メリー 18周年記念公演『ノスタルジヰ』初日公演オフィシャルレポート
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メリー
メリーが11月7日に恵比寿LIQUIDROOMで開催した『メリー18周年記念公演「ノスタルジヰ」』のオフィシャルレポートが到着した。
11月7日、東京・恵比寿LIQUIDROOMにて、メリーが『メリー18周年記念公演「ノスタルジヰ」』を開催、大勢のファンとともに盛大に記念日を祝った。
メリーの結成からちょうど18周年にあたるこの日、彼らが客演に迎えたのは、今年劇的な復活を遂げた盟友deadman。結成当初のメリーが大きな刺激を受けていた特別な存在だ。この両者が創り出した光と闇の名場面の数々は、宴の夜にふさわしい鮮烈なものとなった。
メリー
インパクト絶大のパフォーマンスを見せた先攻のdeadmanが去り、いくばくかの時が経過した頃、メリーのステージの幕が開く。場内には歴代のオープニングSEが目まぐるしく鳴り響き、フロアをタイプスリップ感覚へと誘う。ガラ(Vo)、結生(G)、健一(G)、テツ(B)、ネロ(Dr)の5人が舞台に勢揃いすると、ガラがマイクスタンドを頭上に掲げたのを合図に「バイオレットハレンチ」が炸裂。全力で飛び跳ねる観客が続出し、場内には序盤から暑苦しいほどの熱気が広がっていく。この日のメリーは、彼らが得意とする歌心はもちろん、周年公演特有のスパークがメンバーにも観客にも共有されていて痛快だった。たとえば、妖しく卑猥なムードが増幅された「ビニ本2丁目八千代館」や、ガラがマイクを通さずに歌い出し、その後の大合唱へと導いた「ジャパニーズモダニスト」に心打たれるものがあった。
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その後も「溺愛の水槽」や「黄昏レストラン」といったメリーの18年の歴史を彩ってきた名曲が続いたのだが、強く印象に残ったのは、「Kamome Kamome」や「Toxicosis Island」などの近年の楽曲がメリーの歴代の代表曲の仲間入りを果たしている点だ。新旧のバランスが巧妙なこの日のショウ構成に、ライブバンド・メリーの豊かな経験値を感じさせられた。
声を限りに叫び想いを届けるガラ、情緒と刺激たっぷりの音色を響かせる結生と健一のギター・コンビ、deadmanのサポートと併せこの日2ステージでの大活躍となったテツ、文字通り全身全霊の熱気を体中から発散させるネロ。「絶望」で横一列に並んで歌い奏でる彼らの姿を観た時、この5人だからこそ出せる色彩があると感じた。「千代田線デモクラシー」で本編を締め括るまで、ほぼノンストップの汗まみれの饗宴が続いた。
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アンコールに応えて、5人が再び姿を現わすと、ガラがメリーを代表して、18年間を共に歩んだファンに感謝の言葉を述べる。「眞呼さん(の蛍光塗料を使ったパフォーマンス)を見てたら、俺も久々に墨汁を吐こうかなって思った」と彼は観衆の笑いを誘ったのだが、その直後「今のメリーで勝負したい。今の俺たちを見てもらいたい」と発した一言に、過去に甘えることなく、この先も突き進んでいく彼らの強い決意を感じた。
「sweet powder」で場内の熱を再び引き上げ、そのまま「妄想rendez-vous」で輝かしい光景を生む。ラストは今のメリーの代表曲の一つ「最後の晩餐」で切なく烈しくこの夜を締め括った。上半身裸になったガラがステージの上手と下手で豪快に三点倒立を披露し、舞台中央で吠えた頃、時計の針は午後9時半を回っていた。戦友deadmanという最高の客演を迎え、メリーの過去の名曲群の“ノスタルジヰ”にたっぷり浸ると同時に、彼らが未来にどんな新たな名曲を生み出してくれるのか期待が膨らむライブだった。
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そんなメリーのむき出しの生きざまを体感できる機会がこの先も待っている。まずは『メリー18周年記念公演「ノスタルジヰ」』を掲げた単独公演が11月23日および24日に神戸・クラブ月世界で、12月28日にメリー初の地方ホール公演となる愛知・豊橋市公会堂で行なわれる。
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また、年明けには、『メリー東京圏沿線GIG #2 ドリームキラー ~中央線編~』が後半戦に突入する。1月5日の新宿ANTIKNOCKから2月8日の神田明神ホールにかけて、どんな趣向が飛び出すのか目が離せない。一つでも多くの会場に足を運び、現在のメリーと共に痛快な未来を描きたい。
文=志村つくね 撮影=中村卓
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