jealkbがワンマンライブ再開「オレたちみたいな小っちゃいバンドが小規模ながらも成功体験を生み出していくことでエンタメ業界が動き出せるんじゃないか」
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jealkbが6月19日(金)、東京・代官山SPACE ODDにてワンマンライブ『social薔薇ノdistance』を開催。そのオフィシャルレポートが到着した。
新型コロナウイルスの感染拡大にともなう休業要請で、ライブハウスの営業自粛が続くなか、休業要請が全面的に解除される19日に、ガイドラインにのっとり、感染予防対策を万全にした上でライブ活動を再開したjealkb。
彼ら自身、今年3月にスタート予定だったワンマンツアー『THE BEST 薔薇ノBEST』が延期、さらに再延期となり、いち発信者としてライブ活動ができない苦しみを抱えているが、なによりこれまで15年におよぶバンド活動でお世話になった全国のライブハウスの方々になにか恩返しができないかという思いから、非難を受けることも覚悟で本ライブを開催することにした。
ガイドラインに沿って観客を入れると25人が限界だというライブハウスのフロアにはパイプ椅子が間隔をあけて置かれており、マスクをしたまま座ってライブを観るという慣れない状況に最初は戸惑っていた様子の観客たち。しかし、バンド側の“お客さんに楽しんでもらいたい!”という思いからのさまざまな工夫の効果もあり、徐々に楽しみ方を見つけていったよう。
ステージとフロアの間にあるビニールシート越しに「いろんなリスクがある中、集まってくれてありがとう!」と感謝の気持ちを述べるhaderu(Vo)も、「いつもと違う状況だけど、みんなの目がキラキラしていて……。胸にこみ上げるものがあります」と感慨深げに言葉を紡ぐ。振りが楽しい「Packya Ma Lad」や、戻りガツオをいつものようにヌイグルミではなくイラストで表現した「Reverse Bonito」など、全10曲、1時間あまりという短いライブだったが、これからのライブのあり方の新しい試みとしても有意義なライブとなった。
「これからのエンタメ業界がどのようなライブ形態になっていくかは未知数だけど、お客さんともソーシャルディスタンスを取りながら、ライブハウスで、ネット配信も駆使してライブをする方法を探りたい」と、新しいライブの仕組みづくりの一歩を先陣を切って踏み出したjealkb。
その言葉通り、YouTubeで無料生配信もされた本ライブの終了後、率直な感想をhaderuに聞くと、「実際に目の前に人がいてライブをやることで起こる感情の起伏やお客さんの熱量はやっぱりライブハウスじゃないと感じとれないものだなと思ったし、楽屋に入ってすぐ、メンバーとも“思い切ってやってよかったな”って話しました」と、手応えを感じたことを明かした。
また、観客については「初めてなんで、きっと困惑するだろうなと思って臨んだんですけど、想像以上に困惑していて(笑)。僕らも含めて新しいトライなんで“とりあえず、失敗してもいいからやってみよう”みたいな感覚になれました。今日、自分たちがやりたいと思っているパフォーマンスが全てできたわけではないけど、僕たちは僕たちで宿題を預かったし、今日来てくれたお客さんたちもきっと“次はこうやって楽しもう!”って考えてくれるんじゃないかと思います。隣の人と距離が空いた状態だと、どうしても自分を客観視しちゃってなかなか乗りにくい面もあると思うので、そこを取り払う作業は僕たちがやらなきゃいけないな、って」と、今後に向けての意欲的な言葉も飛び出した。
「ビッグアーティストだとリスクも大きいし、なかなか矢面に立ってやれないと思ったんで、まずはオレたちみたいな小っちゃいバンドが小規模ながらも成功体験を生み出していくことで、きっとまたエンタメ業界が動き出せるんじゃないかと思って」と話すhaderu。
不安はなかったかと聞かれると「不安だらけでした。でもその不安も(お客さんとの間の)このビニールシートが意外と取ってくれて。視界がモヤモヤ~っとしてたんで、このシートがいろんなものを遮断してくれたな、って(笑)」と、想像以上に白っぽかったシートに言及し、笑わせた。
現在、パンキッシュな新曲を制作中だというjealkb。haderu曰く「僕ら、ライブで人形を使うことが多いので、今度は人形がお客さんの上を通るような楽曲を作ろうかなと思ってます(笑)」と歌詞の構想も明かした。
第二子が生まれたばかりだというhaderuは、感染リスクを考え、家族には2週間会わないと決めてこのライブに臨んだそう。今後のライブ活動について聞かれると「これからどういう活動ができるかはわからないけど、今日のライブの経験を活かして、バンドのメンバーとも話し合い、模索しながらやっていきたい」と今後に向けて展望を語った。