AC/DCほぼ全盛期のメンバーで復活!

2020.10.1
コラム
音楽

AC/DCは、遂にバンドの新たなメンバー構成を正式に発表した。

バンドは、FacebookやツイッターなどのSNSで新たなラインナップの写真を公開した。その写真によると、現在のラインナップは、リード・ギターのアンガス・ヤング(Angus Young)、サイド・ギターのスティーヴィー・ヤング(Stevie Young)、ボーカルのブライアン・ジョンソン(Brian Johnson)、ベースのクリフ・ウィリアムス(Cliff Williams)、ドラムのフィル・ラッド(Phil Rudd)の5人。

このラインナップは、2014年に認知症を患いバンドを脱退し2017年に他界したリズム・ギターのマルコム・ヤング(Malcolm Young)を欠いてはいるものの、バンドの金字塔といえる1980年の名盤『バック・イン・ブラック (原題:Back In Black)』を作り上げたクラシック・ラインナップがほぼ揃ったと言っていいだろう。

 

AC/DCは、2014年にアルバム『ロック・オア・バスト(Rock or Bust)』をリリースし、翌年から大規模なワールド・ツアーに出ると発表したが、この直後から多くのアクシデントに見舞われてきた。

まず、前述のマルコム・ヤングが2014年にバンドを離脱し、その後他界してしまうというバンド最大の危機がバンドを襲う。リズム・ギターとしてバンドの独特のグルーヴを生みだしてきたマルカムの離脱は、多くのファンを悲しませた。この危機は、アンガス、マルコム兄弟の甥にあたるスティーヴィー・ヤングが代役を務めることで回避された。スティーヴィーは、1988年のツアーの際にも一度マルコムの代役を務めており、長年のファンにはおなじみの存在だ。

このマルコムの離脱に前後して、今度はドラムのフィル・ラッドが殺人教唆罪と覚せい剤所持で起訴されるという大事件が起こる。この事件でバンドはフィルの代役にクリス・スレイドを迎え、2015年のワールド・ツアーを開始する。

そのワールド・ツアーの最中に、今度は聴力障害の悪化によりボーカルのブライアンにドクター・ストップがかかり、戦線を離脱。一時は、これを機に引退とも報道された。リード・ボーカルを失ったバンドは、ガンズ・アンド・ローゼスのアクセル・ローズを代役にたてツアーを続行し、世界中を驚かせた。

次々とトラブルに見舞われながらも無事にツアーを終了させたバンドだが、今度はベースのクリフが現役引退を発表。相次ぐメンバー交代で意欲をなくしたことが原因だと報道されている。

この一連の流れで、バンドにはリード・ギターのアンガスとのみとなり、これでとうとう1973年から続くバンドの歴史に幕が閉じられるのではという憶測が流れるも、それと同時にバンドの新たな動きを示唆する噂が流れ始める。

 

2018年に、アンガス、スティーヴィー、ブライアン、フィルが、バンドが頻繁に使用しているバンクーバーのスタジオで一堂に会している写真が撮影され、世界的に報道された。

また先月には、今回発表となった5人がそろって演奏している姿が収められた写真がバンドのオフィシャル・サイトに一瞬だけ掲載されるという珍事があった。その写真は瞬く間に世界に拡散されるも、オフィシャルからはすぐに削除された。

それ以外にも、アメリカのバンド、トゥイステッド・シスターのボーカルであるディー・スナイダーはブライアンと食事を共にし、ブライアンのバンドの復帰をメディアで漏らす等、バンドのラインナップを巡る動きは多く、そのたびに大きなニュースとして伝えられた。

 

そして今回発表となったラインナップは、ほぼクラシック・ラインナップの集結というこれ以上ないものとなった。

また、このラインナップでレコーディングされたと思われるアルバムのタイトルであろう "PWR/UP."というワードが、バンドのオフィシャルサイトや、SNSで見ることができる。

ラインナップ以外の詳細はまだ発表されていないが、常に世界の第一線を走り続けてきたこのモンスター・バンドの復活を、素直に喜びたい。