ミュージカル『ビリー・エリオット~リトル・ダンサー~』ビリー役・中村海琉「世界で一人だけのビリー・エリオットになりたい」/連続インタビュー③

2020.2.27
インタビュー
舞台

中村海琉 (撮影:山本れお)

画像を全て表示(3件)


2017年夏に東京・大阪で上演され大ヒットしたミュージカル『ビリー・エリオット~リトル・ダンサー~』日本人キャスト版が、2020年7月から新たなキャストを迎えて東京・大阪で再演される。

物語の舞台は1980年代のイギリスの炭鉱町。ひとりの少年がプロのバレエダンサーを目指す。その主人公・ビリー役に今回選ばれたのが、川口 調(かわぐち・しらべ)くん、利田太一(としだ・たいち)くん、中村海琉(なかむら・かいる)くん、渡部出日寿(わたなべ・でにす)くんの4人である(五十音順)。

ビリー役には、歌や演技はもちろん、バレエ、タップ、ジャズなど各種ダンスの技術が求められる。応募総数1511名の中から、約1年間にわたる厳しいオーディションを経て、見事に主役の座を射止めた今回の少年たち。彼らがビリー役に決定した翌日(2019年12月)に、SPICEはインタビューをおこなった。その模様をひとりずつ(五十音順に)シリーズでお届けする。

(左から)川口 調 利田太一 中村海琉 渡部出日寿  (撮影:山本れお)

第三回目となる今回は、中村海琉くん。2008年生まれ、神奈川県出身。歌唱力を活かして、ボーイソプラノユニット“ソプラノ♪7ボーイズ”のメンバーとして活躍中。初演オーディションに参加後も研鑽を積み、得意のタップダンスを活かし、見事ビリー役を射止めた。
 

ーービリー役が決まって、今はどんな気持ちですか?

嬉しいです。

ーー『ビリー・エリオット』のオーディションを受けようと思った理由は?

お姉ちゃんがバレエを観に行くというので、ついて行ったことがありましたが、その時は正直あまり自分がダンスをやりたいとは思いませんでした。その後、家族と一緒に前回の『ビリー・エリオット』の公演を観に行きました。その時に「すごいな」「僕もこういう風になりたいな」と思い、それで、オーディションを受けました​。

ーーオーディションの感想をお聞かせください。

レッスンでは、地方から来る人と会い、いろいろと話をするのが楽しかったです。印象的だったのは、僕があまり人と目を合わせることが苦手だったから、そう言われたのですが、演技のレッスンの時に「目を合わせて」と言われたことです​。

ーー学校で好きな教科は何ですか?

図工です。工作とか作業をするのが好きです。特に絵を描くのが好きです

ーー趣味は何ですか?

絵も趣味ですが、他には、魚を研究することです。家には今、ドジョウやタナゴなど水棲の生き物がたくさんいます。とった魚の名前を調べたり、オスかメスか、調べたりするのがとても好きです。
  
ーーこれまで影響を受けた作品などありますか?

影響を受けた作品は、やはり『ビリー・エリオット』です。映画版のDVDも、前回の舞台も見ました。
  
ーー将来の夢は何ですか?

ニューヨークで活躍できるダンサーです。 
 
ーー2020年夏の本番に向けて、自分自身の中で課題だと思っていることはありますか?

僕の強みは、3歳から習っている歌なのですが、反対にバレエはまだ足りていないと思うので、本番までにしっかりできるように、トレーニングを頑張っています。

ーー舞台では、どんなビリーになりたいですか?

来たお客さんの印象に残る、誰とも違う世界で一人だけのビリー・エリオットになりたいです

ーー劇中でお気に入りの場面やセリフはありますか?
  
「Solidarity」のシーンです。ビリーが少しずつ成長していき、最後にはアラセゴン・ターン(バレエの基本的な回転のひとつ)をできるようになるところがすごく格好いいなと思いました​。
 
ーーあなたがビリーと共通するところ、或いは、ビリーに共感するところは何かありますか?

ビリーはバレエをやりたかったけれど、最初は少し恥ずかしかったのかなと思うんです。僕も最初バレエをやる時、やりたいとは思いながらも、周りに女の子しかいなくて、それがちょっと恥ずかしくて、行きたくなかったということがありました。そこが似ているのかなと思います​。 

ーーそれでは最後に、読者の皆様に一言お願いします。
  
僕は小学2年生から習っているタップが得意です。僕の歌やタップをぜひ注目して欲しいなと思います。

中村海琉 (撮影:山本れお)

ミュージカル『ビリー・エリオット ~リトル・ダンサー~』は、2000年に公開された映画「リトル・ダンサー」をエルトン・ジョンの音楽でミュージカル化した舞台作品。映画版の監督スティーヴン・ダルドリーが舞台版でも演出を手掛けた。脚本は「ロケットマン」を手掛けたリー・ホールが担当。2005年にミュージカルの舞台がロンドンで開幕すると空前の大ヒットを記録し、イギリスで最も権威ある演劇賞ローレンス・オリヴィエ賞で最優秀新作ミュージカル賞を含む4部門を受賞。2008年にはブロードウェイに進出、トニー賞10冠の快挙を成し遂げた。2017年日本初演では、東京と大阪で約4か月に渡る異例のロングラン公演をおこない、16万人を動員し、数多くの演劇賞を受賞するなど大成功を収めた。

取材・文=五月女菜穂

公演情報

Daiwa House presents
ミュージカル『ビリー・エリオット~リトル・ダンサー~』


■出演:
川口 調  利田太一 中村海琉 渡部出日寿/益岡 徹 橋本さとし/柚希礼音 安蘭けい
根岸季衣 阿知波悟美/中河内雅貴 中井智彦/星 智也/大貫勇輔 永野亮比己
 
森山大輔 家塚敦子 板垣辰治 大竹 尚 大塚たかし 加賀谷真聡 齋藤桐人 佐々木誠 高橋卓士 辰巳智秋 茶谷健太 照井裕隆 丸山泰右 倉澤雅美 小島亜莉沙 竹内晶美 藤咲みどり 井坂泉月 井上花菜 出口稚子
 
河井慈杏 菊田歩夢 佐野航太郎 日暮誠志朗 小林 桜 森田瑞姫 森田 恵
北村 栞 下司ゆな 咲名美佑 佐藤凛奈 髙畠美野 並木月渚 新里藍那 古矢茉那 増田心春 柳きよら
石井瑠音 高橋琉晟 大熊大貴 豊本燦汰 西山遥都

 
<ロンドンオリジナルスタッフ>
■脚本・歌詞:リー・ホール
■演出:スティーヴン・ダルドリー
■音楽:エルトン・ジョン
■振付:ピーター・ダーリング
■美術:イアン・マックニール
■演出助手:ジュリアン・ウェバー
■衣裳:ニッキー・ジリブランド
■照明:リック・フィッシャー
■音響:ポール・アルディッティ
■オーケストレーション:マーティン・コック
 
≪オープニング公演≫
■日時:2020年7月12日(日)~17日(金)
■会場:TBS赤坂ACT シアター
■料金:S席14,000円 A席10,000円
e+プレイガイド最速プレオーダー受付中(2月18日(火)23:59まで)
https://eplus.jp/sf/play/billyjapan
 
≪東京公演≫
■日時:2020年7月18日(土)~10月17日(土)
■会場:TBS赤坂ACT シアター
■料金:S席14,000円 A席10,000円

 
※オープニング公演[7/12(日)~17(金)]&東京公演前期[7/18(土)~8/30(日)]
座席選択先行:2月22日(土)12:00~3月2日(月)23:59

https://eplus.jp/sf/play/billyjapan
 
※イープラス貸切公演[7月25日(土)17:00 / 2020年8月19日(水)12:30]
【手数料0円】最終先着先行:2月22日(土)12:00~3月13日(金)18:00

https://eplus.jp/sf/play/billyjapan
 
≪大阪公演≫
■日時:2020年10月下旬~11月中旬
■会場:梅田芸術劇場メインホール
■料金:S席14,000円 A席10,000円 B席5,500円

--------------------------------------

一般発売:2020年3月14日(土)10:00
※オープニング公演&東京公演前期(7月/8月)分
https://eplus.jp/sf/play/billyjapan
■公演に関するお問い合わせ:ホリプロセンター
03-3490-4949(平日10時~18時/土曜10時~13時/日祝休)
■主催:TBS ホリプロ 梅田芸術劇場 WOWOW
■公式サイト:https://horipro-stage.jp/stage/billy2020/

 
【あらすじ】
1984年、炭鉱労働者たちのストライキに揺れるイングランド北部の炭鉱町イージントン。主人公ビリーは、炭鉱労働者の父と兄、祖母の4人暮らし。幼い頃に母親は他界してしまい、父と兄はより良い労働条件を勝ち得ようとストライキに参加しているため、収入がなく生活は厳しい。父はビリーに逞しく育って欲しいと、乏しい家計からお金を工面し、ビリーにボクシングを習わせるが、ある日、バレエ教室のレッスンを偶然目にし、戸惑いながらも、少女達と共にレッスンに参加するようになる。ボクシングの月謝で家族に内緒でバレエ教室に通っていたが、その事を父親が知り大激怒。バレエを辞めさせられてしまう。しかし、踊っているときだけは辛いことも忘れて夢中になれるビリーは、バレエをあきらめることができない。そんなビリーの才能を見出したウィルキンソン夫人は、無料でバレエの特訓をし、イギリスの名門「ロイヤル・バレエスクール」の受験を一緒に目指す。一方、男手一つで息子を育ててきた父は、男は逞しく育つべきだとバレエに強く反対していたが、ある晩ビリーが一人踊っている姿を見る。それは今まで見たことの無い息子の姿だった。ビリーの溢れる情熱と才能、そして“バレエダンサーになる”という強い思いを知り、父として何とか夢を叶えてやりたい、自分とは違う世界を見せてやりたい、と決心する。11歳の少年が夢に向かって突き進む姿、家族との軋轢、亡き母親への想い、祖母の温かい応援。度重なる苦難を乗り越えながら、ビリーの夢は家族全員の夢となり、やがて街全体の夢となっていく……。