松本幸四郎が構成・演出・出演する、オンライン歌舞伎がついに始動　演目は図夢歌舞伎『忠臣蔵』

2020年6月27日（土）11時より、イープラス「Streaming＋」を使用して、史上初となるオンラインでの歌舞伎公演、図夢歌舞伎『忠臣蔵』が始動することが発表された。

松竹演劇本部は、オンライン配信を用いた企画として、歌舞伎夜話特別編『歌舞伎家話（かぶきやわ）』と紀尾井町夜話特別編『『紀尾井町夜話（きおいちょうやわ）』をスタートさせている。第一弾として開始した『歌舞伎家話』は、初回を松本幸四郎がホスト、尾上松也がゲスト、二回目を松也がホスト、中村七之助、小栗旬がゲストとして出演して配信された。そして、本日6月14日（日）20時からは、幸四郎と市川猿之助出演で三回目の配信が行われる。

配信が待ち遠しい中、この度、新たなオンライン企画として、オンライン歌舞伎が登場する。本配信は、これまでの舞台中継や、歌舞伎の映像化とは一線を画す公演となる、オンライン配信専用作品。観客が“どこでも楽しむことができる歌舞伎”となり、公演タイトルは図夢歌舞伎『忠臣蔵』。松本幸四郎が構成・演出・出演を勤める。

本配信は、舞台と同じ“リアルタイムでの芝居”にこだわり、劇場体験では欠かせない臨場感ある芝居に加えて、ビデオコミュニケーションツール「Zoom」を用いることで、別空間で演じる俳優や、事前収録した幸四郎の映像とリアルタイムの幸四郎の姿が画面上で共演する（！？） という、驚きの演出も盛り込み、新たな世界を創出する。さらには、リアルタイム配信の可能性を最大限に探り、チャット機能を活用し、視聴者も参加できるような上演や、劇場公演とは異なる新たな一体感を目指していく。幸四郎は、歌舞伎の手法を用いた映像作品の構想を長年温めており、まさに本企画は“夢を図る”歌舞伎ともいえるだろう。

配信する演目、図夢歌舞伎『忠臣蔵』は、歌舞伎三大名作の一つとして愛され続けている『仮名手本忠臣蔵』を、オンライン配信のために新構成。「通し狂言」として、全十一段の一大巨編を5回に分けて上演する予定で、幸四郎は大星由良助をはじめとする主要な役を演じる。

開演は歌舞伎公演昼の部を意識した11時から、料金は、四十七士の物語である忠臣蔵を意識した4700円（税込）で設定。本編終演後には、約30分のトークイベントも実施予定となっている。400年を超える歌舞伎に、新たな歌舞伎の歴史が刻まれることとなる本配信。歌舞伎を愛する人へ届ける歌舞伎として、また、歌舞伎にまだ触れたことのない人へ向けておくる歌舞伎が新たに誕生する。

松本幸四郎 コメント 

この度、私、松本幸四郎はオンラインで歌舞伎を上演することといたしました。
その名も“図夢歌舞伎”です。
6月27日午前11時開幕、いつもなら昼の部が始まる時間です。
それぞれのご自宅や職場が、皆様だけの桟敷席に変身します。

題材は歌舞伎の名作『仮名手本忠臣蔵』です。
今回のオンライン配信のために新たに構成をし、図夢歌舞伎『忠臣蔵』としてご覧に入れます。
舞台と同じように毎回リアルタイムで演じたいと思います。

舞台に立てない今、これからの新たな歌舞伎の形を考えて取り組む第一歩として、舞台中継とも映像作品とも異なる、新たな歌舞伎の可能性を目指します。
歌舞伎の手法を用いた映像表現ができないものか……20年来の夢でした。
果たして、歌舞伎の歴史に新たな1ページを刻むことができるのか、お客様と一緒に創り上げていきたいと思います。
これまで歌舞伎に触れたことがない方にも、是非、一人でも多くのお客様に観ていただけることを願っております。