未来を担う若き芸術家たちの舞台～新国立劇場研修所初のオペラ＆バレエ合同ガラ、バレエ団から豪華ゲストも！

新国立劇場研修所は2020年9月12日（土）・13日（日）に「ヤングアーティスト オペラ＆バレエ ガラ」を開催する。これは新国立劇場オペラ研修所とバレエ研修所が合同で行う、研修所開設以来、初めての公演でもある。

昨今のコロナ禍により、2020年2月末に研修所はクローズ。それぞれの研修生たちは自宅でのレッスンやオンラインの研修を通してレベルの維持に努め、修練を続けてきたという。6月15日に研修所は再開するも、オペラ研修所が予定していた8月試演会は、小劇場での公演準備が整わず中止に。またバレエ研修所の恒例となっている夏公演「バレエ・アステラス」は、招待予定であった海外のバレエ学校や出演者の来日がコロナ禍の状況を鑑み中止となり、公演もキャンセルとなるなど、なかなか発表の場を得られない状況にあった。

この「ヤングアーティスト オペラ＆バレエ ガラ」は、そうした研修生たちにとって待ち望んだ成果発表の場だ。芸術家たちにとって様々な困難を強いられる時代のなか、芸の道を邁進し日々精進する若いアーティストたちの姿は、観客にも様々な感銘を与えてくれることだろう。

■修了生らゲストも花を添えるバレエ公演。研修所お馴染みの演目も

第一部はバレエ研修所の公演。第16期生、第17期生、予科生の19人のダンサーらが、『海賊』『パキータ』などバレエの名作の抜粋や小作品を上演する。『トリプティーク～青春三章～』は牧阿佐美所長が自身のバレエ団で上演している作品を研修所向けにアレンジしたもので、研修所公演の定番作品の一つとなっている伝統的な作品のひとつだ。

ゲストには研修所を修了し、新国立劇場バレエ団で活躍している中島瑞生や渡邊拓朗に加え、プリンシパルの小野絢子が登場するのは注目。さらに現在牧阿佐美バレヱ団で主演で活躍中の阿部裕恵の出演も楽しみだ。

■オペラ研修所は2日間違うプログラムでアリアや二重唱を披露

第二部はオペラ研修所の第21期生、第22期生、第23期生ら14人が出演。12日、13日の2日間に渡り、各研修生がアリアや二重唱を披露する。演目はモーツァルト『コジ・ファン・トゥッテ』よりアリア「愛のそよ風は」や『魔笛』よりアリア「愛の喜びは消え」といった、オペラファンにはお馴染みの曲をはじめ、2019/2020シーズンの開幕を飾ったチャイコフスキーのオペラ『エフゲニー・オネーギン』よりアリア「恋に年齢は関係ない」、ヴェルディには珍しい喜劇『ファルスタッフ』よりアリア「これは夢か？まことか？」などが披露される。

プロの芸術家たちにとってもなかなか公演の開催自体がままならないなかにあるが、しかし未来を担う若手の育成も止めてはならない。日本の舞台芸術の未来を担う研修生たちに、ぜひともエールを送りたい。（文章中敬称略）