影山ヒロノブ、miwaらも事前収録で参加 shibuya eggmanクラウドファンディング支援者リターン配信ライブの公式レポート到着

2020.7.15
レポート
音楽

Thank you for 39-40 the music LIVE!

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7月14日、渋谷のライブハウスeggmanにて無観客配信ライブ『Thank you for 39-40 the music LIVE!』が行われた。
このライブは新型コロナウィルスの感染拡大防止のため営業自粛等を行ってきたshibuya eggmanがクラウドファンディング【Thank you for (39-40) the music -For the Future of Live and Club Culture- shibuya eggman】の支援者リターンの一つとして行ったもの。タイトルの「39-40」にも標榜している、来年3月の40周年を目指し突き進んでいくべく、その営業存続や再開に向けてライブ配信や除菌/換気設備の新設へと募られた。
プロジェクトは前日の7月13日(月)に終了し、支援者は約3000人。目標の400%を超えた1700万円以上の支援が集まった。

このshibuya eggmanは、1981年の開店以来39年に渡り営業してきた老舗ライブハウス。ロック・ポップス系を中心にインディーズからメジャーまでこれまで幅広いジャンルのライブが繰り広げられてきた。数多くの伝説が生まれる一方、新人アーティストの登竜門的な役割も担ってきた同地。多くのレジェンドがここから巣立ち、周年ライヴで還ってきたりと濃い関係値も多々伺える。それはこの日も然り。随所にそれらが垣間見え、同地の懐の深さを改めて感じたのだった。
そんな中、上述のクラウドファンディング成功への感謝も込め支援者のみに配信されたこのスペシャルライブ。この日ならではの出演者や内容で贈られた。

RYU-TA

Kamikaze Boy

MC&進行をキマグレンISEKIが担い、同地所縁の04 Limited SazabysのRYU-TAをギターに、MAN WITH A MISSIONのKamikaze Boy(B.)、showmoreの井上惇志(Key.)、元JUDY AND MARYの五十嵐公太(Dr.)によるスペシャルバンドの生演奏もスペシャル感溢れていたこの日。彼らをバックに、はっとり(マカロニえんぴつ)、長屋晴子(緑黄色社会)、ISEKI、KEN THE 390とこれまでshibuya eggmanに所縁のある面々が曲毎に現れ歌唱。また、影山ヒロノブ、井上苑子、miwaは事前収録演奏にて出演。間にはトークや視聴者とのコミュニケーションも挟まれ、同地が多くの幅広いアーティストやお客さんに愛されているのを実感した。

井上惇志

五十嵐公太

まず登場したのは「ソロとして自身の再起を決意した20代の一番の成長期にお世話になったライブハウス」とこの地を語る影山ヒロノブ。今やアニソンシンガーのレジェンドながら自身のバースデーライブは毎度このeggmanで行っている。そんな影山はアコギのギターストロークも力強く、彼の名を確立したと称しても過言ではない曲を歌唱。こんな時期だけどへっちゃら精神で乗り超えて行こうと、男気溢れるエネルギッシュな歌声でライブの幕を切って落とした。

ここで上述のスペシャルバンドが呼び込まれる。続いては彼らをバックに、eggman主宰のレーベルTALTOからのリリースやマネジメントアーティストでもあるマカロニえんぴつよりはっとりが、「このeggmanが多くの方々に愛されているライブハウスと改めて実感。苦しいことも楽しいことも教えてくれた大切な場所。今日はその感謝を込めて歌います」と、自バンドの代表曲「ヤングアダルト」を歌う。絶望を超えたが故に目指せる明日に向けての希望を感じさせる同曲。このコロナ禍を乗り越えた新たなる明日への一歩を感じた。

はっとり

初めての自主企画イベントを始め、16歳よりこのeggmanのステージに数多く立ってきた井上苑子は初めてお客さんが満員になった際の思い出の曲として「線香花火」を弾き語り。長い間会えなかった時期により愛しさが募っていった歌内容と、このコロナ禍の自粛時とがマッチ。キュンとした気持ちにさせてくれた。

「出演毎に毎度背中を押してもらってきた。迎え入れてくれるような温かいステージ」とeggmanの想い出を語った緑黄色社会の長屋晴子は、バンドをバックにライブを走り出させるかのように、自身の「sabotage」を歌った。インディーズ時代より数々のイベントや対バンライブでこのステージに立ってきた彼女。活力を与えてくれるかのようなバイタリティ溢れる同曲が、これから何でもできるかのようなワンダーな気持ちにさせてくれた。

長屋晴子

抽選を行ってWEB上にて観覧参加した視聴者が、分割画面にてステージ正面のスクリーンに映し出され、ステージアーティストも実際にお客さんを前にした雰囲気を味わいながら進められた。時にはチャットのコメント以外にも、その視聴者がリアルタイムにてeggmanでの想い出を語ってくれる場面も配された。

後半に入る。デビュー記念ライブを始め、9周年の凱旋ライヴ等を行ってきたmiwaは「eggmanで歌った思い出の曲を心を込めて」とアコギ1本にて「you can do it!」を歌い届けてくれた。いつでも力になるよ。一人じゃない、そばにいるよ。立ちどまらず進めばいいと、その伸びやかでブライトな歌声と共に頼もしく歌われた同曲は、この時節だからこそより今後への力や信頼感として響いた。

KEN THE 390

ラストはこの日の司会を担い、35周年記念の武道館イベントでも司会を務めた、「メジャーデビューのきっかけをこのeggmanで掴んだ」と語るISEKIに、週末毎のeggman主催の日本語ラップパーティーにてレコ発ライブを始め数多くの出演歴を誇るKEN THE 390がVo.&MCにて参加。そこにはっとり、長屋晴子を加えた、「夏を感じようぜ」(ISEKI)とキマグレンの「LIFE」が生命力たっぷりに力強く歌われた。eggman39周年から40周年まで走り抜けていこうとKEN THE 390がフリースタイルラップを交え、力強くも生命力溢れるISEKIの歌声。そこにはっとりと長屋のユニゾンやハーモニもベストマッチを見せ、スペシャルなライブは締めくくられた。

ISEKI

最後の「これからも楽しいライブを数多く作っていく。一緒に遊び倒していきましょう。今度はこの場所で是非みんなとお会いしたい!!」とのeggman店長による今後への想いには、これからもこの地より幅広く、そして素晴らしい音楽が輩出され、時には還ってくることもあろうと更に強く確信した。
この窮地を心強い支援者やアーティストたちと乗り越え、新たな活路を築いたshibuya eggmanのこれからは明るい。そう、来る40周年。この地は更に様々な音楽の発信基地として力強く歩を進めていく。


文=池田スカオ和宏 撮影=酒井ダイスケ

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