味方良介、井上小百合、植田圭輔出演舞台『銀ちゃんが逝く』が公演中止 つかこうへい没後10 年追悼イベントの開催が決定
(上から)味方良介、植田圭輔、井上小百合
2020年7 月4 日(土)~27 日(月)紀伊國屋ホールで上演が予定されていた舞台「蒲田行進曲完結編 『銀ちゃんが逝く』」の公演中止が決定したが、つかこうへいの命日にあたる7 月10 日(金)から3 日間、「朗読という名の演劇」のイベント開催を予定していることが分かった。
新型コロナウイルスの影響を受け、出演者、スタッフ、観客の安全を第一に考慮した上で、演劇祭の制作の継続が困難であると判断し、公演の中止に至ったわけだが、なんとか演劇の火を灯し続けることはできるのではないかと考え、今回のイベントが行われることになったという。
このイベントでは、「リモートによる稽古で、向き合わず、俳優のエネルギーを伝えあう演劇」に挑戦する。
密閉された稽古場を使用せず、リモートで互いの演技を伝え合うという手法で稽古し、出演者同士の感染を防ぎ、劇場では、演者と観客との距離はもちろん、観客同士の間隔を空けて、観客数を半分以下に動員規制する。
また、上演時間を1時間以内に設定するために、1本の作品を2部構成に分け、客席を1時間ごとに入れ換えることで換気を徹底し、観客の安全を確保する。そして各所の消毒やマスク着用、次亜塩素酸水の噴霧など、通常の対策も講じ、「新しい様式」の公演を実験的に披露するという。イベント詳細等に関しては決定次第、公式サイト等にて発表されるとのことだ。
このたび、「蒲田行進曲完結編 『銀ちゃんが逝く』」で、主演の倉岡銀四郎役の味方良介、ヒロイン小夏役の井上小百合、銀ちゃんのために命をかける大部屋俳優ヤス役の植田圭輔からコメントが到着した。
味方良介コメント
味方良介
こういった形での発表になり複雑な心境です。
誰もが望まない今のこの状況の中で、何が正しくて何がそうではないのかということは僕にはわかりませんが、今の僕に出来ることはこの選択が全員にとって正しいと思うことです。「人は幸せになるために生まれてきたのです。」これほど強く、辛い、そして優しいつかさんの言葉が今の僕の背中を押してくれます。いつかまた皆さんと熱く激しく優しい世界でお会いできる日を楽しみにしています。
井上小百合コメント
井上小百合
日本の芸術文化や、エンタメ、人々の心の豊かさまで奪われていくことが、悔しくて仕方ないです。しかしながら、自分にとっては新たな学びの機会を頂いているような気もしています。精一杯取り組む所存です。よろしくお願いいたします。
植田圭輔コメント
植田圭輔
今回、僕はつか作品に初めて挑戦させて頂く予定でした。関係者の方々が、なんとか演劇を再開させようと努力されていることに心から感謝致します。そして演劇を楽しみにされている皆さまのために、たとえ上演の形が変わろうと、いま自分ができるすべてをかけてこの作品に臨みたいと思います。