコンセプトに、「True Colors Festival ―超ダイバーシティ芸術祭―」を開催することを去る8月23日に発表した。クライマックスとなる2020年7月18〜19日の「True Colors CONCERT」に向け、この9月からダンス、ミュージカル、音楽、演劇、ファッションショーなど、多様なイベントを実施していく。

 日本財団では行政、民間ができない、手が届かないところにあるより複雑な社会課題を解決していくことを一つのミッションに掲げており、「True Colors Festival ―超ダイバーシティ芸術祭―」は障がい者自身による表現活動、あるいは自立的、自発的活動を後押ししていくことを目指した国際障がい者芸術祭という取り組みがその原型になっている。国際障がい者芸術祭は、2006年にラオス&ベトナム、2008年にカンボジア、2013&14年にミャンマー、2018年にシンガポールで開催され、シンガポール大会では22カ国100名以上のアーティストが登壇し、のべ10,000人が参加した。

 日本財団が10〜60代・5000人以上を対象にした調査によれば、86.8パーセントの人びと多様性に富んだ社会の重要性を認識しているものの、社会的マイノリティに心の壁を感じている人も73.4パーセントにのぼるという。
 「“True Colors”ということで名称から障がいという言葉が消えております。それは障がいの有無だけではなく、性、世代、国籍などの違いを包み込んで、いろんな人とまぜこぜになって開催する芸術祭として改めて位置付けし直して、実施したいと思っているからです。ダイバーシティと言われる通り、人によっていろんな違いがございますが共通点もあると思います。そういったものを楽しみながら、いろんな人と手を携えながら、1年間かけて芸術祭をつくり上げていきたいと思います。単にパフォーマンスを鑑賞していただくだけではなく、参加体験を通じて、多くの気づきを生み出す、参加した方同士で対話をしていただいたり、あるいはアーティストと対話したりなど、深い体験の機会をたくさんつくることで、そういった意識の変化を生み出したいのです。“True Colors”という言葉は、肌の色よりももっと奥底にあるその人本来の色合いという意味があります。すべての人がその人らしく生きていかれる社会をつくるためにこのフェスティバルを実施していきます」(日本財団特定事業部True Colorsチームリーダー、青木透)

 その実施内容は、ダンス、ミュージカル、音楽ライブ、演劇、ファッションショーなど身体表現によるシリーズ「True Colors パフォーミングアーツ」、アクセシビリティを高めるために募集したボランティアが専門的なレクチャーや実践的な研修を経て運営に関わっていく「True Colors アテンダント」、次世代のダイバーシティを推進する人材の育成を目指して公開講座などを実施していく「True Colors アカデミー」、多様なメッセージをTシャツにして表現していく「WEAR YOUR True Colors プロジェクト」が軸になる。

True Colors パフォーミングアーツ

True Colors アテンダント

 この日、第1弾、第2弾のイベントとして、多国籍の障がい者によるブレイクダンスチームが日本のトップダンサーとダンスバトルを展開する「True Colors DANCE―No Limits―」、サンディアゴ・バスケス、水曜日のカンパネラのコムアイ、大友良英らアーティストとともにアルゼンチン料理や自然食の屋台がフェスティバルを盛り上げる「True Colors BEATS “Uncountable Beats Festival”」が合わせて発表された。

ILL-Abilities

サンディアゴ・バスケス

 またアンバサダーとして参加する、IVANラブリRYUCHELL乙武洋匡の4名が紹介され、次のように挨拶した。

True Colorsのオリジナルの手話を実践

IVAN
「私は国籍、性別などそういうものにとらわれずに生きています。その中で、このダイバーシティという考え方に共感したんですね。その意義を多くの人たちに浸透させていけたらなと思いまして、一緒に力を合わせてやっていきたいなと思いました。私もダンスや芸術、ファッションに関わっています。このプロジェクトにとても共感しているので、True Colors Festivalのコンセプトをより多くの人に伝えていきたいです」

ラブリ
「私は日ごろから芸能活動とは別に表現活動を行なっています。自分で言葉を書いたりとか、詩を書いたり、展示をしたり。自分にしかできない表現を通して、多様性を伝えていきたいと思います」

RYUCHELL
「小さいころから、女の子が好きな可愛いものが大好きだったり、興味があったり、少し人と違う個性があって、それが原因でかわれたりもしました。その当時は僕みたいなタイプが珍しかったので、本当の自分をわかってもらえる日がいつ来るんだろうとすごく思っていたんです。からかわれたりしたことで自分を偽ったこと、人に嫌われたりバカにされたくなくて男っぽく演じたこともあったんですけど、そのことで本当の友達や仲間ができずすごく孤独だったんですね。でも偽らずに本当に自分の色を信じていきたいと自分が変わったことで、素晴らしい仲間にも仕事にも巡り会え、今の自分にようやくなれたんです。(いろんな立場の人びとを)そういうふうに皆さんがみてくださって、(誰もが)少しでも輝けるように、今回協力したいと思っています」

乙武洋匡
「マイノリティというのは働くということ、家族を持つということ、社会の中で生きていく上で、やはりさまざまな障壁がまだまだ存在していて、どうしてもできにくいこと、制度的に認められていないことなどがたくさんあります。そういったことを一つ、一つ可視化して声を上げていくことも大切ですが、その真逆なアプローチとして、こうやって一緒にやっていくこともできるんですよということを示せる楽しいイベントも同じくらい大事なのかなと思っています。どこかの芸術祭は政治的な分断を生むような出来事もありましたけど、こちらは人びとを包摂していく芸術祭としてマスコミの皆さんにも大々的にアピールをしていただければ大変ありがたいなと思っています」

ロゴデザイン

 なお、グラフィックデザイナー・服部一成によるロゴは「多様な形の文字の集合によるもので、文字のアウトラインは閉じずに開いていて、さまざまな色で塗られることでできあがっている。丸いもの、直線的なもの、アンバランスなもの、個性的な文字が並び、フェスティバルを彩る」というコンセプトによる。

取材・文:いまいこういち

イベント情報

「True Colors Festival ―超ダイバーシティ芸術祭―」
■期間:2019年9月〜2020年7月
■会場:渋谷ストリーム、代々木公園、Hareza池袋、有明ホール(仮)ほか
9月 「True Colors DANCE」
10月 「True Colors BEATS」
11月〜 「True Colors ACADEMY」
1月 「True Colors JAZZ」
2月 「True Colors MUSICAL」
3月 「True Colors DIALOGUE」
4月 「True Colors FASHION」
5月 「True Colors CIRCUS」
6月 「True Colors THEATER」
7月 「True Colors CONCERT」

「True Colors DANCE―No Limits―」
■日時:2019年9月10日(火)14:00〜18:00 
■会場:渋谷ストリーム前・稲荷橋広場(渋谷区渋谷3-21-3)
料金:入場無料(申込不要)
※ゆずりあいゾーン(車椅子をご利用の方、体の不自由な方、聴覚障害のある方、小さなお子様をお連れの方への優先ゾーン)、手話通訳、日本語字幕、筆談ボード、多目的トイレ(渋谷ストリーム2F)、有料駐車場あり(渋谷ストリーム施設内)、会場案内スタッフあり
■ブレイキン・バトル出演:ILL-Abilities/The Floorriorz Bboy Shigekix Bgirl Ram Bboy Taisuke
■ショーケース出演:SOCIAL WORKEEERZ LJ BREAKERS(from LOVE JUNX)
■MC:KITE Chigusa
■解説:Bboy Katsu1 
■舞台手話通訳:はしもといちろう
第一部(14:00-15:00):ショーケース/ブレイキン・チーム・バトル
第二部(17:00-18:00):ショーケース/ブレイキン・ソロ・バトル
※第一部、第二部の間にILL-Abilities、Bboy Katsu1、KITEによるトーク、UNO、NOPPO(s**t kingz)によるワークショップ“connected”開催(WSは受付終了)
■公演及びワークショップに関する問合せ:True Colors Festival 事務局
TEL:03-6455-3335(平日10:00〜18:00)、FAX:03-6455-3336、Eメール:info@truecolors2020.jp

「True Colors BEATS “Uncountable Beats Festival”」
■日時:2019年10月22日(火・祝)12:00〜18:00 *ライブは14:00〜18:00
■会場:代々木公園野外ステージ・イベント広場(渋谷区代々木神園町2-1)
料金:入場無料(申込不要)
※ゆずりあいゾーン(車椅子をご利用の方、体の不自由な方、聴覚障害のある方、小さなお子様をお連れの方への優先ゾーン)、筆談ボード、多目的トイレ、近隣に有料駐車場あり、会場案内スタッフ多言語対応
■イベント・ディレクター:サンディアゴ・バスケス
■ゲストアーティスト:ermhoi xiangyu 岩崎なおみ 大友良英 角銅真実 勝井祐二 コムアイ フアナ・モリーナ ミロ・モージャ
■ゲストバンド:YAKUSHIMA TREASURE(水曜日のカンパネラ×オオルタイチ) Monaural mini plug
■公演及びワークショップに関する問合せ:True Colors Festival 事務局
TEL:03-6455-3335(平日10:00〜18:00)、FAX:03-6455-3336、Eメール:info@truecolors2020.jp

【関連イベント】
サンチャゴ・バスケスBEATSワークショップ

■日時:2019年10月19日(土)、20日(日)各日14:00-18:00
■会場:日本財団2階大会議室(港区赤坂1-2-2)
■応募条件:
①10月19日(土)、20日(日)のWSと10月22日(火・祝)のステージ、3日間すべてに参加できる方。
②会場までの介助が必要な方は、介助者の同伴をご自身で手配可能なこと。
③18歳未満の方は保護者の同意を得てご参加ください。
■定員:100名程度
■応募締切:2019年10月17日(木)*障害のある方でサポートが必要な方は9月29日までにお申し込みください。

■公式サイト:https://truecolors2020.jp/
  • イープラス
  • 乙武洋匡
  • 障がい・性・世代・言語・国籍などのあらゆる多様性があふれ、皆が支え合う社会を目指す「True Colors Festival ―超ダイバーシティ芸術祭―」開催