春奈るなインタビュー「glory days」を聴き込んで劇場版『冴えない彼女の育てかた Fine』を観てほしい――

2019.10.26
インタビュー
アニメ/ゲーム

撮影:福岡諒祠

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アニメ『冴えない彼女の育てかた』第1期OPテーマ「君色シグナル」から、最新作、劇場版『冴えない彼女の育てかた Fine』の主題歌「glory days」と、まさに作品と寄り添ってきた春奈るな。今回は学習院下駅周辺を聖地巡礼しながら、『冴えない彼女の育てかた』について、そして楽曲について訊いた。


音楽性を広げるきっかけになったTVアニメ第1期OP「君色シグナル」

――先ほどまで『冴えない彼女の育てかた』の舞台イメージとなった学習院下駅周辺を探訪しましたが、聖地巡礼の感想はいかがでしたか?

『冴えカノ』に関わらせていただいて4年ぐらい経つんですけど、実は聖地には初めて来たんですよ。とにかく圧倒されましたね。

――キービジュアルや本編でも有名な「のぞき坂」にも登りましたね。

想像の倍以上の、ボリューミーな坂でしたね。あれを安芸くんはチャリで全走力で降りたわけですからね(笑)。

――そんな春奈さんと『冴えカノ』との付き合いも4年を数えますが、その原点となるのが、TVアニメ第1期のOPテーマ「君色シグナル」になります。

そうですね。あと「君色シグナル」は私の楽曲のなかにポップな路線が初めて入ってきたんですよね。そういう意味では私の音楽キャリアにとってもターニングポイントになった作品ですね。

――当時デビューして3年目、春奈さんの音楽性を広げるきっかけにもなったわけですね。

「君色シグナル」を歌って、音楽で表現をすることがより楽しくなったというか。それまではわりとシリアスな作品に携わらせていただくことが多かったんですけど、『冴えカノ』のような学園ものとかの楽曲を歌うことで、「こういう楽しさもあるんだ」って自分の幅が広がった時期でしたね。

――自分の音楽性が広がっていくことへの楽しさを感じていった時期だと。

「自分がポップな路線に行ったらどんな化学反応があるんだろう?」っていうドキドキ感はありましたね。歌ってみたら楽しかったし、それこそMVでもそうでしたし、そこから自分の表現方法や歌うときの表情も変わってきたような気がします。

撮影:福岡諒祠

撮影:福岡諒祠

――ライブも含めてパフォーマンスが進化していったのもこの時期ですね。

「君色シグナル」をリリースしたあとのライブから、ダンサーさんに入ってもらったり。そういう点でもいろんなチャレンジをした4年前でした。当時はちょっとした葛藤もありましたけど、そこから4年経ってポップもシリアスもマルチに歌っていくというのを認知していただけたのかなと思います。

――まさに今、「君色シグナル」はさまざまな層から支持される、春奈さんの代表曲となりましたね。

そうなんですよね。国内外どこに行っても喜んでもらえる楽曲でもあるし、「『君色シグナル』を歌わない春奈るなは春奈るなじゃない」っていう声もあって(笑)、改めて自分にとっての名刺みたいなものなんだって気づかされるというか。ありがたいですよね、そういう楽曲があるというのは。

――そこから2年後、『冴えない彼女の育てかた♭』のOPテーマ「ステラブリーズ」をリリースします。こちらは春奈さんの単独での作詞となりました。

難産でしたね、これは。1期でもOPテーマを歌っていたし、物語を理解しているからこそ、あの要素を入れたいこの要素を入れたいという想いもあったし。あとファンでも解釈というものはそれぞれ違うじゃないですか。もしかして「るなちゃんの解釈違うんだけど」ってなったら怖いし、そうやって葛藤を繰り返していたら2ヵ月経っていたという(笑)。

――大好きな作品だけに悩むというのはありますよね。

毎日悩んでいましたね。いいワードがあればメモしてみたり、でも文字数が合わないから捨てなくちゃいけない言葉があったりもどかしかったですね。

――またそれはこういう作品だからこそというか、ゲーム制作に悩む安芸くんたちの想いが春奈さんに憑依したようでもありますよね。

ああ、そうかもしれないなあ。でも最終的にはいいものができました。

撮影:福岡諒祠

撮影:福岡諒祠

「glory days」は歌詞カードを見ながら聴いてほしい

――そんなTVシリーズの楽曲を手がけて、いよいよ今回、劇場版『冴えない彼女の育てかた Fine』の主題歌「glory days」がリリースとなりました。まさに集大成と言える感動的なバラードになりましたね。

これまでとはガラっと変わったバラードで、自分でも聴くとラストというのを感じちゃうんですよね。

――まずは『冴えカノ』の劇場版制作、そしてその主題歌を自身が手がけると聞いたときのお気持ちはいかがでしたか?

劇場版が発表されたときに、私、ステージ上で号泣してしまったんですよ。そのときは自分が関われるかはまだわからなかったんですが、単純に『冴えカノ』の劇場版があるというのがうれしくて。そのあとに、自分も携われるというお話をいただいて、そんな作品にまさか自分の歌声を乗せてもらえるなんてという感動がありました。

――TVシリーズとは違って、劇場作品というのがまた感慨深いですよね。

そうですね。それと私自身、劇場作品の主題歌を歌うのが人生で初めてなんですよ。映画館だとどういうふうに響くのかなとか、そういうドキドキ感もあったんですけど、とにかくすごくうれしかったですね。

――さまざまな想いが交錯したんですね。

もちろん作品としても集大成なので、めちゃくちゃプレッシャーはありましたね。制作としては楽曲制作に入る前に、まずシナリオを泣く泣く読ませていただいて(笑)。

――主題歌を手がけるにはネタバレは避けては通れませんからね(笑)。

本当は劇場でみんなと同じタイミングで観たかったんですけど、しょうがないって最後まで読ませていただきました。もちろん感動する部分もあれば、『冴えカノ』らしい笑いもあるんですけど、とにかく感じたのはファンの望んでいるものを作品に入れ込んでくださっているということですね。ただでは終わらせないというか、脚本を読んだ限り、すごく満たされる作品でした。

――そんな作品の主題歌となる「glory days」ですが、今回は歴代のED曲を手がけてきた沢井美空さんとの初共作となりました。

そうなんです。ありがたいことに。

撮影:福岡諒祠

撮影:福岡諒祠

――楽曲の制作工程としては、まず沢井さんから楽曲が来て、春奈さんが歌詞を加えていくという感じですか?

まず沢井さんから、ある程度の歌詞も入っている状態の曲が来て、プリプロの段階でここをもうちょっとこうしたら安芸くんらしくなるかも、恵っぽくなるかもって歌詞をブラッシュアップしていきました。やっぱり私のなかでも『冴えカノ』の集大成でもあるので、聴いていくとこれまでのストーリーを振り返られるものにしたいなと思って、これまでのOP・ED楽曲のタイトルを入れたり、細かく話し合いながら歌詞を組んでいきましたね。

――それもあってこれまで『冴えカノ』を追い続けてきた人にとっては非常にエモーショナルな歌詞になりましたね。

エモいです(笑)。私だったら、映画の最後でこういう歌詞のこういう曲が聴きたいなっていうのを客観的に捉えて、手を加えさせていただいたという感じですね。これは絶対、歌詞カードを見ながら聴いてほしいです。

――歌詞の時点で非常に神経を使ったとなると、レコーディングもまたこれまでとは異なる感じでしたか?

はい、歌い方もだいぶ神経質になりましたね。そこはすごい意識しました。『冴えカノ』の集大成プラス、劇場でかかるとなると一切のブレがあってはならないと思っていたので、特に歌い出しは緊張しました。先日テレビ収録があって、レコーディング後に初めて歌ったんですけど、すごく緊張感があるんですよね。歌詞がストレートというのもあるし、集大成を飾る曲というのもあるので、私も緊張感を持って歌っていきたいと思います。

――また、春奈さんの『冴えカノ』楽曲恒例の、曲終盤のセリフも入っていますね。

『冴えカノ』の楽曲には必ずあるんですよね。「君色シグナル」が「あのね」、「ステラブリーズ」が「いつかきっと」、そして今回の「glory days」が「ねえ、聞いて」ですね。セリフの内容は、作品とどこかリンクしているといいなと思っていて、サビ頭で「大好きだよ」って盛大な告白をしているので、「ねえ、聞いて」って注意を呼びかけてからというのがいいじゃないかなって。セリフのそのあとを待ちたくなるような、そのまま最後の「大好きだよ」に向かっていくんですね。

――まさに春奈さんにとっても一連の集大成を飾るにふさわしい一曲になりましたね。

この曲を聴いて終わりを感じるんですけど、その先の未来も感じてほしくて。これでひとつ終わってしまいますけど、そのあとドラマCDとかOVAとかいろんな手立てはあるじゃないですか(笑)。だからサビの最後には「夢の向こうでも 変わらずに そばにいたいから」っていう、未来を予感させる言葉を入れたかったんです。ただのいち個人の願望でもあるんですけどね。

撮影:福岡諒祠

撮影:福岡諒祠

――さて、本作「glory days」には表題曲や春奈さんが歌った歴代のOP曲のほか、沢井美空さんの「カラフル。」と妄想キャリブレーションの「桜色ダイアリー」というED曲をカバーしています。

実は、誰かの曲をカバーするのも初めてでした。自分の曲のセルフカバーはベストアルバムでやったんですけど、ほかのアーティストの方のカバーは初めてですね。でも「カラフル。」はもともと聴き込んでいた楽曲なので、歌い方とかは逆に寄せたいなと思っていて。カバーして全然違うものにしてしまうよりは、沢井美空さんの歌い方とかエッセンスを残して歌いたいなっていうのはあったので、原曲に寄り添いながら自分の解釈で歌いました。

――また「桜色ダイアリー」も、妄想キャリブレーションの曲をひとりで歌うというものですね。

この曲めちゃくちゃ難しかったんですよ! 5人で歌っていたものをひとりでっていうのもあって、自分の歴代の曲のなかでもないような難しさで、レコーディングはいちばん時間がかかった気がする。サビの勢いを大事にしたかったので、この曲は初めてサビから録り始めてみました。サビはボーカルもダブル(二回かさねる)にしているので、ひとりで歌っているんだけどワイワイしているというか、サウンド感で工夫してみました。

――こうして『冴えカノ』の魅力が一枚に詰まったEPとなりましたが。これを聴いて劇場版を観ると、より作品を楽しめそうですね。

そうそう、そうなんですよ。「glory days」はとにかくメッセージ性が強い曲だし、今までのことも振り返られる曲でもあるので、聴き込んでから観ていただくと、また別の楽しみがあると思います。歌詞にも観た人ならわかるワードが散りばめてあるので。

――また本作リリース後には、11月にワンマンライブが控えています。

前回の8月のライブ「ルパとアリエスのgastronomie」がわりとコンパクトなセットリストだったので、今回は多めにしようかなと。でも去年のライブ「LUNAtic Typhoon」は27曲やっていますからね。あのときは終わったあとガチで死ぬかと思いましたけど(笑)、そこで歌い切れたという自信もつきました。最近はライブに向けて、エアロバイクで体力も強化してるんです。もちろんワンマンのあともるな充できるので、今年もまだまだアクセルをふかしていきたいと思います!

撮影:福岡諒祠

撮影:福岡諒祠

撮影:福岡諒祠

 

取材・文:澄川龍一  撮影:福岡諒祠

ライブ情報

春奈るな LIVE 2019 “blessing days”

■日程:2019/11/16(土)開演:17:00~ (開場 16:30~)
■会場:Mt,RAINIER HALL SHIBUYA PLEASURE PLEASURE (東京都)
■料金:全席指定:¥6,480

リリース情報

~『冴えない彼女の育てかた』シリーズコンプリートEP~
春奈るな 「glory days」

2019年10月23日(水)Release!

【ご購入はこちら】
https://harunaluna.lnk.to/0cSSJSuj

【「glory days」(Music Video / YouTube EDIT)視聴はこちら】
https://youtu.be/QUY-cMtN4y4

【収録楽曲】
M1 glory days ※劇場版『冴えない彼女の育てかた Fine』主題歌
M2 君色シグナル ※テレビアニメ『冴えない彼女の育てかた』OP
M3 ステラブリーズ ※テレビアニメ『冴えない彼女の育てかた♭』OP
M4 カラフル。 (原曲:沢井美空 2015年)※テレビアニメ『冴えない彼女の育てかた』ED
M5 桜色ダイアリー(原曲:妄想キャリブレーション 2017年)※テレビアニメ『冴えない彼女の育てかた♭』ED
M6 glory days -Instrumental-
M7 カラフル。-Instrumental-
M8 桜色ダイアリー -Instrumental-
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