燐光群 タイ演劇界で活躍する演出家と俳優を招き『安らかな眠りを、あなたに YASUKUNI』を上演
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2020年3月20日(金・祝)~29日(日)劇場MOMOにおいて、燐光群が『安らかな眠りを、あなたに YASUKUNI』を上演する。
燐光群は、2016年より3年間<アジア共同プロジェクト>として、タイ・フィリピンでの取材・ワークショップを重ね、両国の俳優・演出家を招き、清水弥生作『Summer House AfterWedding』と『リタイアメン』を東京で初演。バンコク・チェンマイ・マニラでのツアーも行い、好評を博した。この成果を踏まえ、同企画に参加していたニコン・セタンの戯曲 『Rai Phamnak』(邦題:プレイスレス)を、日本版『安らかな眠りを、あなたに YASUKUNI』として、セタンと坂手洋二の共同演出で上演する。
タイ版は2007 年にバンコクで初演され「日本兵の悲劇を入り口にしながら、予想を超えた展開を見せる、ユニバーサルで楽しい作品。新鮮で、クロスカルチュラルなコラボレーション。結局、あらゆる文化的背景の人間すべてが、戦争と平和、生と死という出来事に関わっているのだ。」(The Nation)と評されている。
今回、タイからセタンと気鋭の俳優4名を招き、日本の「戦後」を、東南アジアの若い世代の視点で相対化する。また、『九月、東京の路上で』等での活躍が目覚ましい荻野貴継と渡辺彩萌も参加。アジアの演劇人が初めて日本の靖国神社について描く作品であり、歴史性にポップさとユーモアを交えながら、伝統と現代、国際性とが融合した、オリジナリティと普遍性に富んだ国際合作となる。
タイのキャスト陣
現代のタイの若者と日本兵の亡霊との交流。誰もが直面する生と死、そして愛惜。日本とタイの精霊信仰を踏まえた、「解放されない思念=過去」と「身体=現在」に着目しつつ、戦列に加わった人々の心の奥底を探り、国家と個人の関係を浮き彫りにする。悲しい過去の事実と現在の状況に向き合いながら、国籍・言語・文化の違いや障壁を越えて、いかに心を通わすことができるのか、本公演に注目したい。
また、2 月23 日(日)・24 日(月・祝)にニコン・セタンによるワークショップが開催されることになった。本公演に出演するタイの俳優たちも参加する、本作の内容に関連のあるワークショップになるとのこと。詳細は公式ホームページを確認してほしい。
亡霊になった昔の彼女に取り憑かれている、ワンチャイ。
幼なじみのシンスケの霊魂を探している、日本兵の亡霊タダシ。
彼は、泰緬鉄道が建設されていたカンチャナブリで消息を絶っていた。
現在のバンコクで、不思議な出会いを果たした仲間たち。
迷いながらたどりつく、それぞれの真実とは̶̶。