インディーズ演劇の新たなスタイルの確立に挑む アートチーム エリア51がZoom上でマルチアングル配信劇『ハウス』の生中継を決定
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演劇作家の神保治暉が主宰するアートチーム エリア51が、2020年5月3日(日) 19時から配信劇『ハウス』の生中継を無料で行うことを決定した。上演台本・演出は神保が手掛け、エリア51所属の門田宗大と大須みづほが出演する。本公演は、マルチアングルで視聴者が好きな角度から演劇を鑑賞することができるものとなっている。
(左から)門田宗大、大須みづほ
エリア51は、神保治暉、門田宗大、鈴木美結、濵田真実の4人のメンバーが所属しており、劇団としてではなく、クリエイティブチームとして集結し、メンバーそれぞれがアーティストとして作品を生み出していける「環境」となることをめざして活動。演劇のみならず映像や美術作品、音楽やインスタレーションなど、さまざまなカタチで社会とつながっていくことを目的としている。
東京によく似たふしぎな世界。ぬりえは家の内側を白く塗って暮らしている。一緒に暮らしている旅人のカメラは、今日も外の世界から帰ってきた。カメラが向かいの島で見たという、大きな虹。一緒に見に行こうと誘われるが、ぬりえには外に出たくない理由があった。最近、外の世界では「色の風」が強く吹く。それは一度浴びると二度と落とせない色だという。
上演台本・演出:神保治暉コメント
"3密"を回避した演劇は上演できるかもしれない。でも・・・
その前に、わたしたちの生活について考えたい。自分らしく生きるために必要なものは何?“選択” が迫られている。
私たちの間に修復不能な亀裂が入った。劇場は。映画館は。イベント空間は。不急不要のものだと。鋭い言葉の斧で両断され、私たちはせめぎ合いを余儀なくされた。必要とは、不要とは。「Stay Home」という投げかけも虚しく、満員電車で通勤するしかない会社員は。休業した店舗の従業員は。今月の家賃さえままならない人は。地方へ帰省もできない学生は。八方塞がりである。
・・・でも本来、生活とはままならないものだったはず。誰もが、いつやってくるか分からない驚異と綱渡りしながら生活をしていた。感染するリスク、感染させるリスク、そして、自宅待機の末で破産するリスク、飢え死ぬリスク。政府が遍く我々の生活を完全に担保"できない"なら、それぞれのリスクを考えた上で、最良の人生を選択するしかないのではないか?
「政府の批判」も「悲観」も「自粛」も、それぞれして然るべきだ。だが本当に必要なのは「何を選択するか」考えることだ。誰のせいでもないのだから。自然的なことである。私は死ぬとき、劇場で死にたい。すなわち"演劇が行われている場で生きたい"ということである。その気持ちは今も変わらない。この選択はある意味間違っている。しかし私にとっては唯一の答えだ。
確かに3密を避けた演劇は上演できるかもしれない。でも、かつての3密演劇がもう戻ってこないとしたら? 今、これから、どうやって演劇するか、考え続けたい。